和菓子と岡本太郎を堪能したプチ旅の巻
皆様、ごきげんよう。
先日、大阪にて舞台「クラウディア」を観劇してきまして、そのついでに、2つほど展覧会を鑑賞してまいりました。
日帰り旅でしたが、備忘録として、どんな内容だったのか、どんなことを感じたのか記しておきたいと思います。
◆「和菓子、いとおかし」を鑑賞するため大阪歴史博物館へ。
特別企画展「和菓子、いとおかし ー大阪と菓子のこれまでと今ー」(2022.7/16[土]ー9/4[日])は、江戸時代の大坂の菓子舗・虎屋伊織の伝統を引き継ぐ株式会社 鶴屋八幡の特別協力により、大阪の和菓子の歴史と魅力が存分に堪能できる展覧会です。
「和菓子、いとおかし」展は、6階での展示だったのですが、そこに行き着くまでに10階から1階づつ階下をおりながら常設展を堪能して最後に6階で開催されている展覧会「和菓子、いとおかし」展とご対面というスタイルでございました。
何十年か前に大阪歴史博物館に一度訪れたことがあったような気がしたのですが、あまり記憶が定かではなく、今回、せっかくだからと思いまして、改めて足を運んでみました。
10階から7階までの常設展では、所蔵されている資料を中心に、補足以上のとんでもない量のジオラマやありとあらゆる復元資料と共に紹介されていました。大阪の歴史と文化がこれでもか!!!これでもか!!!わかったか!!!これが大阪や!!!といわんばかりに、脳内に攻め込んできました。
絵図とジオラマがセットになった広島藩蔵屋敷復元模型や、ジオラマセットがぐるりと回る住友銅吹所の様子など、なかなか絵図やジオラマ好きには堪らない空間でして、大変楽しませてもらいました。
ちなみに、常設展示ゾーンでは、フラッシュや三脚なしという条件で撮影し放題でした。
何人かで来ていたら、再現された難波宮の「大極殿」コーナーで天皇につかえた役人や上級女官ごっこや、大正~昭和初期の街並みでの暮らしぶりごっこ等、色々なシチュエーションで写真撮影ができたたかもしれんのだなあ…と、ちょっと浮かれた気持ちになったりもしました。
10階、9階と階を降りるたびに、エスカレーターが配置されているガラス張りの踊り場からは、大阪城の天守閣がどーん!と目の中に飛び込んできました。
「…はあ、大阪城、大阪城公園…」
と緑豊かな巨大な公園の様子を上空から眺めて一呼吸入れるというパターンを4度ほど繰り返し、やっと6階までたどり着くことができました。
◆特別企画展「和菓子、いとおかし」では…
全4章からなる本展覧会では、「大阪和菓子のはじまり」「まぁまぁ、お茶とお菓子でも」「高麗橋に虎屋伊織あり」「虎屋から鶴屋八幡へ」という流れで展開されていました。
大阪歴史博物館所蔵のものもあれば、個人蔵、大阪府立中之島図書館、株式会社 鶴屋八幡の資料が約103点展示されていました。
最近は、資料目録に気になった資料にメモ書きをしておりまして、例えば、第1章で展示されていた『菓子話船橋』(天保12年[1841]/株式会社 鶴屋八幡)の欄には、
「さとうつぼのページ、明瞭でおもろい」
とか、第2章で展示されていた「色絵花紋煎茶碗(三浦篤作)」(昭和時代/個人蔵)は、確か白地に黄色だったか菊だったかお花の模様が描かれた茶碗セットがありまして、
「可愛い茶器だなあ。こういうちゃんとしたお茶セットで最近お茶を飲んでないかもなー。」
と思いながら資料を眺めておりましたら、資料キャプションの中で、「近年では手軽に飲むことができるペットボトル等でお茶を楽しむことができますがー」みたいな内容の一文がありまして、「はっ!!」とさせられた次第です。
この他にも、第3章で展示されていた『絵本十二支』(江戸時代後期/株式会社 鶴屋八幡)には、和服を着た寅さんたちが、和菓子を食べて嬉しそうにしている様子の図が紹介されていました。見開きで紹介されていたその頁には、
服を着た虎が「うますぎて顎が外れそうじゃ」とニッコリ。
みたいなことが明記されていて、ハートを鷲掴みにされてしまいました。他のページにも十二支が和菓子を堪能しとるんだろうか…?と、気になって仕方がありませんでした。
この他にも、引札や、茶器、饅頭切手、和菓子の得意先向けのカタログや、菓子木型なども展示されており、大変充実した内容の展覧会でございました。
図録があったらほしかったなあ…と思いつつ、自分用のお土産として、手ぬぐいと、もったいなくておそらく使うことができなさそうな「和菓子シール」を購入してしまいました。
◆「展覧会 岡本太郎」大阪中之島美術館
大阪中之島美術館にて開催中の「展覧会 岡本太郎」展(2022.7/23[土]-10/2[日])を鑑賞しました。
展覧会は、第1章から第6章までの構成されており、「岡本太郎誕生ーパリ時代」「創造の孤独ー日本の文化を挑発する」「人間の根源ー呪力の魅惑」「大衆の中の芸術」「ふたつの太陽ー《太陽の塔》と《明日の神話》」「黒い眼の深淵ー突き抜けた孤独」といったテーマに分けて、作品が紹介されていました。
個人的に、この作品素敵だわね、と感じた作品がいくつかありましたので、サクッと感じたことや感想など述べたいと思います。
・『痛ましき腕』(1936/1949・油彩、カンヴァス/川崎市岡本太郎美術館)
パリ時代の作品。
作品をみた瞬間、ぎゅっと心を掴まれました。
それと同時に、
「これは、イシコさん(画家 石井みつこ嬢)が好きそうな作品だ!!!」
と思い出し、ちょっと嬉しい気持ちになったりもしました。
・『燃える人(ドローイング)』(1955・鉛筆、インク、紙/岡本太郎記念館)
巨匠たちの描くドローイング作品がけっこう好きでして、ドローイング作品の線を眺めながら
「いやあ、やっぱりラインがしっかりしてるよなー!」
と、「やっぱりすげえよ!」を再認識する瞬間がとても好きです。
同作品とともに、同じ第2章で展示されていた「眠る兵士」(1945・インク、紙/岡本太郎記念館)も好きです。
・『今日の芸術』光文社(1954・書籍・東京都美術館)
個展の図録、岡本太郎が執筆した書籍や、表紙を飾った書籍なども多数紹介されていました。その中で、『今日の芸術』の表紙の絵柄が単純にかわいいなと。ミーハーなんです。
・『愛撫』 (1964・油彩、カンヴァス/川崎市岡本太郎美術館)
とんでもない量の巨大な油彩画を目にしていると、どんどん作品が現れてきまして、そのうち、キャプションのタイトルを確認する前に、
「これは、なんていうタイトルでしょーか!?!」
と、ひとり岡本太郎クイズ大会を密かに決行しておりました。その中で、抱いた印象と全く逆のタイトルだったので、ちょっとびっくした作品が本作品でした。
ちなみに、わたしが抱いた初見の感想は、
「何かと戦っている作品かしらね…」
でしたが、タイトルは、『愛撫』でした。
・『月の壁』(1956・油彩、カンヴァス/板橋区立美術館)
個人的に、ワシリー・カンディンスキーの作品が好きでして、同作品を見たとき、
「あ、カンディンスキーの作品みたいだなー。」
と、思った次第。
20代半ば頃でしたか、ヴェネツィアーパリ10日間の旅の道中にて、幸運にもカンディンスキーの作品に触れる機会がありました。その時、青色ベースの作品に目が止まり、「あぁ素敵な作品だなー。」と思いながら、美術館にてカンディインスキー絵葉書セットを購入しました。
もしかしたら、実際に見た作品は別のものだったかもしれませんが、それでも、何十年と経過した今でも、カンディンスキーの”青”は、何故か私の心に留まっていて、その絵葉書セットを見るたびに、は!とさせられます。
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
備忘録代わりなので、特にこれといった解釈などはありませんが、まったく違うジャンルの展覧会を鑑賞して、とても楽しかったです。
「展覧会 岡本太郎」展では、展示室内で個人の鑑賞に限り撮影が可能となっておりました。
シャッターを押すことにばかりに意識が集中しそうだったので、割と控えめに撮影しながら鑑賞しておりましたら、本当に展示室内では2〜3点しか撮影しておらず、気に入った作品の撮影さえもほとんど残っていないという結果に。
己の記憶と図録があるから、よしとします!
まあ、有名な作品については、「展覧会 岡本太郎」公式サイトや他の展覧会見どころ記事にも多数紹介されているのでそちらをご覧ください〜。
どちらも、会期が7月に始まったばかりですので、お時間があれば是非鑑賞してみてください。
特別企画展「和菓子、いとおかし ー大阪と菓子のこれまでと今ー」
2022年7月16日[土曜日]から9月4日[日曜日]
大阪歴史博物館 6階
「展覧会 岡本太郎」
2022年7月23日[土曜日]から10月2日[日曜日]
大阪中之島美術館 4階展示室