2人目 出演者の想いに寄り添う温かい映画監督
こんにちは!Chimney Dialog編集長のやまげんです!
今回取材させていただいたのは会社員として働きながら、音楽活動をされたり、映画監督として作品を手がけているヤギエイジさん!ジャンルを問わず、あらゆる活動に従事しているヤギさんの原動力や今後の目標について熱くお話してまいりました!
今回ヤギさんとお話する機会が持てたのは前回の記事に取り上げたネジさんに「ハンサムで熱い男がいるよ!」と紹介をしていただいたのがきっかけなんです!この、数珠つなぎのように魅力的な人を紹介していただくシステムが記事と記事に関係性を持たせることができる非常に面白いアイディアだと感じているので続けていきたいと思っています!
それでは、ヤギさんとのダイアログです!どうぞ!
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⬛️ヤギさんの職業ってなんなんですか?
山元「ヤギさんの普段の投稿を見ていると歌や映画のように色んな活動をされているように見えるんですけど、肩書きは何なんですか?」
ヤギ「僕は今働いている健康食品メーカーにデザイナーとして入社したんだけど、現在はその中のEC事業部ってところに所属して楽天市場や自社のHPで商品を売るために広告でPRをしたり、どういう手法を用いたらお客さんがファンになってくれるのかっていうのを考える仕事をやっているんですよ。そうなった時に改めて考えると僕の肩書きはデザイナーではなくて、誰かに商品を届けるために商品のプロモーションをするプロモーターだなって思っています」
山元「じゃあ今は会社員をされているんですね!」
ヤギ「そうなんですよ、でも実はその会社もこの3月いっぱいで(令和2年3月)で退職しようと思ってるんですよ」
山元「えっそうなんですか!退職した後はどうされるんですか?」
ヤギ「僕としてはこれを機会に働き方を柔軟にしたいと思っていて、もしかしたらリモートワーク的にフリーランスとして仕事をしていきながら会社員として成果を出していく形になるかもしれないし、完全にフリーとして働くかもしれない。そこついては流れに身を任せようと思っていて、僕が将来目指しているビジョンがあるのでそれを叶えるためにはどの道を選ぶべきかなっていうのを考えている段階ですね」
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⬛️映画監督として活動するようになったきっかけは?
山元「ヤギさんが監督をされた映画の予告を見させていただきました。会社員として働かれていながらあの映画の作成にも取り組んでいたということですが、昔から映像作りが趣味だったりしたんですか?」
ヤギ「実はこの映画を作るまでは映画を作りたいなんて思ってことなかったんですよ。でもそんな僕が映画監督になったのにはきっかけがあるんです。僕は人よりも努力をするタイプなので会社では率先して手をあげて企画に参加したりとか、深夜まで働いてそのままカプセルホテルで働いたりっていう生活を送っていたんです。でも適切な評価を受けてスッテプアップをしていきながら自分のできることの幅を増やしていけてたからその生活には全然不満はなかったんですよね」
山元「すごいですね、、」
ヤギ「でも、6年目くらいの時に部下が育って僕のやることが徐々に少なくなって定時後とか休日に余裕が生まれてきたんだけど、そういう余暇の時間にやりたいことが何もないってことに気がついたんですよ。自分の手の中に何も残ってないなって感じてこのままの人生でいいのかなって急に虚無感を感じてしまったんです。その時思ったのがもっと色んな人の人生が知りたいっていうことだったんですよね」
山元「なるほど、僕が色んな人に取材をして回っているのと似ているような感じがしますね!」
ヤギ「まさしくその通りで、僕もやまげん君が今やっているように色んな人に片っ端から”サシ飲みをさせてください!”って連絡を取ってたんだよね笑」
山元「えーっ!そうなんですか!」
ヤギ「うん、その活動をする上で人に会わなくちゃいけないってなった時に色んなコミュニティに入ってみたんだけど、どこも自己紹介で終わっちゃうような集まりで本気で話せるような場所ではなかったんですよ。そんな時にキンコン西野さんが美術館を作る決起集会を開催しててそれに参加したのがオンラインサロンに入ったきっかけですね」
山元「入ってみてどのように感じましたか?」
ヤギ「西野亮廣エンタメ研究所の中で出会う人はみんな生き生きしていて、それまでの僕の価値観には全くないお金を持たない人だったりとか、世界中を飛び回ってショーをしている人がいてすごい面白い人がいるなって思ったのと同時にその人達の活動を応援したいって思いましたね」
ヤギ「そんな人たちのお金に対する考え方とか、幸せの意味みたいなものを聞いているうちに僕は彼らが映画の主人公に見えてきたんですよね。人としての色がはっきりしていて、しかもその色がすごく面白かった。だからこの色を他の人にも伝えられらたいいなと思ってwebマガジンみたいなのを作って「こんな人がいるんだよ!」っていう記事を書いたりしてたんですよ」
山元(僕と同じことをされていたんだ、、!!)
ヤギ「ただそれだと受け取る人の分母が少なくて、取り上げた人の周りの人だけが盛り上がるだけで終わってしまったんですよね。それじゃあ別の形でその人の魅力を伝えるためには何があるかなと思った時に紆余曲折あってたどり着いたのが映画製作だったんですよ」
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⬛️映画『ぺるそな』に込めた想い、素人だからできる事
山元「それまでは普通の会社員だったヤギさんが映画製作に本腰を入れるようになったきっかけってなんだったんですか?」
ヤギ「始まりはただの思いつきだったんですけど、映画を作りたいっていう気持ちをSNSに投稿したら「参加したい」とか「昔劇団をしてたから力になるよ」って声がすごい想像以上に届いてものすごく面白いものができる予感がしたので、これはやらないとなと思いましたね」
山元「なるほど、その時手をあげてくれた方々が実際に映画に出演しているってことですか?」
ヤギ「いや、その時集まった人たちで実際に出演しているのは1人くらいなんですよ。というのも、どういう映画を撮るかを僕なり考えた時に、沢山のお金を積んで製作している映画はたくさんあって、世の中の人はそれに見慣れている、その中でズブの素人が面白いモノを作れるわけがない、じゃあ彼らが作れないものを僕が作れたら面白いんじゃないかと思った時に素人だけで作る映画を撮ろうと思ったんですよ」
ヤギ「要するに、台詞も本人がこれまで僕に話してくれた話をそのまま言わせる。そうすると、演技力って必要なくなるんですよね」
山元「なるほど!確かに!役作りが必要ないですもんね!」
ヤギ「しかも、演技にない自然体の良さが出る。ドラマなのか、ドキュメンタリーなのかわからないような、そんな映画観たことないなと思ったんですよ。しかも、これまで僕が色んな人の価値観を聞いてきた話を僕以外の人に伝えたいと思った時に、映画って万人に通用するモノだと思ったんですよね。みんな人生で一度は映画に触れてきたと思うので」
山元「確かに、小さい子からお年寄りまで全員が利用してるコンテンツってよく考えるとすごいですよね!母数が多い!」
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⬛️映画製作開始!しかし、次々起こるアクシデント、、!
ヤギ「人の人生を伝えるには映画っていうものが良いアイテムなんだなって思ったから登場人物は本人役で出そうって決めたんですよ。ただ、アクシデントが沢山あったんですよ。まず第一に、主演を務めてくれたちひろちゃんが別府に帰ってしまう関係で撮影できる期間が3ヶ月しかないという事実をキャスティングした後に知ることになったということ笑」
山元「えぇー!その時はまだ台本も固まってないですよね?」
ヤギ「うん、まだ何もできていない段階で3ヶ月しか時間がないってかなり無謀だなって思ったんですね。でもこれはもしかしたら神様が与えた試練なんじゃないかと思って、本業の仕事はしながら空いた時間を全て映画製作に充てたんですよ。毎日にように考えて、投稿して、仲間を集めて。でも、僕は脚本なんて考えたことないし、映像なんて撮った事なくて足りないものだらけだったんです」
ヤギ「当時の僕ってものすごくプレッシャーを感じていて、下痢が何日も続いてたりしたんですね、そこで病院に行ったら潰瘍性胃腸炎って診断されたんですよ。僕、仕事ではプレッシャーは感じない方だったし、どちらかというとなんでもそつなくこなせるタイプだったから結構驚いたんですよね。だから、その時映画の製作を手伝ってくれていた※コーチングのお仕事をされている人にお願いして診てもらったんですよ。そこで、色んな施術を受ける中で僕はひとりでゴールしたいんじゃなくてみんなでゴールがしたいんだって思えたんです。それまでは周りに頼まないことが周りを守ることだと思っていたけど、そこで初めて人に頼ろうと思って「助けてください!○○と××が足りてません!」って投稿したんですよ。そうしたらシェアが12、3件くらい伸びて、ものの数日で全部揃ってしまったんですよね笑」
コーチング:促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論、クライアントを支援するための相談(コンサルテーション)の一形態。ただし、世界的に合意された明確な定義は存在しない(wikipedia引用)
山元「すごい!ヤギさんの人が巻き込む力は途轍もないですね!」
ヤギ「すごいのは強力してくれているみんなが先回りして行動をしてくれるようになって、それ自体をみんなが楽しんでくれるようになったことなんですよね。僕の映画って60人くらい出演しているので気づいたら撮影隊が大所帯になっていて、ネットで作った映画製作のコミュニティも100人近い人がいて、あれとあれよという間にすごく大きなエンタメになったんです」
山元(製作の過程そのものがひとつのエンターテイメントになっている!西野サロンで起きていることと同じムードを作り出せているんだ!)
ヤギ「そうやって色んなアクシデントを乗り越えて、全部の撮影が終わってみんなで打ち上げをしている時に自然とみんながハグをしてたんですよ。その時に、これまで僕が立ち止まってはクリアしてきた道のりが全て必然に感じたんですよ。あの時のアクシデントがあったから今のビジョンが見れるんだなって思えて、その時に学んだ教訓が”苦難ていうものは必ず存在する、問題はそれをどれだけ楽しめるかだ”っていうものなんですよ。この経験は今の人生にすごく活きてると思ってますね」
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⬛️上映会を終えて感じたこと、そして、これから
ヤギ「映画が満足のいく形に完成したんですけど、短い期間に殆どが素人のメンバーで作ったよいうこともあって、僕が伝えたかった想いはこの作品を通して伝わるのかなって不安を感じていたんですよ。でも上映会をしてみたら僕の映画を見たお客さんがボロボロと泣きだしたんです」
山元「うんうん」
ヤギ「僕は”みんなは何にそこまで泣いてるんだろう”と思ってあるお客さんに聞いてみたんですよ。そしたら、こう返ってきたんです。「ヤギさんの映画をみる1時間は”映画を観る1時間”ではなくて”自分の過去と向き合う1時間”だった」って言っていただけたんですよ」
山元「あぁーなるほどー!」
ヤギ「映画の中で色んな人のトラウマや苦悩をリアルに映し出しているからこそ、観る人によって刺さるポイントも大きさも違ってくるんだなってわかった時に”僕の作ってきたエンタメは無駄じゃなかったんだな”って思えましたね」
山元「僕は初めて予告編を見させていただいた時に、他の映画にはない熱のこもった台詞がすごく印象的で興味が湧きました。その映画の製作にそれだけ多くの人が関わっていて、そして沢山のアクシデントを乗り越えて作られたと知って映画を見た時に泣かないでいられる自信がありません、、、笑」
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⬛️映画製作に対する原動力とは
山元「映画『ぺるそな』に携わるまで全く経験がなかった映画監督という活動に何故そこまで打ち込むことができたんですか?途中、プレッシャーや過労で身体を壊しながらも最後まで走り抜けることができたモチベーションってなんだったと思いますか?」
ヤギ「それはやっぱり”応援”なんですよね。映画というものが僕の為のエンタメだったら何かアクシデントがあっただけで「めんどくさいし、もういっか」ってすぐに諦めると思うんですけど、あの映画は僕の為のものではなくて登場人物の物語を世間に見せる為のものだったから、出演してくれた人達を勝たせたいっていう気持ちがモチベーションになってましたね」
山元「なるほど、応援をしたいという気持ちがモチベーションに繋がっているんですね、すごいな」
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⬛️応援したくなる人達の共通点
山元「これまでヤギさんが沢山の人にお会いして一緒に活動されてきた中で、応援したいと思える人達の共通点って何かありましたか?」
ヤギ「うーん、例えば僕の映画に出ている人の共通点は”どこか屈折した経験がある人”ですね。みんな何かに悩んでいて、壮絶な人生を歩まれているんですけど、それを乗り越えたからこそ今があるんだなと思える人達ばかりなんですよ。それは僕自身も経験してきたことなので非常に共感できるし、愛おしく感じますね」
山元「西野亮廣エンタメ研究所のサロンメンバーにはそういう経験を持っている人が多い印象がありますよね。僕も高校生の頃の悩みや卒業後の葛藤を抱えたまま生ききて、その話を西野サロンメンバーの人達にするとすごく共感して、応援してもらえるんですよね。すごく居心地の良さを感じています」
ヤギ「生き方改革をしている感覚がありますよね。学校や家庭で固定概念っていうものは植えつけられてきた中で、それに違和感を感じる人がほんの少しだけいて、そういう人達がドンドン集まってきているのかなって思います。そこに共通認識があるから二言目には”応援するよ”って言えるようなコミュニティになっているんだと思います」
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⬛️お金に対する向き合い方
山元「ヤギさんの話を聞いてない人が本業ではないのに映画監督をしている人がいるって聞いたら、”副業で稼ぐためにやってるのかな?”とか”本業の売り上げを伸ばすためなのかな?”っていう風に考えるだろうし、その方がわかりやすいと思うんですよね。でもそこで活動をするモチベーションは”人を応援するため”と聞いたら不思議に感じる人も必ずいると思ってて、だからこそ聞きたいことがあるんですけど、ヤギさんはお金というものに対してどのような考えをお持ちですか?」
ヤギ「僕の映画にはより良い画を撮るために機材とかスタジオ代に結構お金がかかっていて、それを実費で払ってたんです。でも、強力してくれているメンバーを勝たせるためのお金だから別にいいやと思ってたんですよね。でも、映画のチケットに1800円っていう金額はつけたくなかったから、映画を見た人がどれだけの価値を感じてくれたかっていうのを知るためにも、チケット代を言い値制にしたんですよ。そうしたら結局チケット1枚を1800円で売るよりも大きいリターンが生まれたんですよ。そこで僕は”人は情熱にお金を払うんだ”って思ったんですよ。要するに目の前の作品のクオリティだけじゃなくて、そこまでのプロセスに価値を感じてもらえるんだなって思ったんですよね」
山元「確かに、今の話を聞いてドラえもんの映画とヤギさんの映画が同じ金額っていうのはなんだか変な感覚がしますもんね」
ヤギ「ははは、この上映会の経験を踏まえてお金の価値をもっと知りたいなって思えたので、やってみたいことがひとつあるんですよ。この映画をDVDにして販売する時にその売り上げが出演者に還元される仕組みを作りたいんです。具体的にはDVDの購入ページで出演者の誰から購入するかが選べれるようになっていて、その売り上げが選ばれた出演者に行くようにしたいんですよ。で、僕がその先に見たいのはその時に集まったお金が何に使われるのか、ですね」
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以上です。
ヤギエイジさんとお話ししてとても印象的だったのが、応援するという行為に対しての意識の高さです。
ヤギさんの応援は本気です。迷っていれば一緒に考えて、人手が足りなければ身を粉にして働く。自分の見返りではなく相手の勝ち目を最優先に動いているように感じました。
応援するなら全力で勝たせに行くという姿勢は非常に頼もしく感じましたし、何よりこんな方が一人でも味方として動いてくれていたら仮に結果が出なかったとしてもその過程はとても有意義なものになると思いました。
成功すれば万々歳、失敗しても掛け替えのない過程を提供してくれる。ヤギさんの活動にはそんなアットホームな雰囲気を感じました。
今後は映像制作以外の活動でもヤギエイジさんのお名前を聞くことになるでしょう!その時は僕も責任を持って応援します!本当にありがとうございました!
取材の後、一緒にハンバーガーを食べました!とっても美味しかった!