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【表現評論】涼宮ハルヒの憂鬱(原作) コアレビュー その3 第2章【再読】
●涼宮ハルヒ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。
●前回の記事
⚫︎部活を作る
ネクタイを鷲掴みにされて部活作りを強要されるキョン君。逆壁ドン的な。ハルヒの方が頭ひとつ分小さいけど。その手の人には刺さりそうなシチュエーションです。
⚫︎同好会の規定
「同好会」の新設に伴う規定。
人数五人以上。顧問の教師、名称、責任者、活動内容を決定し、生徒会クラブ運営委員会で承認されることが必要。活動内容は創造的かつ活力ある学校生活を送るのに相応しいものに限られる。発足以降の活動・実績によって「研究会」への昇格が運営委員会によって動議される。なお、同好会に留まる限り予算は配分されない。
創造的かつ活力ある学校生活。いかにも学校が作る文章っぽくて良い。学校というワードを除けばSOS団に当てはまりそうな内容ではある。しかし予算が配分されないなら会を発足する意味があるのかわからない。この手の部活ってどのくらい予算が配分されるものなんですかね。一般的な文芸部とかどのくらい予算あるわけ? 全く事情がわからない。メモリーズオフのコアレビューでも、文化祭の予算感が全くわからないという話をした気がしますが。後夜祭で花火上げるだのなんだの、どんだけ金使うんだよと。文化系部活で一番予算かかりそうなのは吹奏楽部か。
⚫︎長門有希
最初に宇宙人の長門さん登場。ハルヒ同様、初登場時には人物描写が入っています。
白い肌に感情の欠落した顔、機械のように動く指。ボブカットをさらに短くしたような髪がそれなりに整った顔を覆っている。出来れば眼鏡を外したところも見てみたい感じだ。どこか人形めいた雰囲気が存在感を希薄なものにしていた。身も蓋もない言い方をすれば、早い話がいわゆる神秘的な無表情系ってやつ。
眼鏡を外したところも見てみたいじゃ無いんだよ。見たくないよそんなもん。眼鏡属性はない、じゃ無いんだよ。箱崎智紗さんの悲劇を繰り返してはならない。箱崎って誰よ。知らない人はメモリーズオフT-waveのコアレビューを全部読んでください。無理? じゃあ読まなくていいよ。黒縁眼鏡が似合う人です。
それにしても、ハルヒの描写に比べると、長門さんはちょっと気合い足りなくないですか。ハルヒの描写はこうですよ。
長くて真っ直ぐな黒い髪にカチューシャをつけて、クラス全員の視線を傲然と受け止める顔はこの上なく整った目鼻立ち、意志の強そうな大きくて黒い目を異常に長いまつげが縁取り、薄桃色の唇を固く引き結んだ女。
ハルヒの白い喉がやけにまばゆかったのを覚えている。えらい美人がそこにいた。
長門は「それなりに整った顔」。ハルヒは「えらい美人」。若干温度に差がある。少なくともキョン君の主観的にはハルヒの方が好みなんじゃないの。最初からずっと言ってるけど。キョン君にとってはハルヒは絶世の美女なんだよ。そら声もかけますよ。
幼年期の終わりって本を昔読んだことがありますが、長門は幼年期の終わりのカレルレンによく似ている。ネタ元なんじゃないの、という。
⚫︎朝比奈みくる
次に未来人が登場。えらい美人を超える? すんげー美少女ロリ顔巨乳萌えキャラとして出てくるのがみくるちゃんです。
思わず俺は朝比奈みくるさんを見た。小柄である。ついでに童顔である。なるほど、下手をすれば小学生と間違ってしまいそうでもあった。微妙にウェーブした栗色の髪が柔らかく襟元を隠し、子犬のようにこちらを見上げる潤んだ瞳が守ってください光線を発しつつ半開きの唇から覗く白磁の歯が小ぶりの顔に絶妙なハーモニーを醸し出し、光る玉の付いたステッキでも持たせたら立ちどころに魔女っ子にでも変身しそうな、って俺は何を言ってるんだろうね?
長門よりもハルヒよりも描写が長い。長門さんは「それなりの整った顔」、ハルヒは「えらい美人」、みくるちゃんは「すんげー美少女」という称号がキョン君によって与えられています。みくるちゃん(大)はともかく、みくるちゃんは美少女とは言ってるものの、美人とは言ってません。この辺にキョン君の微妙な好みが現れてそう。やっぱりさ〜、モノにしたい女と、見ていたい女って違いますよね。キョン君にとってハルヒはモノにしたい女、みくるは見ていたい女ってわけよ。長門さんはメガネだけで存在価値がある。眼鏡外した後は知らない。
みくるは長門を確認してから書道部をやめてハルヒの部活に入ることを同意します。お互いの正体は把握している人達。
⚫︎胸の大きさ
各キャラの胸の大きさを測る上で重要なハルヒのセリフがあります
「なんか腹立ってきたわ。こんなに可愛らしい顔して、あたしより大きいなんて!」
これを見るとみくる>ハルヒというのは確定するわけですが、あたし「より」大きいと言ってるということは、当のあたしも大きいと考えるのが妥当です。つまりハルヒも巨乳。みくるはもっと巨乳。他の人はよくわからない。
⚫︎SOS団結成
ハルヒが適当に考えた「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒによる団」が結成されます。僕はメモリーズオフを大いに盛り上げるための西住による団の団長です。MON団。
⚫︎パソコン強奪事件
みくるの胸を鷲掴みにしてる写真を撮って脅迫し、コンピューター研究部からパソコンを強奪するハルヒ。目的のために手段を選ばない鬼畜ぶりが発揮されています。この傍若無人っぷりがハルヒの魅力ではありますが、この辺はちょっと現代感覚だと叩かれそうな気がする。2000年代は許されたんだろうけど、今は総マジレス社会なので。
⚫︎長門の本を借りる
時系列的にはバニーガール事件の前に起きていたのが長門の本を借りるイベント。キョン君が気づくのはだいぶ後なわけですが、これは後から気づくということを予測して貸してるんですかね。それとも毎日待ってたのか。情報統合思念体が遠くの時間まで認識できるのかはっきりしない。毎日待ってようがなんとも思わないんだろうけど。
⚫︎バニーガールビラ配り事件
ハルヒとみくるがバニーガールの衣装でSOS団のビラを配った事件。教師に怒られまくって終了するという結末を迎えます。そらそうよ。ハルヒは誰がいようがなんだろうがお構いなしに着替えています。羞恥心ゼロ。
⚫︎みくるちゃんの謎
バニーガール事件の次の日、みくるちゃんは学校を休みます。パソコン強奪事件で胸を揉まれるよりもキツかったらしい。休んで何してたの。というかこの人どういう生活を送ってるんですかね。未来から来たってことは親も兄弟も親戚もいないんだろうけど、謎すぎる。長門はマンションで乾いた生活を送ってますが、みくるは憂鬱内では全く一切描写されてない。なぜ書道部にいたのかも謎。憂鬱の中では、みくるが一番謎な存在じゃ無いでしょうか。普段何してるのか謎。気弱なロリ巨乳美少女未来人という情報以外、ほとんど何もない。
⚫︎謎の転校生
キョン! 謎の転校生が来たわよ! というところで第二章は終わります。あんまり語ることはなかった章ですが、みくるハルヒ長門パーソナリティが惜しみなく解放されているのが気持ちいい。謎が云々というよりも、キャラの魅力が存分に発揮された部分ですね。この短い間のパソコン強奪事件とバニーガール事件の二つのイベントで各キャラがどの場面でどういう行動を取るのが見えてきます。やっぱりハルヒって神だわ。