司法書士のわたしが、事務所を飛び出し、「まちに出ていく」理由
そもそも独立する気などありませんでした。
平成19年司法書士登録以来、神奈川県内の司法書士法人で勤務してきて、
それがこれからも続くのだろうと思っていました。
お客様と直接触れ合う仕事ができ、感謝もされ、やりがいもあった。
上司や同僚にも恵まれ、幸せな司法書士人生を送ってこられたと思います。
そんな私がなぜ独立しようと思ったのか?
なぜまちに出ていこうと思ったのか?
きっかけは、一組のご夫婦との出会いでした。
90代。こどもはおらず、夫婦で身を寄せ合うように暮らしていた二人。
奥様が具合が悪く、家事は背中のまがったご主人が一手に担っていました。
「財産相続のことで相談したい」ということで、地域包括支援センターからの紹介を受け、ご自宅を訪ねると
家の中はものであふれ、廊下の幅が50センチくらいしかない状態。
台所もお世辞にもきれいとは言えません。
腰が痛くてゴミを出しに行くのも一苦労なんだ。
このままでは夫婦共倒れになってしまう・・・という悲痛な声に
私は衝撃を受けました。
「財産のことで」というのは、プライドが高く、素直にSOSを出せなかったご主人が絞り出したSOSだったのです。
これまで、仕事に誇りを持って、夫婦仲良く、友人と海外旅行をしたりと、ごく普通に、もしかしたら普通以上に丁寧にしっかりと生きてきた二人。
コーヒーが好きで、おうちに伺うとどんなに腰が痛くても
お気に入りの豆を挽いてコーヒーを入れてくれたご主人。
そんなご夫婦が人生の最後にこんな窮地に立たされてしまうって
世の中どうなってるの??
これを何とかしなきゃいけない。
窮地に陥る前の状態から、「ちょっと困ってるんだよ」といいあえる関係性を作らなければいけない。
そのためには・・・
事務所にこもってちゃだめだ!専門分野に閉じこもっていちゃだめだ!!
まちに出ていき、同じ志を持ったいろんな分野の方とつながっていこう。
これがわたしがまちに出ていく理由です。
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