
普通自動二輪車免許(幕間②)
SHOEIのヘルメットを買いにYSPへ行こう!
2段階の途中ぐらいでふと思った。ヘルメットを買おう。
順序的には普通バイクを先に決めるんじゃね?とは思った。されど30後半で独身こじらせてバイクの免許を取ろうとすること自体が既に「普通」ではない。なので、今さら「普通」に軌道修正する必要もないだろうと考え直した。イッツマイライフ。
理由は説明できないけど何故か「ヘルメットはSHOEI」と決めていた。初めて調べたけど結構いいお値段するのね。
Z-8?にしようかしら。X-fiftteenとの違いがよく分からん。後頭部がちょっと突き出てるとかそんなもん?スタイリッシュでかっこいい。
服でもなんでもそうだけど「これいいじゃん」と思ったものは大体高い。


価格面で安めのメーカーも気になった。しかし、さすがに頭部は死亡にダイレクト過ぎる。ケチるとこではないと思い直す。
集中治療室で「ヘルメット代ケチったおかげで意識不明だってよ」「SHOEIとかAraiなら防げたはずの脳挫傷だったね」みたいな陰口を叩かれるぐらいならいいやつ買おう。
SHOEIのヘルメットは近所なら家から車で20分のとこにあるYSPにあるらしい。行ってみなくっちゃ。マップで調べるとアラ不思議。YSPってこんな分かりやすい大通り沿いにあったんか…!何回も通った道だから気付いていいはずなのに意識してないとほんと見落とすね。
「サイズチョウセイ シタイ デス。」
YSPは初めてで、バイク屋に入るのは今回で2回目。おおお。店内外に所狭しとバイクが並んでいるわさ。YAMAHAはそこまでピンとは来なかったけど、やっぱバイク(実物)はかっこいいな。
店内を見るともなく見渡す。「今日はバイクじゃなくてヘルメットなんだよごめんね」などと思いながら店内を練り歩き、ようやくお目当ての商品を見つけた。そんなに数はないっぽい。勇気を出して試着を申し出ねば…!
ここでキャラが強いスタッフさんがあらわれた。
「すみません。ヘルメットの試着をお願いできませんでしょうか。」
「イヤ…ハイ…イマ アルノハ コレダケ…」
?
いや、別に店頭在庫の数にケチ付けたわけじゃないんだけどな…?
「ああすみません。店頭にある分(4つ)のどれかでいいので、SHOEIのヘルメットを試着させてもらえませんでしょうか?」「サイズ感が知りたいんです。」
「ア… ハイイ…」
まったく俺と目を合わせようとしない。年頃の女の子しか装備してはいけない防具である。守っているのは羞恥心。ネズミ男感が強い風貌をしている40代ぐらいと思しき男性である。言葉を1回口の中でもぐもぐと噛んで粉砕してから発しているのかと思うぐらい単語で喋る。
適当なサイズ(確か59cmだった)を被らせてもらった。うん。めちゃくちゃキツい。体調を悪くするぐらいキツい。
「すみません。だいぶキツいみたいです。もう少し大きいサイズはありますか?」
「エット…イマハ コレガ イチバンオオキイ サイズデス…」
「イッカイ…アタマノ サイズヲ ハカッテ ミマショウカ…」
黒子みたいなフェイスガードを付けた。巻き尺を伸ばして近寄るネズミ男。こんな感じだった。戴冠式みたいだ。

「アア…イエット…58シェンチデシュネ…」
「ハカッタカンジ…イェット…59シェンチデ イイトオモイマスケドネ…アタマノ スァイズガ58デスシ…」
「あれー?でもやっぱり痛いというか…。こんなもんと思えばそうかもしれないですけど…。」
「ア…ハイ…ソウデスカ…イェット…59シェンチデイイトオモイマスケドネ…」
ネズミ男はどうしても59cmということで話を付けたいようである。騙されんぞ。絶対痛い。「こんなもんかな?」で済ましていいキツさではない。帰ろうかと思ったけど、別の店に行くのも面倒くさい。田舎過ぎてSHOEIのヘルメットを置いている場所がほとんどない。
どうしたものかと考えていると、ネズミ男からナイスな提案があった。
「ショウエイノ サイズチョウセイサービスモ アリマスケド…」
それを先に教えてよ。もちろんお願いした。サイズ感は大事。直後、ネズミ男からものすごく申し訳なさそうに
「スミマセン…シャンジュエンシャンビャアクイェン カカルンデスゥ…」との案内があった。
3,300円(税込)で快適になるならいい話じゃん。ヘルメット本体の価格に比べれば誤差みたいなもんである。おねがいしまーす!と元気よく伝えた。
ネズミ男の対応を見るに、冷やかしだと思われたか?上はシャカシャカジャージで下は毛玉だらけのスウェットで、足元はランニングシューズで頭はうすらハゲだもんな。気持ちはわからなくない。買う気あるんかこいつと思われても仕方ないぐらい適当なカッコだもん。
ブツはZ-8にした。説明聞くと迷うので見た目いっちょでこれ。
次回はピッタリなサイズのSHOEIヘルメットを買うよ!いええええい!