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仕事と自然な生き方の両立

TOMO様の素敵なイラストを使わせて頂きます。ありがとうございます。

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みなさんこんにちは。にしやんです。

今日は『仕事と自然な生き方の両立 』をテーマに書きたいと思います。

イタリア製の商品をみていると、一見どうでもよいと思われるところに、こだわりがある物が多いことに気づきます。

それはちょっとしたデザインであったり、装飾であったりするのですが、実用性に関係のないところにも、気の利いた遊び心がちりばめられています。

だからといって、実用性が低いわけでもなく、高度な仕事のなかにも、どこか余裕があるのです。

それが結果として商品の魅力につながっています。  

もう一つ、イタリアというと、イタリア発祥のスローフード運動も有名です。

これは、日本でもよく紹介されており、耳にしたことがある人も多いでしょう。

マクドナルドなどを代表とするファストフードに対抗するもので、人間の生存の基本となる食事でさえも効率的にすまそうとする動きに反発するものです。  

昼食は仕事の合間にとるものですが、さっさとファストフードですませて仕事に戻ったほうが効率的かもしれません。

しかし、友人と(ときには自宅に帰って家族と)楽しく食事をし、場合によっては、昼寝(シエスタ)もしてから仕事に戻るというほうが、よっぽど人間的です。

最近では、イタリアもグローバリズムの悪しき影響で、ここまでのんびりしてはいませんし、ミラノやトリノといった北部の経済先進地域となると、もう少しあわただしい感じもありますが、それでも日本の労働者よりは、ゆっくりと食事を楽しんでいる人が多いように思えます。  

私にとって、イタリアとは、このように実用性や効率性から距離をおき、人間らしく自然に生きていくことを教えてくれる国なのです。  

労働は、イタリア語で lavoroといいます。

lavoroは、ラテン語の laborを起源としていて(英語でも同じ)、元の意味は「疲労」や「辛さ」というものです。

働くとは、日本でも、イタリアでも、どの国でも、辛くて、疲れることなのです。

だからこそ、労働をしながら少しでも幸福になろうと思うならば、毎日の労働の辛さを忘れるための遊び心が必要となりますし、日々の疲れを癒すための食事や休息をしっかり取るという姿勢が求められます。  

これは、仕事をすることと、人間らしく自然に生きることを両立させようとする試みといえます。

生物としての人間に不可欠の食事を犠牲にしたり、生命を危険にさらすほどの過労を続けたりするということは、自然な生き方から、ほど遠いものです。


📚『勤勉は美徳か?~幸福に働き、生きるヒント~ (光文社新書)』大内 伸哉著

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