
あえて突っ張り棒が落ちない方法を物理で考えてみる
皆さん、突っ張り棒使ってますか?

我が家では使っています。
洗濯物をかけたりするときに便利ですよね。
ところがこいつがたまに落ちるんですよ。洗濯物かけているときに落ちると、ガンバレルーヤのよしこさん並みに「クソが!」と毒づいてしまうこともしばしば。

これを落ちづらくする方法を「あえて物理を使って」考えてみたいと思います。
物理と聞くと難しいと身構える人も多いと思いますが、ご安心ください。私もド文系で物理は中学理科~高校理科総合でしか勉強したことないので、皆さんとレベルは同じです(笑)
なので難しい数式とかは使いません!
そもそも突っ張り棒はなぜ落ちないのか?
突っ張り棒が落ちない=そこで力が釣り合っているということですよね。
ということは、どんな風に力が加わっているかを考えれば良さそうです。
力にはどんな種類があるのかなと調べると、こんな分かりやすいサイトがありました。
こちらのサイトによると、
物理基礎・高校物理で覚えなければいけない力は次の6個です。
1. 重力
2. 垂直抗力
3. 弾性力
4. 張力
5. 摩擦力
6. 浮力
とのこと。
私の理解では、多くの突っ張り棒で考えるべき力は
重力(下に引っ張る力)
垂直抗力(壁が棒を押す力)
弾性力(棒がバネの力で壁を押す力)
摩擦力(壁が落ちようとする棒を邪魔する力)
ではないかと思います。(間違えていたら教えてください!)
ところで中学理科で、作用・反作用というのを習いますよね。ある力を加えると、その力と同じだけの力が反対に返ってくるみたいなやつです。
これを踏まえると、上の4つの力は以下の2セットとして考えることができそうです。
1.重力 - 摩擦力
→重力という作用に、反作用として摩擦力が働く
2.弾性力 - 垂直抗力
→弾性力という作用に、反作用として垂直抗力が働く
重力は棒自体の重さと棒にかけるものの重さの合計と言っておきましょう。これはイメージしやすいですかね。
弾性力は突っ張り棒の中にあるバネが戻ろうとする力のことです。突っ張り棒にはジャッキ型というのもありますが、我が家のはバネ型ですので、ここではバネ型で考えます。
ここから、おそらく突っ張り棒が落ちないのは、
重力 + 垂直抗力 = 摩擦力 + 弾性力
という式が成り立つからではないかと思います(合ってる?)

これで登場人物がそろったので、落ちづらくする方法を考えることができそうです。
重力増加に対抗する
突っ張り棒が落ちるのは、ほとんどのケースでかけるものが多くなった時です。
つまり、「重力が増えた時」ということですね。これに対抗する力を増やせば、突っ張り棒は落ちづらくなるはずです。
先ほどの2セットで見ると、重力に対抗しているのは摩擦力です。したがって、できるだけ摩擦力が高くなるようにするとよさそうです。
要は、滑りづらくすれば良いということですね。
調べていたらこんな記事がありました。
誰もが苦戦する「突っ張り棒が落ちる問題」を100均ダイソーで解決
これらのグッズの活用は摩擦力を高めることで対抗していると言えます。
そしてここからが面白いところですが、摩擦力の限界、これを物理では「最大静止摩擦力」と呼ぶそうですが、これは「静止摩擦係数×垂直抗力」と表せるんだそうです。
静止摩擦係数は要は滑りづらさのことです。垂直抗力は突っ張り棒の場合、バネで押される力(弾性力)に対して壁が反発している力です。
静止摩擦係数はグッズなどで上げていますから、弾性力をあげることでさらに落ちづらくできそうですね。
突っ張り棒の大手メーカー「平安伸銅工業」が紹介している、突っ張り棒の取り付け方では、以下のように紹介されています。
STEP2 突っ張る面より数センチ長く伸ばします。
取り付ける幅よりも数センチ長めに伸ばすのがポイントです!
これは少し長めにしてからバネを押し込みつつ設置することで、バネの反発を最大化する方法です。これにより「弾性力」を上げることで、同時に「垂直抗力」を上げることができるので、耐えられる重さが増えることになります。さすがメーカーさん、言っていることが非常に合理的です。
つまり、重さの増加に対抗する有力手段としては、以下2つを上げることができます。
グッズなどを使い摩擦力を上げること
突っ張り棒を少し長めにしてから壁に設置する
ところが問題はこれだけではないというのです。
たわみ問題
ものに上から重みが加わると、「たわみ」が起きます。
これが起きると、上部では圧縮力、下部では引っ張り力が起きます。

これによって、突っ張り棒の壁側は、極端に図示すると以下のようになります。

弾性力が圧縮力と引っ張る力で分解されてしまうので、弱体化します。したがって反作用である垂直抗力も低下。
結果、「最大静止摩擦力」も低下するので、棒が落ちやすくなります。
したがって、たわみを少なくするというのも重要です。
このたわみ問題への最も簡単な対策は、力を分散することです。ある1点に力が集中すれば、当然そこのたわみが大きくなってしまいます。
なので、洗濯物を均等にかけるなどして、1点に力が集中しないようにすることが大切です。
そして、突っ張り棒はかけたい場所の長さに合ったものを選ぶことも重要とのこと。
というのは、突っ張り棒は太いパイプの中に細めのパイプを入れることで長さを調整できるようになっています。
これはすなわち、パイプが重なっている面積が大きい方が丈夫ということです。重なっているところは金属が二重になっていますからね。
なので、目一杯伸ばした棒と、余裕を持っている棒では、余裕を持っている棒のほうがたわみに強いのです。
なので、大きいサイズを短く使う方が落ちづらくなります。
つまり、50㎝の距離があるところに突っ張り棒を置きたいときには、25~50cm対応の棒よりも、50cm~75cm対応の棒のほうが良いということです。
まとめ
まとめると、以下のような対策をとることで突っ張り棒を落ちにくくできそうです。
摩擦力向上グッズを使う
少し長めに調節してから、バネを押し込みながら壁に設置する
洗濯物などは均等にかける
できるだけ短く使うようにする
これらによって、突っ張り棒を落ちづらくすることができるはず!
私は文系で、Xなどの文字で置かれると理解しづらくなるので、できるだけ日本語で表記するようにしましたが、どうだったでしょうか。理系の人には煩わしく思えるかもしれませんが……。
こういう情報はググればすぐ出てくるようなものですが、そのメカニズムを理解することで自分なりの工夫もできるようになります。
こうやって「あえて手間をかける」のは、現代社会では非効率でアホなことと言えますが、それによって得られるものは「工夫の種」です。
あるいはほかのことに使える「応用の種」でもあります。
何か困ったときにものを言うのは、こういう「工夫力や応用力」だと思います。
アホなことをしながら、一緒に「工夫力や応用力」を高めていきましょう!
「面白い!」「アホなことしてるけど役にたった」と思ったら、サポートしていただけると、とても嬉しいです!
なお、私は物理は本当に素人なので、間違えていたら教えていただけると助かります。