土用のススメ ―季節を活かしたライフサイクル―
学校では教わらないけれど、知っておいた方が良い暦の常識。それが土用(どよう)。うなぎを食べる日としての『土用丑』だけ頑張っても、自然の流れには乗れないので、もう一歩突っ込んだ情報が必要。
『季節の変わり目は気をつけて』という台詞は、大人の小言として、もしくは健康や業務における警告として、いつかどこかで聞いたことがあるはず。それをフィーリングではなく具体的な目安として暮らしに取り入れられたら素敵。
春・夏・秋・冬の過ごし方は、もうみんなすっかり達人でしょう。そのための情報や設備も整っている現代。あと足りないのは、4つの季節の間にある、季節の変わり目という5番目の季節の過ごし方。そこを補完できたら、ライフサイクルはより円滑になり、綺麗なグラデーションが完成します。
というわけで。
以下に土用に関する要点を箇条書きにて。
土用とは?
・季節と季節の変わり目にある5番目の季節。
・感覚的なものではなく暦できっちり決まる循環。
・そもそも日本は四季ではなく五季。
・季節は木火土金水という五行とリンクしてる。
・春は木、夏は火、秋は金、冬は水、変わり目は土。
・季節の変わり目は大気が変動する。
・大気の変動に合わせ、人の運気も浮き沈む。
・運気の変動とは心体魂の状態が不安定になること。
ちょっと気の利いたカレンダーならば、土用の入り(初日)と土用の明け(最終日)は掲載されているもの。それってつまり、『ここからここまでの期間は季節の変わり目で不安定になるから慎重に』ってメッセージ。
カレンダーが伝えようとしている土用警報を受け取ることができるようになると、スケジュールの組み立て方や、そこでの過ごし方が少し上手になるはず。
また、土用って自分だけでなく周囲のみんなにも同じように作用するから、イライラしている人や、イレギュラーな状況に遭遇しても、『はいはい土用ね』と納得できるようになるはず。
土用の基本的な注意事項
・季節の変わり目における大気の変動に注意。
・大気の変動とは不安定であり、浮き沈みであり、動揺。
・何事も、いつも通りには進まない。
・何事も、いつも以上に慎重に。
・動土、建築、穴掘り、庭木の伐採は凶。
・庭木の剪定や草むしり、農作業は問題なし。
・疲れが溜まりやすく抜けにくい。
・ストレス、病気、怪我が起こりやすく、治りにくい。
・機械類の故障や、運転操作ミスが増える。
・人間関係の摩擦、衝突に注意。
→基本的にネガティブで残念な悪い運勢という認識で問題なし。
→土用を避けた行動計画こそ、暦を読む際の基本姿勢。
→土用中の決断や選択を避けれることが運の軌道修正。
5つ目の季節の存在意義
土用とは、単なる凶時期ではなく、それがあるからライフサイクルが成立する、という必要な間(ま)。1日の中でいえば黄昏時(昼から夜への移行期間)。色々なことが起こる注意の時期だけれど、それによって様々な要点に気づくことができる。
土用が持つ3つの効能
1.デトックス(排出):古い季節に溜めた穢れを手放す。
2.アップデート(更新):新しい季節へ向けた準備を整える。
3.チューニング(調律):ズレていた基準を元に戻す。
→不調や不具合や失敗が、凶運とは限らない(偶然の必然)。
→土用に起こるトラブルは、排出・更新・調律のきっかけ。
→土用とは新しい季節を迎えるための準備期間。
→土用による強制的な排出・更新・調律は良くある話。
→できれば強制ではなく自主的に移行するのが吉。
土用の活用
・土用は季節。定期的に等間隔で訪れる循環。
・定期的な循環なので、計算できるし計画を立てられる。
・春の花、夏の海、秋の実り、冬の温泉の予定を立てられてるはず。
・では4月、7月、10月、1月の土用の予定は?
・土用をライフサイクルに組み込めば、自然とのシンクロ率が高まる。
土用とはランダムでも不定期でもなく、暦に予め掲載することができる、決まった季節なので、その気になれば、
★いつ注意すべきか?
★どこで排出・更新・調律を行うか?
★いつを避けて建築・転居・お買い物をするか?
などの予定を1年分立てることができます。そうすることで、5つの季節が全て揃い、自然の循環と暮らしの循環が一致し、運勢とも呼ばれる流れに乗りやすくなります。
土用のある暮らし
いきなり土用を過剰に意識するのは不自然。また非現実的な無理のある理屈で今あるライフサイクルが息苦しくなるのも避けるべき。まずは無理なく取り入れられる以下の3つあたりからお試しを。
ここから始める土用生活
1.土用保険(土用中になにかあったときに開封するご褒美)
2.土用ケア(運のデトックス&アップデート)
3.土用ミーティング(土用を狙ったコミュニケーション)
→備えあれば憂いなし、憂いあっても備えあり。
→土用という約18日間を目安に、1年の暮らしのリズムを作る。
→不定期な思いつきの成り行きを、『土用スイッチ』で循環に乗せる。
→ケアも会話も、必要に応じてではなく定期的に。
→自己管理には限界あり。土用(季節)の定番をつくれば楽。
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