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「脱炭素推進」プロジェクト着手手順
§「脱炭素推進」の第一歩
「脱炭素」を推進するためには、現時点でのおよその排出量を各主要部門(商品)毎に把握し、いわゆる「カーボンフットプリント・マスターデータ」を作成することが第一歩である。
§「脱炭素推進」の基本手順
脱炭素推進のためには次の5つのステップを踏むことが必要で、このステップに沿って組織的行動を取っていくことになる。
①脱炭素推進活動の定義
脱炭素に向けて、全社的に推進するのか、効果の大きい特定部門(商品)を対象にするのか、上記のマスターデータに基づいて、戦略的に「脱炭素推進活動」の定義書を作成する必要がある。
②計測
削減量データの正確な把握が、脱炭素推進活動を行う上で肝要である。データ計測の正確性を期さねば意味はなく、正確な計測を推進するためのプロトロコル(手順書)を厳密に設定せねばならない。
③目標へのコミットメント
削減目標を設定した部門(商品)毎に、その目標と達成途上の削減プロセスに、責任と評価を伴ったコミットメントを行う。
④削減努力の実行
詳細で綿密な削減行動を実際に実行し、正確な測定に基づいて、削減行動の修正や調整を行う。収益性のKPIや、経済環境に応じた経営戦術上の要請を鑑みて、削減ミッションを修正することに問題ないが、削減行動の修正の際には、コミットメント達成に向けたロードマップも修正して、実行に乗せていくことが必要である。
⑤コミュニケーション
「脱炭素推進」の活動について、その進捗状況を社内外のステークホルダーに対して開示し、情報発信することが有意義である。
脱炭素推進担当部署は、まず、マスターデータの把握と①~⑤の手順の整備について着手することが必要である。場当たり的で不正確なデータに基づいた無意味な活動にならないよう、機関認証が取得できるほどのレベルの精緻さに則した削減行動手順を準備せねばならない。
脱炭素推進活動が、企業で一体的、戦略的に行われ削減状況が効果的に発信されている日本企業の例としては、ヤマハ、積水ハウス、ダイワハウス、リコーなどが挙げらるが、他企業のサステナビリティ―情報も参照し、脱炭素の良い例のモニタリングが社会的に進むことを望みたい。