見出し画像

令和6年6月 周南市議会第2回定例会 一般質問

こんにちは。
周南市議会議員の 西尾 たかお です。
令和6年6月に行われた第2回定例会において、当選後初めての一般質問をさせて頂きました。
今回の一般質問でテーマとしたのは、選挙戦中も訴えてきた3点です。
「学校部活動の地域移行」「コンパクト・プラス・ネットワーク」「地元教育機関からのコンビナート企業等への人材確保について」以上の質問をさせて頂きました。

6月議会の一般質問


今回の記事では、通告内容と質問の経緯、質問の議事録を記載させて頂きます。
※今回掲載した議事録は編集版です。完全版はこちら【p138】をご確認下さい。


質問通告の内容

1 学校部活動の地域移行について
 (1) 周南市文化・スポーツ活動推進協議会における専門部会について、以下を問う。
  ア 3つの専門部会の協議内容はどうか。
  イ 移動方法の支援方法についての状況は。

2 コンパクト・プラス・ネットワークの取組について
 (1) 平成29年に策定された周南市立地適正化計画の見直し状況は。
 (2) 計画を進める中で、各拠点をゾーニングするだけでなく、公共交通ネットワークを含めた各地域の将来的な在り方を記載してはどうか。
 (3) 主要交通結節点となっている新南陽駅前について、市道の歩道を整備すべきではないか。

3 地元の教育機関の脱炭素分野の人材確保について
 (1) 地元の教育機関から本市コンビナート企業等への人材確保に対して、行政としてどういった支援を行い、また検討しているのか。
 (2) 周南公立大学において脱炭素に関する専門分野の教育を図るための市の考えは。

学校部活動の地域移行について

全国で、学校の先生方の負担を減らすために進められている部活動の地域移行。
周南市では、「平日と休日を問わない移行」を先駆けて実施しようと動いています。
この部活動の地域移行ですが、顧問として活動していた学校の先生方の負担の軽減だけではなく、部活動の少ない学校の生徒さんにとって、自分の希望する活動ができるというメリットもあります。
しかしながらデメリットとして、「各家庭の部活動の費用・送迎負担が増える」「指導者・活動場所などの確保」「不適切な指導が起きないような環境管理」など様々な課題があります。

今回の一般質問では、現状の確認と参加学生の移動(送迎)について取り上げさせて頂きました。

西尾 質問 ▼
学校部活動の地域移行について御質問いたします。
この市議会の場においても、諸先輩方より何度も御質問があった課題だと存じております。私自身、日々の活動の中で子育て世代の方々を中心に多くの不安や不満のお声をお伺いしてまいりました。

特に、当事者である中学生の方や、小学生の弟さんや妹さんがいる高校生の方から直接声をかけていただくこともありましたし、私のSNS、インスタグラムになるのですが、DMで直接御連絡を頂くこともございました。

今回御答弁いただく際は、ぜひ彼ら、彼女らにも伝わるような御答弁を頂きたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

さて、3月に行われました一般質問の御答弁の中に、今後は専門部会を開催し、移行に関する諸課題の整理や施策の検討を行っていくという御発言があったかと思います。

周南市文化・スポーツ活動推進協議会における専門部会について、3つの専門部会に分けて協議されるとのことでした。

当該協議会の議事録を拝見する限り、地域クラブについてガイドライン等の持続可能な体制づくりの第1部会、公共施設の活用等の第2部会、しゅうなんコミュニティ・クラブについての第3部会という形でそれぞれ協議されていると理解しておりますが、ここで、アの質問でございます。

この3つの専門部会の協議内容と現状についてお伺いできますでしょうか。

厚東 教育長御答弁 ▼
それでは、周南市文化・スポーツ活動推進協議会における専門部会についての御質問のうち、協議内容についての御質問にお答えいたします。

本市では、市立中学校における部活動を地域で行われる文化・スポーツ活動へ段階的に移行し、中学生をはじめ誰もが気軽に生涯にわたり文化・スポーツ活動に親しみ、楽しむことができる環境づくりを推進するため、周南市文化・スポーツ活動推進協議会を設置しております。

昨年12月に、この推進協議会での協議を受け、課題解決に向けてより具体的に協議を進める場として3つの専門部会を設置し、適宜開催をしているところでございます。

3つの専門部会の協議内容といたしましては、まず、先ほど議員も申されましたように周南市地域クラブに関することについて協議する第1部会では、主な協議内容として、地域クラブの概要や経済的困窮家庭への支援について協議を進めております。

次に、公共施設の活用に関することについて協議する第2部会では、主な協議内容として、公共施設に関する情報の一元化や活用率を上げる支援について協議を進めているところでございます。

最後に、(仮称)しゅうなんコミュニティ・クラブに関することについて協議する第3部会では、主な協議内容として、このしゅうなんコミュニティ・クラブの体制について、現在協議を進めているところでございます。

今後も専門部会で課題解決の方策について協議を進めるとともに、その内容を推進協議会で報告し、市のホームページにも掲載するなど、進捗状況を発信してまいります。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。現場の皆様も含めて皆様の大変さを理解しております。

ただ、7月5日の日刊新周南さんの報道でも、現状について不安の声を取り上げた記事というものが出ていたと思います。

平日と休日を問わない移行と打ち出している以上、やはりスピード感を持ちながらも、丁寧な情報発信が必要だと考えております。

その上で、先ほどの御回答には移動方法に対しての言及や支援についてといったものが触れられておりませんでした。

3月に行われました一般質問で御答弁された際に、専門部会で検討する旨のお答えがあったかと記憶しております。
参加される中学生の皆さんが全て送迎していただけるわけではない中で、行政が地域移行を進める上で、やはり移動格差が起こらないようにしないといけないと考えております。

それでは、イの質問です。
移動方法に対する支援について、状況をお伺いできますでしょうか。

厚東 教育長御答弁 ▼
活動場所への移動手段の支援についての御質問にお答えをいたします。

本市の部活動改革は、今、議員申されましたように、平日・休日を一体とした新たな活動を目指しており、改革後の中学生の活動場所は市内全域が対象となります。

これまでのように1つの活動に専念することもできますし、複数の活動に取り組むことも可能となり、それぞれ活動場所や活動時間、活動内容が大きく異なることとなります。

そのため、活動場所への移動手段や移動費の支援については、これまでの推進協議会や関係者から御意見を伺う場においても検討すべき項目としていただいており、専門部会において協議をいたしたところでございます。

専門部会での協議を踏まえ、本年6月の推進協議会において、事務局から活動場所への移動手段や移動費については参加者の負担という提案をさせていただいたところです。

今後も様々な場で御意見を頂きながら、推進協議会や専門部会で協議を進めてまいります。

西尾 質問 ▼
ありがとうございました。
ただ、やはり今の御説明でも移動格差という部分の危険性というのは感じてしまいます。

費用の問題だけではなくて、例えば、ゼオンアリーナ等で行う場合、やはり鹿野から参加する方と、そして周陽地区から参加する方とでタイムラグというのは出てきます。

ただ、そのタイムラグを可能な範囲で縮めていくためには、やはり公共交通機関、乗換えや時間帯などを調整する必要性もあると思います。

ここで再質問させていただきます。移動方法について、担当する専門部会はどちらになりますでしょうか。

厚東 教育長御答弁 ▼
移動手段等について検討している部会は、先ほど申しました3つの部会のうち、第1部会に当たる周南市地域クラブに関することのところで協議をしております。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
これまでどおり、専門部会でもしっかりと方向性を出していただきたいと思います。

重ねて申し上げますが、この地域移行については子育て世代の方々だけでなく、当事者の中学生や、これから状況を迎える小学生の皆さんも不安を感じていらっしゃいます。

ぜひそういった方々に対して、より伝わるように、今後も状況を報告していただければと思いますし、情報発信だけでなくて、報道にもあった地域クラブの登録団体の状況、また、移動方法も含めて、環境を整備する動きについても注視させていただきたいと思います。

ただ、移動方法については、学校部活動の地域移行だけでなくて、やはり、まちづくりにおける各拠点の地域づくりや公共交通の在り方といった課題にも発注すると考えています。

専門部会だけではなく、本市のまちづくりについて総合的に対応することが求められていると問題提起をした上で、学校部活動の地域移行に関しての質問は終わります。

コンパクト・プラス・ネットワークの取組について

選挙中も訴えてきました「コンパクト・プラス・ネットワーク」。
耳慣れない言葉だと感じる方もいらっしゃると思いますが、要は人口減少化とそれに伴う税収減が検討されている中で、地方都市において中心部と周辺部における拠点を整備し、公共交通などネットワークで繋ぐことを言います。

この「コンパクト・プラス・ネットワーク」のポイントとして、「立地適正化計画」という計画があります。
この計画が今年度見直しのため、その現状の確認をさせて頂きました。

私はまちづくりの研究を大学時代に行っていた際、富山市で研究をしておりました。この富山市では「串とお団子」というコンセプトのもと、拠点整備や具体的な計画について立地適正化計画に記載しておりますが、周南市ではそこまで言及されていないため、その点について問いただしました。

最後に、その立地適正化計画において主要交通結節点と位置付けられている「新南陽駅」。その周辺の整備環境について質問させて頂きました。

西尾 質問 ▼
続きまして、質問2のコンパクト・プラス・ネットワークの取組について質問させていただきます。

昨年9月の一般質問におきまして、市長より本市の理想的な都市像について、平成29年に策定した周南市立地適正化計画及び令和3年に策定した周南市地域公共交通計画に基づき、将来にわたって暮らしやすいコンパクト・プラス・ネットワークの実現を目指していく旨の御発言があったかと記憶しております。

そこで、(1)の質問でございます。立地適正化計画について、平成31年に見直しがあり、それから5年後、つまりは今年度見直しというものだと認識しておりますが、見直し状況についてお伺いできますでしょうか。

藤井 市長御答弁 ▼
周南市立地適正化計画の見直し状況についての御質問にお答えいたします。

本市では、人口減少・少子高齢化社会に対応した暮らしやすい都市を実現するため、平成29年に周南市立地適正化計画を策定し、その後、平成31年に居住促進区域を追加する改定を行っています。

居住促進区域を設定して5年が経過することから、関連する法律の改正や社会経済情勢の変化等を踏まえ、指標の達成状況や施策の進捗状況等を総合的に評価し、計画の見直し作業を進めているところです。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。私自身もまちづくりの仕事に関わってきた経緯もありますので、本市が立地適正化計画に基づいて、多くの方の努力でコンパクトシティーを進めており、また先ほど市長もおっしゃられたとおり、人口減少と行政コストを抑えていくためにも重要であることは理解しております。

しかしながら、読売新聞オンラインで、今年4月30日に配信された記事にも記載されたとおり、居住を促すということについてはなかなか難しい面もあり、まだまだ時間が必要であると思います。

中心部以外の地域では、「私たちの地域は見捨てられているのではないか」というお声を伺うこともありますし、また子育て世代の方々からは、「自分たちが今住んでいる場所で子供を育てていけるのか」「歳を重ねていけるのか」そういった不安を口にされている方もいらっしゃいました。

全国を見ていくと、富山市や北上市など少しずつではありますが、用途地域のゾーニングだけではなく、各拠点をどのように公共交通等ネットワークでつなぐのかといった将来的または具体的な方向性を出している自治体も増えてきているように感じております。

そこで、(2)の質問です。
先ほどの学校部活動の地域移行についてでも御指摘させていただきましたが、本市の今後を考える上で、また中心部以外から中心部への流動性を高めて、中活エリアのマーケットというものを広げていく上でも立地適正化計画を進める中で、各拠点をゾーニングするだけでなく、公共交通ネットワークを含めた各地域の将来的な在り方をより踏み込んで記載してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

藤井 市長御答弁 ▼
各地域の将来的な在り方の記載についての御質問にお答えいたします。
立地適正化計画では、都市の拠点性を高める都市機能誘導区域と市街地の人口密度の維持・上昇を図る居住促進区域を位置づけています。

各地域の在り方については、周南市都市計画マスタープランに記載し、また、立地適正化計画と両輪である周南市地域公共交通計画において、公共交通ネットワークの在り方を記載しています。

具体的には、地域公共交通計画では、各エリアの中心的な場所である、須々万地区の北部拠点施設やコアプラザかの、ゆめプラザ熊毛などを幹線・支線の乗り継ぎが可能な場所である主要交通結節点として位置づけています。

あわせて、拠点間をつなぐ路線バスなどの地域間の幹線とコミュニティー交通などの支線の役割分担を明確にすることで市民の日常生活における移動を持続的に支えることができる効率的で利便性の高い公共交通ネットワークの構築を図ることとしています。

まちづくりは多岐の分野にわたることから、都市計画マスタープラン、地域公共交通計画やその他の関連計画と連携、補完しながら、市全域で安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。


西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
多岐にわたる分野というのは非常に理解しておりますし、非常に難しいということも理解しております。

ですが、やはり先ほど挙げた自治体のように具体的に進めている事例というのもありますので、ぜひ具体的に進んでいくこと、先ほども質問で触れさせていただきましたが、部活動の広域化など移動が増えていくという現状がありますので、ぜひそういった方向に進むことを期待しております。

さて、将来的な在り方というのは公共交通だけではなくて、各地域の課題も含めたものだと思います。

本市の主要交通結節点となっている新南陽駅前についてですが、市道の歩道が街路樹木の隆起、もしくはタイルの劣化などからタイルが剥がれてしまったり、歩道に穴のようなへこみができてしまったり、また歩道の点字ブロックが欠落していたりといった、けがの危険性が高い事例を地域の方々から御指摘されています。

そこで、(3)の質問でございます。
この状況を放置しないためにも市道の整備をすべきだと考えていますが、いかがでしょうか。

※後日の日刊新周南の報道(2024年7月18日)

※また上の報道にある下松市議の件については、関係ない旨のご答弁が9月議会で取り上げられました。

藤井 市長御答弁 ▼
新南陽駅前における市道の歩道整備についての御質問にお答えいたします。

新南陽駅は、周南市地域公共交通計画の中で鉄道と路線バスが接続する主要交通結節点として位置づけており、令和2年度にトイレのバリアフリー化やバス・タクシーの乗降場所の整備など、利便性や快適性の向上に向けた環境整備を進めてまいりました。

駅前広場や市道にはタイル張りの歩道が整備されておりますが、老朽化によるタイルの剥離が見られることから、順次補修を行っているところです。

今後も市民の皆様からの声に迅速に対応するとともに、職員による点検やパトロールの強化を図り、的確な補修を実施することで安全の確保に努めてまいります。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
ここで再質問させていただきますが、今後の整備計画等は検討されていますでしょうか。

櫛部 建設部長御答弁 ▼
今後の整備計画についての御質問にお答えをいたします。
新南陽駅は主要交通結節点として利用者の安全性や利便性を維持していく必要があると考えております。

平成元年頃、現在のタイル張りの歩道が整備され、既に35年以上が経過していることから老朽化が進んでおり、補修を行いながら維持管理に努めているところです。

再整備につきましては、今後の状況を見ながら必要な対策について検討をしてまいります。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
なかなか難しいことも多いと思いますが、やはりまちづくりにおいて中心部ばかりといった対立をつくらないこと、そして、市の考えを伝えることも我々の役割だと考えております。

現場の方々の努力については、重々理解をしているつもりですので、理解していただくためにも、周南市全体がよりよくなるためにも、そして、今後も継続的に成長していくためにも、今後もネットワークや市道の整備について継続的にお伺いをさせていただきますので、どうぞ何とぞよろしくお願いいたします。

これで、コンパクト・プラス・ネットワークの取組について質問を終えさせていただきます。

地元の教育機関の脱炭素分野の人材確保について

周南市は、国際拠点港湾である徳山下松港があります。
そのため、石油化学メーカーを中心に重化学工業の企業が多数立地しており、 出光興産、東ソー、トクヤマ、日鉄ステンレス、日本精蝋、日本ゼオン等の工場が立ち並ぶ街です。

この周南市に2022年4月に公立化された「周南公立大学」が設立されました。
しかしながら、この大学には理工学部がなく、市による公立大学でありながら本市の主要産業である重化学工業の企業に向けた人材供給が十分にできているとは言えません。

そのため、この点について質問いたしました。

西尾 質問 ▼
地元の教育機関の脱炭素分野の人材確保について、質問させていただきます。
県が主導するカーボンニュートラルコンビナート構想について、本市もコンビナート企業とともに力を尽くしていると認識しております。

旧日本帝国海軍の煉炭製造所から燃料廠、そして戦後の出光興産さんを中心としたコンビナートの発展といったように、本市はエネルギーとともに発展してきた町であると認識しております。

その発展を支えてきたのは優秀な人材であり、輩出してきた地元の教育機関だと認識しております。もちろんこの場にいらっしゃる諸先輩方にもそのような経歴をお持ちの方もいらっしゃることも存じております。

その上で、(1)の質問でございます。
人材の獲得競争が加熱している昨今、地元の教育機関から本市コンビナート企業等へ人材確保に対して行政としてはどういった支援を行い、また検討しているのかお伺いできますでしょうか。

藤井 市長御答弁 ▼
地元の教育機関からのコンビナート企業等による人材確保についての御質問にお答えいたします。

本市では、人材確保に対する支援制度といたしまして、未来人材奨学金返還支援事業を実施しております。
本制度は、市内に居住し、登録している中小企業等に30歳以下で就業した従業員に対し、企業とともに奨学金の返還支援を行うもので、従業員の年間の奨学金返還額に対し登録企業が3分の1以上、市が上限額を6万円として3分の1を支援するものです。
現在、16の中小企業等が登録されているところでございます。

また、周南コンビナートに関連する取組としては、コンビナート企業5社、化学工学会、市で構成する周南コンビナート脱炭素推進協議会において、高校生を対象とした出前授業を実施し、周南コンビナートの事業活動やカーボンニュートラルの取組について学ぶ機会を提供しております。

さらに、本年3月に開催いたしましたシンポジウム「周南から発信する未来のカーボンニュートラル社会」では、徳山工業高等専門学校の学生や徳山商工高等学校の生徒にもパネルディスカッションに参加していただきました。

こうした取組の継続的な実施を通じて、学生たちに周南コンビナートの関連企業に対する関心をより高めていただくことが、各企業への就職希望者や採用者数の増加につながるものと考えております。

これまで周南コンビナートは、地元の教育機関から多くの優秀な人材を受け入れながら発展し、地元の教育機関も地域で活躍する人材を輩出し続けてきました。
私は、脈々と育まれてきたこうした風土を守ることも大切なことだと感じています。

本市といたしましては、引き続き、産学官民の連携を深め、コンビナート企業等が人材を確保できるよう、様々な支援や啓発活動等に取り組んでまいります。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。市長のおっしゃっているとおり、風土を支えていくことが重要だと考えております。

また、未来人材奨学金返還支援事業制度だったと思いますが、こちらについては、今後、事業規模も含めて拡充をしていただければと感じております。

再質問させていただきますが、昨今、脱炭素化といった話が進む中で、エネルギーとともに歩んできた本市としても見過ごせない状況かと考えます。
脱炭素化に関連した就職後のリスキリング支援等につきまして、どのようなものがあるでしょうか。

荒美 産業振興部長御答弁 ▼
カーボンニュートラルに関する手法などについて、現在どうすれば達成できるのかなどについて検討している段階でございまして、市内で脱炭素化そのものをテーマにしたリスキリングプログラムというものは存じ上げておりません。

しかしながら、リスキリングとは少し違いますけれども、本市ではかねてより水素に関する取組を行っておりまして、平成29年度から、県、県産業技術センターとの共同により、水素関連産業創出勉強会というものを開催しております。

これは中小企業を対象に、水素関連製品等の概要や技術的な課題等について学習の場を設けることで、水素関連の新たなビジネスの創出、環境配慮に取り組む企業の裾野を広げることを目的として開催しておりまして、今年度も開催する予定でございます。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
水素だけでなくて、今後はアンモニア等、他の分野についても支援、またはリスキリング環境をつくっていけるということができればなと感じてはおりますので、ぜひお願いしたいと思います。

さて、炭鉱業が衰退した際、夕張市は観光業を中心にし、対して筑豊では国立の九州工業大学を誘致して対応しておりました。現在では夕張市は財政破綻を経験し、対して筑豊では自動車産業が立地している地域となったと認識しております。

このように高等教育機関と地元産業の関係性には注目せざるを得ないと考えております。
本市の周南公立大学、学部と学生も増えてまいりましたが、今後を見据える上では、より地元のコンビナート企業との関係性を考えていかなければならないのではないでしょうか。

そこで、(2)の質問でございます。
今後、脱炭素化の時代に向けて、周南公立大学において脱炭素に関する専門分野の教育を図るべきだと考えますが、本市の考えをお伺いいたします。

藤井 市長御答弁 ▼
脱炭素に関する専門分野の教育についての御質問にお答えします。

徳山大学の公立化を検討する際に、地域から様々なニーズをお聞きする中で、コンビナート企業等への就職を見据えた、理工系学部開設のニーズがあることは把握しておりました。

しかし、県内他大学や高専に理工系の学科があること、また開設に当たっては多額の投資が必要となることなどから、将来の検討課題として捉えているところです。

周南公立大学では、今年度から新しい学部学科として、3学部5学科を開設したところであり、特に情報科学科は、ビジネスアナリスト、データサイエンティスト、情報エンジニアといったDX人材の育成に取り組み、これらの人材はコンビナート企業等が抱える様々な課題解決に寄与するものと考えております。

議員御提案の脱炭素分野に関する専門教育も含め、市が把握する地域の課題やニーズを大学としっかり情報を共有してまいりたいと考えております。

西尾 質問 ▼
ありがとうございます。
今回の質問もなかなかすぐに答えが出るものではないと思います。

ただ、周南市の未来を考える上で、周南市で働きたい、暮らしたい、そう思っていただく環境をつくるためにも非常に必要な視点だと考えております。

今後の問題提起とどのような動きがあるかを注視しながら、私の初質問を終えさせていただきます。皆様、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?