勉強が好きになる方法 子どもの遊びを勉強につなげる工夫
子どもには勉強が好きになって欲しい、自分から積極的に取り組む子に育って欲しい。
そういった思いは少なからず皆さんお持ちなのではないでしょうか。
勉強を楽しい、好きだと思えるようになるためのちょっとしたコツを書いてみようと思います。
好きこそものの上手なれ
「好きこそもの上手なれ」という言葉、聞いたことありますよね。
好きなことには熱中して取り組むことができるので、上達も自然と早くなる。
という意味です。
この言葉は、2つの意味で逆もまた然りだと私は考えています。
1つは、嫌いなことはなかなか上達しないという意味、
もう1つは、得意なことは自然と好きになりやすいという意味です。
嫌いなことは上達しない
1つ目について、嫌いなことに進んで取り組むことってあまりありませんよね。
たとえそれが必要なことだったとしても、どうしても億劫になってしまうものです。
嫌いなことには取り組む時間が自然と少なくなり、
そのため上達もあまりしません。
上手くできないとますますそれが嫌いになり、
負の連鎖に陥ってしまうことも考えられます。
得意なことは好きになる
2つ目について、得意なことをすると、上手にできるので達成感が得られ、
周りから褒められることも多いですよね。
その達成感や周りからの賞賛がモチベーションになって、
もっと上手にできるようになりたいと思ったり、
そのこと自体が好きになったりします。
このように、好きと得意は互いに相乗効果を生み、
反対に、嫌いと苦手もマイナスの連鎖を生むものです。
自分の子どもには好きなことや得意なことを
いっぱい見つけてほしいという思いは、
みなさんに共通する思いなのではないでしょうか。
強制すると嫌いになる
ですが、子どもに好きになってもらいたい世の中で必要な物事は、
得てして面倒なことだったり、楽しくないことだったりすることが多いです。
勉強もしかり、洗濯や掃除といった家事もしかり。
(もちろん、楽しんでやっている方もいるとは思いますが)
ここで気を付けたいのは、嫌なことを強制しないということだと思います。
いくら勉強が大事だからと言って無理やりやらせようとすると、
子どもは反発し、勉強が嫌いになってしまいます。
一度嫌いというイメージを持ってしまうと、
なかなかそれを払拭するのは難しいです。
嫌いな勉強に取り組まないようになり、
勉強が苦手になり、負の連鎖に陥ってしまいます。
かといって、自発的に勉強するようになるのを待とうと思っても、
なかなかそのタイミングが来ないということも大いにありえます。
自発的に勉強するのを待っていたら、気付くともう学校の勉強に
ついていけない状態になっていた、なんてこともあるかもしれません。
得意とスキの土台作り
そこで、大事なのは導入の仕方と、褒めることだと思います。
しっかりとした「勉強」が始まる前に、
その土台となる部分に楽しく触れて好きになりましょう。
それができたらたくさん褒めてあげましょうということです。
具体例を挙げてみます。
漢字を覚えようとしても、練習帳にひたすら漢字を書き続ける練習は楽しくありません。
漢字の練習が始める前に、かるたを使って楽しくひらがなを覚えるなどして、
文字に対するハードルを下げることが大切だと思います。
かるたを通じて覚えたひらがなで、絵本がひとりで読めるようになったら
いっぱい褒めてあげましょう。
文字を読むことが好きになり、漢字を覚える段階に至っても、
漢字の成り立ちの仕組みを楽しみながら覚えるようになるかもしれません。
九九を覚えようとしても、ただ暗記するのは楽しくありません。
難しい計算の練習が始まる前に、おはじきで数字遊びをするなどして、
数字に対する心のハードルを下げることが大切だと思います。
数字に慣れて足し算の意味が解るようになったらいっぱい褒めてあげましょう。
数字が好きになり、難しい計算を覚える段階に至っても、
知っている知識を組み合わせて、難問を解けるようになるかもしれません。
英語学習は少し複雑
こと英語学習に関しては、もう少しだけ複雑です。
英会話スクールには楽しそうに通っていた子どもが、学校の英語はつまらないと言うし、成績もあまりふるわないという場合があります。
逆に、英語の成績はとても良いのに、英語での会話には積極的でないという場合もあります。
これは、英語での会話や、英語の本や映画の鑑賞というような実用的な側面と、文法の学習や英文の論理的な読解というような言語知識的な側面が上手くリンクせず、乖離してしまっているためであることが多いです。
英語の歌を聴いたり、単語の発音を繰り返したりするだけでは正しい英語の知識が身に付かないので、文法の勉強は好きにも得意にもならない。
文法の勉強をしたり単語帳を記憶したりしているだけでは、英語が喋れるようにはならないので、英会話が好きにも得意にもならないということです。
分離してしまいがちなこの2つのことを、学習の初期段階から有機的に連関させることが、英語を好きで得意にするポイントだと思います。
コミュニケーションと知識の連結がとても大切
歌や遊びなどで、楽しい英語に親しむ学習初期の段階から、アルファベットを見せるなどして、文字と音とイメージのつながりを意識させること。
大量の、できればコミュニカティブな英語をたくさん聞いて読ませることで、頭の中に自然に文法知識の種を植え付けてから、答え合わせや宝探しのような感覚で文法知識の教授を、できれば英語で行うこと。
これらが英語のコミュニケーションの側面と知識の側面を連結させ、バランスよく英語を好きで得意にするコツだと思います。
とはいえこれは少しわかりにくいですね。
記事の最後に、過去に書いたレベル別おすすめ英語学習の記事のリンクを貼るので少しでも参考にしていただければと思います。
学校英語でも改革が進行中
こうしたコミュニケーションと知識の融合のため、現在進行形で学校教育改革が行われています。
2021年から、中学校の英語の授業をオールイングリッシュで行うという指導方法の改革が実施されているのです。
英語でのコミュニケーションの中で、文法知識も教授しようという意図です。
中学校でのオールイングリッシュ授業に備えて、小学校英語もレベルアップします。
5年生から英語が正式な教科になり、3年生から外国語活動が行われるようになりました。
これまで中学1年生が学んでいた内容や語彙も小学校のうちから学習します。
このような改革が上手くいき、授業に適応できた子どもは、英語を知識としてもコミュニケーション手段としても好きで得意と思えるようになるでしょう。
一方、中学までに小学校で習う英語の基礎をしっかりさせておかないと苦労することになりそうです。
まったく英語が分からない状態でオールイングリッシュの授業を受けると、何を言っているのかわからず嫌になってしまいますし、そこから遅れを取り戻そうと思ってもなかなか難しいです。
早いうちに土台をきちんと作っておくことで、レベルアップした学校英語の利点を最大限享受できるようになると言えるでしょう。
まとめ
勉強が好きで得意になると、特に現代社会ではお得なことがいっぱいです。
好きと得意のためには最初が肝心です。
一度好きで得意になったら、そのあとは自分からどんどんいろいろなことを吸収していくようになります。
導入の仕方を工夫して、勉強を好きで得意になりましょう。