作品「待つ」
待つ
自分を
待つことが
できるようになった
以前なら
未熟な自分に
焦りがあった
できないことは悔しく
隠したいことだった
でも
ようやく
今日できないことは明日
今年できないことは来年
それも無理なら十年後の
自分を待とうと
思えるようになった
じっくり
時間をかけないと
できないこともある
そんなことが
分かってきたのだ
だから
自分を
待っている
はるばる
やって来る自分を
待っているんだ
『歩きながらはじまること』(七月堂)
『フタを開ける』(書肆山田)