作品「猫師」
猫師
退屈するほど寝ているところを
猫師につかまえられ
せまい古畳の部屋で
僕は尋問をうけた
猫師は見た目は人間だが
猫の親玉のような猫人間で
おしりにしっぽがついていたりする
怒ると
髪の毛が逆立つかもしれない
猫師は僕に言った
どうして猫をかわいがらないのか?
かわいがっていますけど?
どこがだ?
どこがでしょう?
どこ?
どこ?
にゃお?
にゃ?
お互いに疑問符を投げつけあって
はなしは平行線のまま
物別れに終わった
いったい
猫や猫師は
僕に何を求めているんだろう?
しかたなく
僕は
耳を動かしてみた
すると
猫師は
しゅっと
しっぽを振って
解放してくれた
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