
VR180動画にテロップを追加したい
Adobe premiereではVR180動画にテロップ(字幕)を入れるための専用機能があるそうです。しかしこれは有料ソフトです。
では他の(無料の)編集ソフトを使っている人はどうすればいいのでしょうか?そもそも、立体視できるようにテロップを入れるのってそんなに難しいことなのでしょうか?
VR180動画のテロップの挿入方法を調べてみました。
進め方
今回は以下の方法を繰り返して調べました。
1. DaVinci Resolveで映像にテロップを入れ、位置を手動で調整
↓
2. 動画を出力してQuest3に転送
↓
3. Quest TVアプリを使って3D180°モードで視聴し確認
↓
4. 1に戻って再調整
■補足:今回の映像素材
THETA 2台で撮影した映像を使います。サイズは3840×1920(アスペクト比2:1)で、DaVinci Resolveではxは-1920~1920px、yは-960~960pxで表現されます。以降はこの座標を使って説明します。

テロップの距離感
■とりあえず入れてみる
まずは何も考えずテロップを挿入しましょう。
左右それぞれの中央に配置します。エディットモードから「ツールボックス」→「タイトル」→「テキスト+」を選択しタイムラインに2つ挿入します。2つとも同じテキストを入力し、設定からxの値を以下に変更します。
右目用テロップ:x=960.000
左目用テロップ:x=-960.000

右の中央、左の中央にテロップが配置されました。
Quest3で見てみると、テロップはズレた位置のまま全く焦点が合いません。無限遠にテロップがあるように見える配置のためです。次。
■テロップを内側に寄せてみる
先ほどの位置からそれぞれ5pxずつ内側(座標の原点)に寄せてみます。
右目用テロップ:x=955.000
左目用テロップ:x=-955.000

はっきりと焦点が合い、画面中央でテロップが浮かび上がって見えます!
この時点でもう成功なのですが、せっかくなのでもう少し検証します。
■いろんな距離感を試してみる
内側に寄せる大きさを何度か変えつつ、テロップの距離感を見てみました。先ほどの5pxずつ寄せた場合は、大体3~4mくらい先にテロップが見えました(あくまで私の主観です)。それ以外はこんな感じ。
10px:1.5~2mくらい先
20px:0.5~1mくらい先(PCモニタを見るくらい)
50px:0.2mくらい先(スマホを見るより近いくらい)
映っている被写体との距離感にもよると思いますが、10pxくらいが適度な距離だと思いました。20pxからは明らかに目を寄せているなぁ、という感覚があり少し疲れます。
テロップの位置を変更してみる
中央以外の場所にもテロップを表示してみましょう。まずは右側。
中央で10pxずつ寄せた状態(右950px、左-950px)から、左右それぞれ同じピクセル数を足します。
右目用テロップ:x=1450.000
左目用テロップ:x=-450.000

それぞれ500pxずつ足してみました。問題なく右側にテロップが見えました。左に配置する場合も同様です。
上に配置する場合は、yに同じだけ値を足します。
右目用テロップ:x=950.000, y=500.000
左目用テロップ:x=-950.000, y=500.000

左右のテロップでyの値は同じになります。
ただし、上下の位置は画像の変形が強いためか、テロップの端の文字で上下に若干の位置ズレが発生します。気になるほどではありませんが、首を傾けることで位置が合います。
また画面下の位置は、テロップが地面にめり込むような感じがして焦点を合わせづらく見にくかったです。より寄せれば解決しますが、変形の影響をより受けやすくなります。
そもそもQuest3の視野角では上下にテロップが出ていることに気づきにくいので、あまり画面端に配置しない方がよさそうです。画像の位置でもかなり見上げます。
まとめ
VR180のテロップ挿入方法を紹介しました。
中央に表示するだけなら簡単でしたが、上下に配置した場合は変形に対する補正が必要そうなのでそのあたりはAdobe premiereじゃないとできないんだろうなーと思いました(できるよね・・・?)。
また適当に入れるだけでは見づらいテロップになってしまうので、どこにどんなテロップを入れるか工夫が大事そうです。視界の外に表示されても読まれないですから。
今回の結果を踏まえてテロップ付きの映像製作に取り組みたいと思います。
参考サイト
一通り調べた後で、同様のやり方を紹介しているnoteを見つけました・・・。
Shotcut(ショットカット)という編集ソフトらしいです。今度からこれ使おうかな。
追記: 使いました。shotcutは変形に対する補正もできますね!テロップが弧を描いていたのが、補正で真っ直ぐ表示されるようになりました。