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ワイテルズ最後の武道館
ワイテルズの、あの音楽が鳴り響く
会場に着いた時に感じたのは
これまでにないほどの高揚感だった
よくテレビで見る武道館を見れた
一つの場所に同じ推しを愛して
求める人たちがいっぱい居た
みんながワイテグッズを身に着けていた
武道館をゲーム実況者である
ワイテルズが占拠していた
気持ちがたかぶる理由が大量にあった
ワイテルズに出会ったのは小学生の時
ミナミノツドイさんとやっていたリアル人狼
そこから彼らの存在を知った
最初に見た彼らだけの動画はなんだったかな
英語禁止で脱出ゲーム?
パプリk…レプリカ?
シャークんが強すぎるBlocked in combat?
ミサイルウォーズ?
今ではもう覚えていないけれど。
泣くことはないかなと思っていた。
(ヒント:めためた泣きます)
会場に入るまでに、足は疲れていた。
会場に入ってまず、
武道館の中に居るという高揚感が湧き上がる。
みんなが腕に巻いていたライトが、
暗闇の中で6色それぞれに光だした。
すごく綺麗だった。
今までに見た夜空よりも遥かに。
買えばよかったと後悔した。
始まって早々、
ワイテルズの紹介映像が流れ出した。
目に涙が溜まり始めた
メンバーが出てくる
涙が頬を伝い、マスクに水滴が染み込んだ
あぁ、動画で見ていた、大好きな人たちだ
そんな人たちを現実で目にとらえている
観客席からは黄色い歓声が
声は大きく出せなかったけど
すごい、すごいと
言葉を失ったかのように呟いていた
そこから公演が始まる。
最初のコーナーは
五感バラバラアドベンチャー。
きりスマ、ぶるシャケ、nakaきん
の組み合わせで
パクチーを口にいっぱい含む(味覚)
トランプの数字を宣言して当てる(視覚)
足ツボ縄跳び(触覚)
足の臭いを嗅ぐ(嗅覚)
黒板を爪で引っ掻く音を
聞きながら小豆を箸で6個皿に移す(聴覚)
箱の中身はなんだろな(六感)
という罰ゲームじみたものを
みんなが普通にやるという鬼畜コーナー。
一組目のやんさんとスマさんの時から
客席から「頑張れー」と聞こえてきた
つられてみんなも頑張れーと叫ぶ
人生初ライブの私は
みんなの熱気に興奮して、感動していた
次のシャケ&ぶるの時も。
そして最後のnaka &きん
なんと最初の走者のNakamuさんが
1人で全てのゲームをこなした
パクチーを頬張って、
運ゲークリアして、
足ツボの上で飛び跳ねて、
足の臭いを嗅いで、
黒板を引っ掻く音を聞いて、
箱の中身を当ててきんさんとバトンタッチ。
なんだこの人(褒め言葉)
きんさんのタスクは無くなり、
武道館のステージを一周全力で走っていた
ズッ友組の友情が再確認された瞬間だった
次のコーナーとの間にぶるシャケスマが
これからについて話す映像が映し出される
ぶるさんが
「ゲームを作った」
スマさんが
「シャークんとゲーム実況を続ける」
シャケさんが
「チャンネルを作って、
他のメンバーにもたまには協力してもらう」
と言った時、客席から大きな歓声が。
そんな中、次は
「シャークん&スマイルの
ゲーム実況produced by Broooock」
というコーナー
今後もゲーム実況を続けるという未来に進む
シャークんとスマイルの2人が
ゲーム制作の道に進むBroooockの
ゲームをプレイするコーナー。
コーナータイトルが出てきた瞬間、
観客席からは喜びの悲鳴が。
Twitterとかでブルさんが
ゲーム制作をしていることは知っていたけれど
もう形になっていたのか…!?
と衝撃。
ちなみにゲームプレイ中に
NGワードを言ったら
電流が流れる(レベル10)という
ルール付き(理不尽)
だんだん電流に慣れていくスマさんと
回を重ねるたびに電流怯えて苦しむ
シャケさんの差が面白かった
NGワードとして
「頑張れ」と「ナイス」が出るやいなや
観客席から「頑張れー」、「ナイスー」
と声が上がったのは
さすがリスナー、性格が悪い分かっていらっしゃると思った。
続いての幕間映像で
昨日の公演でやんさんが
里芋の農家になると発表され、
今日の公演できき里芋をやるので
やんさんが一夜漬けで覚えてくるように
とNakamuさんからの指令が
手触り、味、五感全オープン
と段階を踏み、
見事に全問正解。
農家として順調なスタート切っていた。
ここまでの3つのコーナー、
全部楽しくて、面白くて…
活動休止することなんて
頭から抜け落ちるくらいだった。
続いてはきりきんnakaのこれからの映像
やんさん「農家をはじめるまでは
3年かかるから、それまでは実況が中心」
きんさん「歌う活動が中心。
誕生日に歌みた出す。
露出が多いか少ないかはわからない。
これから。
今度は歌う人間として
武道館で会えたら良いな。」
nakamu「創作者としてこれからもワイテメンバーとは携わると思う。友達じゃなくなるわけじゃない。自作自演の1人劇、絵本に興味がある。お笑いが好きで、コントが好き。そんな自分が書いたコント。「くしゃみ」どうぞ。」
何度も歓声が湧き、
なんと予想だにしなかったコントが始まる
コント「くしゃみ」
私個人的にお笑いが好きで、
コントもよく見るから、
よく無いけれど
少し穿った見方をした。
けれども、コントが進むうちに
すごすぎる!面白!!すご!!
と感情がたかぶった。
会話で笑いをとる箇所あり、
個人の能力で笑いをとる箇所あり、
行動で笑いをとる箇所あり、
動きで笑いをとる箇所あり…
nakamuさんの台本と
メンバーの練習量、技術の凄さを感じた。
間の使い方も完璧だった。
お笑いの世界に興味を抱いている
そんな私に取っては
少し嫉妬もあった。
普段ゲーム実況をしていて、
イベントを企画して、
ブラテを創作して、
なおかつコントまで作れる。
すごすぎる。
こんなことしてみたいな…
でも、何かは諦めないとダメだな…
みんながそう思ってきたことを
度外視して何でもやる。
そして大成功させる。
尊敬、感動、嫉妬。
自分が小さすぎるとも感じた。
何だこれ。
「やらない後悔よりもやって大成功」を
地で行ってるじゃないか。
何だこの人たち(褒め言葉)
次にスマさんとぶるさんが
ステージ真ん中に出てきて話を始める。
いつもの動画のように、
ずっと平行線な話、同じ話を繰り返すという、2人のいちもの魅力が存分に出ていた。
その話の途中、
暗い舞台から微かにドラムセットが見える。
その瞬間、客席から歓声が上がった。
これから起こることを察した。
そう、ワイテバンドが出てきた。
Vo.きりやん
Gt.Nakamu
Ba.きんとき
Dr.シャークん
あと1人ギターの黒子さん(めっちゃ上手)
goodwarpの「夜市」と
ワイテオリソンの「ジブンシ」
を演奏していた。
武道館でゲーム実況や企画だけでなく
コント、バンドをやるなんて。すごすぎる。
ワイテルズの才能が爆発していた。
興奮して、喜んで、
泣いて、笑って、嫉妬もした。
そうしてクライマックス、メンバーの手紙。
正直、泣きすぎて詳細には覚えていない。
メンバーが文字を発するたびに、
パブロフの犬みたいに泣いていた。
覚えていることとすれば
普段は本音を話しそうにないスマイルさんが
「ワイテルズのメンバーで良かった」
と言った時、
ボロボロと涙が落ちた。
客席からもすすり泣きの音が聞こえてきた。
最推しのきんさんが
手紙を読んでいる途中に
言葉に詰まり
抑えきれない感情が溢れていた。
呼応して私も。
客席から「頑張れー!」と声が。
なんて優しいリスナーさんたち。
私も
「頑張れ…!」
と涙で震え、掠れて、情けない声を出した。
最後にリーダーのNakamuさん。
リスナーと、メンバー1人1人に向けて
手紙が読まれ始める。
Nakamuさんも言葉が詰まる。
涙が溢れる。
中でも印象に残ったのは
スマイルさんに向けての手紙。
昨日(2日目の武道館)の終わりに
スマイルさんが「楽しかった」
と言ってくれたことが
Nakamuさんはすごく嬉しかったそうで。
普段多くを語らない
スマイルさんが言うこういうことに
リスナーだけでなくメンバーも
感動しているのがもう…
みんなが手紙を読み終えたあと
一つ、嫌な考えが頭を巡った。
杞憂であってほしい。
最推しのきんときさんが言った、
「また会いましょう」
を信じて。
本当に言ってたっけ…?
私の中のイマジナリーきんさんが
勝手に言ってるだけ…?
まぁいいや。
終わってからはあんまり覚えていない
呆然としていた。
今までに無いくらいたくさんの感情が出た。
自分が推して来たグループは
こんなに凄まじいグループだったのか
ワイテルズがきっかけで
人生の岐路を選択したこともあった。
人生の半分くらい、ワイテルズが居た。
9周年、2016年から2025年まで
数字として表すと
結構な時間を過ごしたんだと
実感する。
オタクとしての自分、
初めてできた推しという存在。
私にとって、ワイテルズを推してることが
ひとつのアイデンティティだった。
と感じさせられた。
この武道館を通じて、
緊張、不安、興奮、喜び、楽しみ、
少しの嫉妬、感激、悲しみ、喪失感。
これまでの人生で味わったことが無いくらいの
感情の揺れ動きを体験した。
ここまで完璧な「最後」をやられたら
彼らの活動が終わることを
受け入れるしか無いと思った。
ワイテルズの「これまでの物語」が
一旦、終わったんだな、と
机の上のムック本を見て思うのでした。