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アコギ回顧録NEW ⑨「初めてのアコギ選び」「2本目、3本目、それ以降のギター」「材料の違い、ボディ形状(大きさ)の違いによる音質の特徴を知っておく。」「ワクワク感は絶対必要!」
ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
「初めてのアコギ選び」
アコギを始めようと思っている方に、「どんなギターを買えば良いのでしょうか?」と聞かれた時にどう答えるか?
それを考えながら書きました。
最低条件はとにかく弾きやすいことと、身体の大きさ、手指の大きさに合っていることですね。メーカーは特に決めなくても良いと思います。日本のヤマハやモーリスなどの大手の製品であれば、どんなギターを買っても失敗するようなことはないでしょう。(廉価版のギターは、国内生産のものは無いと思いますが。)
余談ですが、私がアコースティックギターを始めた頃は、ドレッドノートという大きなボディのギターが主流でした。(当時はウエスタンギターと呼ばれていました。)これよりひとまわり小さいボディのギターをフォークギターと呼んでいたように記憶しています。
話を戻しましょう。弾きやすくて身体と手指の大きさに合ったギターならなんでも良いと思いますが、いきなり高額のギターを買う方は少ないと思います。低価格帯のギターでも優劣はありますので、出来るだけアコースティックギターをよく知っている人に選んでもらった方が良いでしょう。ギター選びを頼めるような知り合いがいない方は、楽器屋さんの店員さんに相談するか、ネットや雑誌からの知識で選んでいくしかなさそうです。楽器屋さんは売ることを第一の目的として、お客さんのギターを選んでいきます。必ずしも買い手にとってベストの選択になるかどうかはわかりません。が、何度もお店に足を運んで、店員さんと仲良くなっておくのも悪くないかもしれません。
もし予算が許すのであれば、可能な限りグレードの高いものを選ぶことをおすすめします。当然音のグレードも上がりますし、長く使うことができるからです。
前にも書いたことでもあり常々自分が思っていることですが、買うなら中古のギターをお勧めします。その一番の理由は、同じ価格でもよりグレードの高いモノが買えること、うまく探せばほとんど痛んでいないモノを手に入れることができるからです。二番目の理由としては、続けないかもしれない(やめてしまうかもしれない。)可能性があるからです。始める動機は人それぞれですが、必ずしも始めた人すべてが続けるわけではありません。やめてしまえば買ったギターが無駄になってしまいます。(やろうとした時間、努力もです。)
私の場合、いつからなのかは忘れてしまいましたが新品のギターを買う気持ちは全く湧いてきません。これも前に書いたことですが、新品のギターはどうしても湿った感じの音に聞こえてしまいます。ある程度時間が経過しないと、この湿った感じは無くなりません。まあこのことは、初心者の方には関係のない事ですが・・・。
「2本目、3本目、それ以降のギター」
2本目、あるいは3本目、もしくはそれ以上の本数となってくると、人によってかなり差が出てきます。当然音楽的な目的もはっきりしてきますので、選ぶギターも変わってきます。どんなジャンルの音楽をするのか?どんなプレ イスタイルを目指すのか?そして、いくらまで出せるのか!
演奏(インストゥルメンタル)だけをするのか?歌の伴奏として使うのか?1人でやるスタイルなのか?2人もしくはそれ以上のユニットやバンドでやるのか?それぞれ求めるギターサウンドは違うものになります。
よほどのお金持ちでも無い限りハイエンドのギターに行くのは難しいでしょう。(初心者だからハイエンドのギターを買ってはいけないというワケではありません。購入が可能であれば、より良いギターを手にした方が練習に身が入るかも?です。)一般的には大体10万円前後から30万円ぐらいまででしょうか。このクラスですと、中古でもハンドメイドのギターはまだ難しいと思います。うまく探せば見つかるかもしれませんが、かなり時間をかけないと難しいです。(ハンドメイドのギターが必ずしも良いわけではありません。どこまでがハンドメイドと言えるのか?という問題もあります。)
このクラスになると、そのまま一生モノのギターと言ってもおかしくないと思います。そうなると、「いかに当たりのギターを見つけるか?」というところがポイントになります。これはもう足で探すしかないし、数を当たること、時間をかけることも必要です。
「材料の違い、ボディ形状(大きさ)の違いによる音質の特徴を知っておく。」
一般的に見て材料でわかりやすいのは、トップ材とサイド・バック材による差でしょう。トップ材ならシトカ、ジャーマン、エンゲルマン、シダー、レッドウッド、Etc.サイド・バック材ならハカランダ、ローズウッド、マダガスカルあるいはホンジュラスローズウッド、マホガニー、メイプル、ココボロ、Etc.
形状ではドレッドノート、ラウンドショルダー、シングルO~トリプルO、Jタイプ(GREVEN)、Fタイプ(Santa Cruz)、Etc.
それぞれに音量・音質に違いがあります。大まかでも何でも構わないので、それぞれの違いをできるだけ体感で知っておくことをお勧めします。簡単なことではないと思いますが、場合によっては一生モノのギターと巡り合えるかもしれません。そう考えたら、多少の努力は惜しんでいられないと思いませんか?時間と労力をかけるだけ、楽しい時間が増えるかもしれません。
「ワクワク感は絶対必要!」
時々ですが、高額なギターを購入しておきながら「これ、本当に良いギターなのだろうか?」と疑問を持つ方がおられるようです。数十万、人によっては百万円以上のギターを買っていながら、手放しで喜んでいない方の話を聞くことがあります。過去にはそんな方の相談を受けて、相談に乗ったこともありました。ヴィンテージギターを買って、「オリジナルと言われていたのに、他の店で見てもらったらそうじゃないと言われた。」という話が一番多いです。塗装も含めて古い時代のリペアなどはほとんどわかりません。わかる人の方が少ない(というか、わかる人はほとんどいない。)と思います。特に自分では気にしていないことなので(リペアしていようがリフィニッシュであろうが、音が良くて弾きやすく、ピッチが合っていれば良いので)、オリジナルかどうかはどうでもよいのですが・・・。
次に買いたいと思う気持ちが強すぎて、冷静な判断が出来ない状態で(舞い上がってし待っている状態)買ってしまうという失敗もありそうです。自分にも覚えがないとは言えませんし、あっても不思議ではありません。
そのような失敗を出来るだけ避けるという意味でも、弾き比べるという作業は大切です。2本目、3本目のギターを買う時には必ず、普段自分が使っているギターを持って行って弾き比べるようにしましょう。そして、買った後も弾くたびに「うわー、やっぱりこれええギターや!!」とワクワクできるギターを見つけましょう。
この“ワクワク感”が得られない時には、ギターを買うべきではありません。これ、ものすごく大事なことです。
写真のネタが少なくなってきました。今回は一番新しいMy Guitarを紹介します。Fields D Curly Maho(2021年製)
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