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アコギ回顧録 Vol.30 「マイケル・ヘッジス」「徐々にフィンガーピッキングの世界へ」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「マイケル・ヘッジス」
 現代のフィンガーピッキングを語る上でどうしても外せないプレイヤーの一人にマイケル・ヘッジスがいると思います。「エアリアル・バンダリーズ」という曲によって彼の存在を知ることになるのですが、これをきっかっけにウィンダム・ヒルのギタリスト達のことも知りました。初めてこのような音楽に触れたときすごい衝撃を受けましたが、この時はまだそういった曲を自分でプレイしようとは思いませんでした。ウインダム・ヒルのギタリストでは、他にウィリアム・アッカーマンやアレックス・デ・グラッシなどを聴いていました。興味のある方はググってみてください。You Tubeでも動画はかなりあると思います。
マイケル・ヘッジスの動画
https://www.youtube.com/watch?v=YaIN13aDbCc

 それからしばらくして、日本でも中川イサトさんや岡崎倫典さんのようなインストのプレイヤーが少しずつ脚光を浴びていくようになりました。押尾コータロー君の登場によってフィンガーピッキングの世界が広く世間に認識されるようになりましたが、それはまだずっと先の話です。

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Santa Cruz D-KOA 1985年製(まだサイド・バックがKOAのギターは珍しかった頃です。その音の良さにビックリしました。)

「徐々にフィンガーピッキングの世界へ」
 自分はその頃まで二人のユニットで歌を歌っていました。サイドギターとリードギター、ボーカルとハーモニーという形で、よくあるフォークデュオという感じでした。しかし自分は京都、相棒が東京在住のためほとんど練習ができず、年に1回のライブを何とか続けるのが精一杯でした。ただいつもライブが決まってからしか練習を始めなかったので、普段は何の目標もなくだらだらとギターを弾いていました。どんな演奏(前奏や間奏、エンディングなど)をしていたのかも忘れてしまっているほどで、前回のビデオを見直して思い出しているぐらいでした。そんな中、一人でもできるインストに少しずつ興味が湧いてきて、そういったプレイヤーのライブなどに足を運び始めました。少しずつではあるけれど、自分の周りからも情報が入りはじめました。

 初めて日本人のプレイヤーでオープンチューニングのオリジナルを聞いたのは中川イサトさんでした。「すごいっ!日本にもこんなプレイヤーがいたんか!?」とりあえず衝撃でした。次に知ったのが岡崎倫典さん。「うわーメチャカッコええやん!」という印象で、オリジナル曲もアレンジ物もすごく都会的なセンスを感じました。その次に知ったのが小松原俊というギタリストでした。彼の創り出すメロディの美しさにただただ「ええなぁー」と思いました。常にSomogyiを使ってライブをするというところも彼の音に対するこだわりが見えて、当時一番気になるギタリストになっていきました。今から30年以上前の話です。

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Santa Cruz F-RC 1988年製、サイド・バックはインディアンローズウッド。

 フィンガーピッキングの世界が確立していくのと同時に、少しずつギタービルダーも出てきました。今では若手のプレイヤーも増え、ギタービルダーもかなりたくさんいます。自分でちょっと不思議やなと思っていたんですが、それはギタービルダーのほとんどがフィンガーピッキング向きのギターを製作しているということです。楽器屋さん(ギターショップ)に「今売れているギターは?」と聞けば、ほぼ間違いなく「マーチンとギブソンですね。」と言われます。だから、マーチンとギブソン系のギターを作った方が売れやすいんじゃないかなと・・・。そう考えていました。理由はたぶん価格でしょうね。ハンドメイドのギターは最低でも1本50万円ぐらいで販売しないと、とてもじゃないけど生活していくのは難しいでしょう。Dー28やJ-45は新品でも20万~30万円台で買えるし、中古なら10万円台から手に入ります。そういうこともあって日本でマーチンとギブソン系のギターをハンドメイドでというのは、ちょっと難しそうです。(アメリカではかなり成功している個人のビルダーや小さなファクトリーがあります。主にヴィンテージのレプリカで、ですが。)

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。
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宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。


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