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「メイプルのギター」「おまけ、BROEXというギター」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。


「メイプルのギター」
 意外に使っている人が少ないと思われる、サイド・バックがメイプルのギター。代表的なものはギブソンのJ-200とDOVEでしょうか?

 この2つのモデル、どちらも「ああ、ギブソンのメイプルの音はやっぱりええな。」ということを、しっかりと感じさせてくれるサウンドを持っています。言葉で表現するのは無理だと思いつつも、いつかはそのことを書いてやろうと心の奥で決めていました。「やっとその時が来たな。」というよりは、だんだんネタがなくなってきたなと言った方が正解かもしれませんが・・・。

 マーチンはずっと昔からハカランダやインディアンローズなどのローズ系のギターが多いですが、ギブソンはマホガニーとメイプルのモデルが多いです。あと個人のビルダーとしては、グレーベンが代表と言っても良いと思います。かなり多くのメイプルボディのギターを製作しています。

 その他いくつかのメーカー、ビルダーがメイプルボディのギターを製作していますが、メイプルがメインと言えるモデルはほとんどないと言っても過言ではありません。ギブソンがメイプルボディのギターに、いかに力を入れていたのかがよくわかります。 

 おそらくですが、ギブソンはマーチンに対抗して全く違う音造りを目指していたのでしょう。マホとメイプルでほとんどのモデルを網羅しています。あと、ギブソンにはショートスケールのモデルが多いですが、Jー200とDOVEはロングスケールです。そして明確にマーチンではない、魅力のある音を作り上げています。

 ギブソンのメイプルボディのサウンドの特徴は、なんと言っても歯切れの良さではないでしょうか?ジャズで使用されるギターは圧倒的にフルアコが多いのですが、代表的なモデルのボディはほとんどメイプルです。これはおそらくジャズのような早いパッセージが多用される音楽には、メイプルの持つ歯切れの良さ(サスティーンが短い鳴り方)が合っているという理由だと思います。加えてギブソンのメイプルボディのサウンドには、マホにはない芯の太さもあります。コードストロークをした時の気持ち良さは最高です!ギブソンのマホボディの音にも魅力がありますが、個人的にはメイプルボディのサウンドの方が好きです。

Gibson Hummingbird 1963 Maple
リペア&セットアップに出して初めてわかったことですが、バックは合板。
しかも厚みが6mmというとんでもないスペックでした。重いです!!
一番ビックリは、それでも音が凄いことですが・・・。マジでええ音です。
GIBSON 恐るべし!!このギターほど、それを感じたことはありません。

 これは自分だけかもしれないのでギブソンのメイプルの鳴り方と言って良いかどうかわかりませんが、自分で弾いていてそれほどでもなかったのに、他の人に弾いてもらって前で聴いたらすごかった!というのがあります。(1950年代のJ-200でした。下の写真のギターではありません)

30年以上前に所有していたJー200、1955年製。その頃すでにメッチャ枯れた感じの
サウンドでした。私には大きすぎて弾きにくく、割と早く手放してしまいました。

 個人のビルダーでは、なんといってもGREVENでしょう。中川イサトさんが使用されていて、ビデオや写真でご覧になった方も多いと思います。押尾コータローさんもデビュー前に長年愛用されていたのは、GREVENのメイプルJタイプでした。(これは師匠であるイサトさんの影響が大きかったのかもしれませんね。)

 GREVENのメイプル、その特徴はまず「甘く優しいサウンド」、というところでしょう。これはローズ系やマホガニー系では、まず出すことができないサウンドです。ローズ系ほど重たくなく、またマホガニー系ほど軽くもないサウンドです。ギブソンのメイプルのようなインパクトのあるサウンドではないので、最初から「この音でなくてはダメ」という人は少ないようです。他の人とは違うサウンド創りをしたいと思っている方や、優しい音で演奏したいという方にはバッチリ合うと思います。

GREVEN J-Maple Cutaway「甘く優しい音」正にそういうサウンドを持ったギターです。

GREVEN J-Mapleを弾く中川イサトさんの演奏動画です。(YouTubeより)

押尾コータローさんのGREVEN J-Maple
最近ではGREVEN GUITARS JAPANから、こんなモデルも出ています。

 J-Guitar,comやデジマートでは、本物のGREVENは少なくなったように感じます。価格の差もそれほどないみたいです。市場ではちゃんと区別されないようになってきているようですが、個人的には「全く別物」というとらえ方をしています。(この件については、次回もう少し掘り下げて書こうと思っています。)

 他にはサンタクルーズやコリングス、マーチンにもメイプルのモデルはあります。ローズ系やマホガニー系ほどたくさんの種類がある訳ではありませんが、いろいろ試してみると面白いのではないでしょうか。今まで自分が知っていた世界とは違う世界が待っているかも?です。


「おまけ、BROEXというギター」
 少しだけ、珍しいギターの紹介をしておきます。ジャパンヴィンテージと呼ばれる部類に入るギターです。市場にはほとんど出回っていなかったと思われるので、知っている方は少ないだろうと思います。

 21~22歳ぐらいの時(46~47年前です)、友人に頼まれてギターを探していたら、当時親しかった楽器屋さんから勧められたという経験があります。(この頃すでにマーチンのDー41とギルドのDー55SBを持っていました。)話を聞いてみたら、Aria Dreadnoughtで当時すでに評価が高かった松岡良治さんの製作ということでした。定価8万円と6万円の2種類しかありませんでしたが、どちらも良かったです。価格以上の価値があると判断して、友人用に6万円のモデルを購入しました。
 写真のギターは、第一回目か二回目のサウンドメッセで見つけたものです。昨日リペアから帰ってきたので弾いてみたら、そのサウンドにビックリ!!メッチャええがな!いやー、マジで想像を超えていました。ちょっとジャパンヴィンテージに対する考え方を変えないといけないかな?それぐらいインパクトがありました。自分のギターに「何を今さら」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、ホンマです。(自画自賛のような感じですので、読んでいて面白くないかもしれません。すみません。)

バックは単板です。(中側と外側の木目が一致します)
サイドは割れ止めがないので、合板かもしれません。

 今となっては6万円のモデルと8万円のモデルに、どのような違いがあったのか?全く覚えていません。写真のモデルもどちらかわかりませんが、良い材が使われていたのだと思います。ネックの状態も全く問題なく、弾きやすいセッティングです。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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