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「エム・シオザキのオリジナルブレイシングの話 その②」
「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。
「エム・シオザキのオリジナルブレイシングの話 その②」
2021年にD-28のコンバージョン(1960年代後半のものを、塩﨑さんのオリジナルプレイシングに)、そして今年2024年11月にD-45のコンバージョン(1950年製のD-28をD-45に、塩﨑さんのオリジナルプレイシングで)製作してもらいました。その2本がいずれも素晴らしい出来で、自分の予想を超えたギターになって帰ってきました。どちらもしっかりとスキャロップドブレイシングの音が出ています。芯の太さもあり、音量、バランスもバッチリです。
このブレイシングは今後、塩﨑さんのオリジナルブレイシングとして新しいギターにどんどん採用されていくと予想しています。今までに4〜5本しか製作されていないそうですが、是非これからも増えてほしいギターです。自信を持ってお勧めできるサウンドクオリティを持っています。これはスペックがどうこうという話ではありません。実際に出来あがってきたギターを弾いて、その音を実感しているからこその評価です。
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"ヴィンテージギターが高くなりすぎたから"ということとは無関係なんですが、最近気づいたことがあります。これはあくまでも個人の好みの話なので、良いとか悪いとかいう話ではありません。
それは、古くて枯れた音にも限度があるということです。確かに枯れて抜けの良い音には、新しいギターには無い魅力があります。が、枯れ過ぎてしまったサウンドは、あまり好きにはなれないということです。感覚の問題なのでわかりにくいですが、何となく潤いがないように感じてしまいます。人によっては潤いのある音=湿った感じの音、ととらえる方がいても何ら不思議ではありません。言葉ではうまくお伝え出来ないかもしれませんが、自分が好きな音は「枯れ過ぎていない抜けの良い音」という感じです。おおまかに年代で言えば1950年代というところでしょうか。その時代のヴィンテージも、高くなりすぎたなとも思いますが・・・。
枯れ過ぎていない抜けの良い音、それぐらいが自分の好みだと気づいて、ますます「コンバージョン」てええなーと思っています。それに気づかせてくれたのは、予想以上の結果を出してくれた"塩﨑さんのオリジナルブレイシング"とそれを活かす塩﨑さんの技術であることは間違いありません。確信を持って言えます。
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しかし、ヴィンテージギターの高騰が続く昨今の状況から考えると、今後新たにコンバージョンが製作される可能性はほとんど無いのでは?と思っています。一から新品を創るより、はるかに手間と経費がかかってしまうからです。最も多いパターンのD-28→D-45というコンバージョンを製作するとしても、相当な高額になると予想されます。元になるヴィンテージのD-28が、最低でも100万円ぐらいの価格になるでしょう。(かなりダメージがある個体としても)Dタイプと比べると数は少なくなりますが、OOO-28からOOO-45というパターンも見かけます。こちらは元になるOOO-28のタマが少ないので価格も高め、もっとコストがかかることになります。作ってみたいという思いはありますが、現実的ではないですね。
コンバージョンの価値は"誰が製作したのか?"が大きなポイントになります。それはとどのつまり「どれだけ本物の音をしっているか?」と「どれだけ高い技術(工作精度)を持っているか?」ということに他なりません。そういう観点から見ても、塩﨑さんの持つ経験と技術は世界的に見てもトップクラスといえるでしょう。
"マーチンを超えるマーチン"という「見る人から見ればバカげたコンセプト」でスタートした今回のD-45へのコンバージョン。自分の中では、十分成功したと言える結果になったと思っています。
過去に所有したマーチンのD-45は、1976年が2本、1975年、1969年、1987年のLE。コンバージョンのD-45は3本。(1960年のD-28、1958年のD-28、1947年のD-28)そして今回のコンバージョンで4本目ですが、これがNo.1かも?と思えるほど素晴らしい出来です。
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塩﨑さんも来年で69歳、ギター製作も50周年を迎えられます。(D-45のサウンドをメインに、50年もマーチンを追いかけ続けているということになります。凄い!としか言えないですね。)年齢的なことを考えても、あと何年、あと何本製作されるのだろうか?などという思いが頭をよぎります。自分自身に置き換えて考えてみても(塩﨑さんとは1歳違い。)今後ペースが上がって行くとは思えません。それこそあと数年でリタイヤ、ということもないとは言えない年齢です。
塩﨑さんのギター、自分が製作してもらったギターでその素晴らしさを体感しています。今もまだ進化していると言っても過言ではありません。今後製作される"エム・シオザキ"のギター、要注目です。
余談ですが、D-28とD-45を製作してもらったので、今度は同じプレイシングパターンでD-18を製作してもらう予定です。(コンバージョンではなく、まったくの新品で製作していただきます。)塩﨑さんもいろいろ考えておられるようで、そんじょそこらにはないD-18が出来ると期待しています。少し先の話になりますが、また報告いたします。
おまけです。
「メッチャ音良いです!」「ぜんぜん違います!こんなに違うとは思いませんでした。」等々。最近本べっ甲ピックをお勧めした方たちから、嬉しい評価をいただいています。高価ですが、価格以上の価値はあると自信をもって言えます。是非試してみてください。アコギ庵にもストックがあります。
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