「この価格差の根拠って⁇」「アコースティックギターと弦の話」
「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。
「この価格差の根拠って⁇」
ヴィンテージギターの価格を決める要素として最初に思い浮かぶのは、どれだけオリジナルに近いのか?ということです。ですが、全く使用されていなかったとしても、経年変化があり全てが新品の状態のままということはあり得ません。
次に考えることは、リペアや調整をしていたとして、どれだけオリジナルに近い状態を保っているか?ということになります。その場合は、最低限のリペア、調整しかしない(可能な限りオリジナルの状態に近い)ということになるでしょう。
その反面,プレイアビリティを重視して大掛かりなリペアやパーツの交換を行い,楽器として良い状態にしてあるものもあります。
一般的な傾向として、オリジナルの状態をできるだけ保つこと、そこから変化させないことが最も経費をかけずに高く売る方法であると何度も言ってきました。逆にリペアをすればするほど、パーツを交換すればするほど、経費はかかるのに売価は低くなってしまう傾向があります。
つまり、楽器としてより良い方向へ持っていこうとすればするほど、ヴィンテージとしての価値は下がってしまうということになります。楽器として使えない(楽器としての価値がない)ものの方が価値が高いという、アコギとエレキの世界だけの価値観がそこにあります。
業界(ショップ)としては、どんな形であれ売ることが目的ですから、相反する二つの要素をうまく使い分けて顧客の購買意欲をそそってきます。逆にそれぞれの要素を満たしていない場合は、価格が下がる要因となってしまいます。人それぞれの考え方ですが、自分が全く気にならないことで価格が安くなっていることもあります。
GUILDのD-55 1976とD-55SB 1977です。年式は1年しか違いません。コンディションは写真で見る限り、D-55SB 1977の方が良いように感じました。価格差は2倍あまり。弾いてみないとどちらが良いとは言えませんが、購入するとしたらたぶんD-55SB 1977になってしまうでしょう。サウンドやセットアップによほど大きな差があれば別ですが、あまりにも価格差が大きいです。この価格差の根拠は、いったいどこにあるのでしょうか?最終的に価格を決定する担当者の主観ではないのかな?と勝手に思ったりしています。
安くなる要素として、委託で所有者が売り急いでいる場合(安くてもよいから、早く売却したい)や、安く買い取りができた場合等が考えられます。逆に高くなる要素としては、アメリカで買い付けた場合や、リペアとセットアップに費用がかかった等が考えられます。ある程度値引きすることを考慮した価格設定かもしれません。
ヴィンテージの世界では、何が根拠なのか?よくわからないことが多いです。何をポイントにギターを選ぶのか?自分の基準をしっかり持って探すことが大事ですね。
「アコースティックギターと弦の話」
その弦は、
あなたのギターの持つポテンシャルを、ちゃんと引き出せていますか?
〝ボディの鳴り“を、無駄なくギターの音に変換できていますか?
初めてそんな観点で今一度アコースティックギターと弦の関係を考えてみようと思い、この記事を書きました。
キッカケは、1人のビルダーが製作した同じモデルを2本弾き比べたことでした。全く同じ仕様で製作された1年違いの2本です。トップはトリファイド加工されたアディロンダックスプルース、サイド・バックはハカランダというものでした。それぞれのサウンドは、自分が予想していたものと違いました。材も仕様も同じなので、ほぼ同じような鳴りだと予想していたのですが、鳴り方に明らかな差があるように感じたのです。そしてそれは、張ってある弦の違いから来るのではないか?自分の中ではそういう疑問が生まれてきました。元々弦によるサウンドの差はかなり大きいという意見を持っていますが、この時はボディの鳴りが違うのではないか?と思いました。鳴っていないなと感じた方は、弦がギターのポテンシャルを引き出せていないのでは?そう感じたのです。
張ってある弦が違ったので「おそらく」の話ですが、同じ弦を張れば、もっとよく似た音であったのではないか?と思っています。あくまでも個人の勝手な感想と推測ですので、他の方が同じ感想を持つとは限りません。弦がそのギターのポテンシャルをちゃんと引き出せていなのではないか?という捉え方をしたのは初めてでした。単純に、弦とギターの相性が良くなかっただけかもしれません。たった一度の経験なので、同様の実験を何度かやってみないと本当の答えはわからないでしょう。
昨年あたりから何となく感じていたことですが、人気のある弦のいくつかには弦そのものにギラギラ感があります。"弦の音"と言ってもよいかもしれません。こういった弦は最初弾いたときに「オッ、ええ音やん!」と感じるのですが、弾いているうちに「あれ、これはボディの鳴っている音ではないんじゃないかな?」と思えてくるんです。その弦がボディをちゃんと鳴らさずに、自分自身が鳴っているようなイメージと言えばわかるでしょうか?これも言葉でお伝えするのは難しいかもしれませんが、ここ最近ずっと自分が感じていることです。
何を言いたのか?よくわからない文章になってしまいましたが、弦によるサウンドの差はものすごく大きいです。本当にそのギターのポテンシャルを活かす(引き出す)ことができる弦を使いましょう。もちろんギターとの相性や、好みの問題もあります。誰もが同じ答えにはならないと思いますが、弦そのものの音なのか?ボディがちゃんと鳴っていての音なのか?という観点で聴いたら、ギターの印象が変わるかもしれません。
参考に、自分が愛用している弦をお知らせします。
過去にいろんなメーカーの弦を使ってきましたが、この弦が最もギター本来の音をちゃんと出してくれると思っています。弦自体にギラギラ感は無くて、しっとりとした感じです。グレードの高いギターであればあるほど、本来の音を引き出してくれます。
購入先はM-Factoryさん。(在庫が古くならないように、常に少ないロット数で輸入されています。そのせいで、たまに在庫切れの時がありますが。)今日現在(2024年8月21日)、2セット=3,300円(税込み、別途送料がかかります。)
URL:https://shop.mfac-guitar.com/categories/262832
ちなみにこのピラミッド弦、アメリカではJohn Pearseの1.4倍ぐらいの価格で販売されています。
他にもいくつか弦を販売するショップはありますが、概ねこれぐらいの価格差です。
拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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