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アコギ回顧録 番外編その⑩ 良いアコースティックギターを手に入れるためのノウハウ「良いギターを手に入れるために」「通販で買うことについて」「個人売買について」「友人・知人、知り合いとの売買」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「良いギターを手に入れるために」
 自分なりの“ギター選びのポイント”をまとめてみました。「これからギターを買おう。」と思っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

①   出来るだけ情報を集める(情報の出どころを確認する)
 情報の出どころは、ネット、雑誌、ショップの店員さん、友人・知人。情報源となり得るのは、ざっとこんなところでしょうか。
良い情報か?悪い情報か?勘違いや間違った解釈はないのか?
真実なのか?個人的な感想(意見)なのか?勝手な憶測なのか?

 難しい判断ですが、自分の基準(どんな音楽をするのか?どういう鳴り方がその音楽に合うのか?)がはっきりしていないと判断する意味がありません。そこは気をつけましょう。

②   出来るだけたくさん弾く
 なんといっても最大のポイントは、どれだけたくさんの音を知っているか?ということです。可能な限り自分が良いと思っているギターを弾かせてもらいましょう。そして、できるだけ多くの音を自分の中にインプットしておきましょう。ショップだけではなく友人や知り合いの方で良いギターを持っている人がいたら、可能な限り弾かせてもらうのも良いと思います。

③   基準となるギターを決めて、必ず弾き比べる
 自分のギターの中で一番良いと思う(一番好きな音のする)ギターを持って行き、必ず弾き比べるようにしましょう。可能であれば同じ弦に張り替えて、と言うのがベストです。その分の費用負担は必要経費としてあらかじめ用意しておきましょう。
 可能であれば、時間をずらして複数回弾かせてもらいましょう。
 思いっきり弾ける環境で弾きましょう。
 そういうことが必要ないぐらいとんでもなく良いギターに出会ったときは、即購入です。

④   先入観、固定観念を持たない
自分の好きなアーティストが使っているから。
ハカランダだから。
有名メーカー、有名なビルダーだから。
ヴィンテージだから。
店員さんが進めるから、Etc.(ショップは良いギターを売っている訳ではありません。仕入れた商品を売っているだけです。見分けるのは自分自身です。)
 
それらに何の意味もありません。
「ギターは、弾いて、出てきた音が全てです。」ギターはウソをつきません。(つけません)
逆に言うと“弾いて買う”ということは、すべてを受け入れるということです。後で何があっても、文句は言えません。
 
⑤   ギターのコンディションを見る目も養っておきましょう。
どれだけのリペアが必要か?
適切なセットアップがなされているか?

 リペアとセットアップ。これらがきちんとできていないと、何かしらの雑音が出ているはずです。何かしらの不具合があるときに、雑音が出ているのを聞き分けることができるようになることがベストです。次にボディの形状(大きさ、幅)やネックの形状、ナットと指板の幅が自分に合っているか?等々のチェックをします。
 もちろん対象となるギターのサウンドが良くなければこれらのチェックをする意味がない訳で、慣れればある程度音を出した段階(チューニングの段階、もっと鋭い人はプレーン弦の反応だけでも判断が可能かも?)で八割がた判断できると思います。

Guild D-40 1972年製

「通販で買うことについて」
 自分も何度か通販でギターを買ったことがありますが、これは少し面倒です。あまりお勧めできませんが、遠方に住んでいてショップまで足を運べないという方もおられると思います。ダメとは言いませんが、出来るだけショップまで足を運んだ方が良いと思います。以前に比べると比較的簡単にやり取りができるようになりましたが、それなりに手間もかかります。
①取り寄せて弾いたとしても、必ず買う訳ではない。(事前にキャンセルが可能であることをしっかり確認しておく)
②前提として、代金をいったん支払うことが必要
③返品の際の梱包や手続き(ヤマト便等)が面倒(特に梱包は、送ってきたときよりも厳重にして送り返す)
④時間がかかる(そのまま購入するのであれば、問題はありませんが)
 ショップから発送→届いたギターをチェック → 返送する場合は厳重に梱包 →ショップに届き状態をチェック →確認できれば返金
 ただし配送費用はこちらの負担になるので、そこそこの出費です。
 送ってもらう前に音やコンディションについてショップとかなり綿密なやり取りをしていますが、キャンセルする率は高いです。

「個人売買について」
 ここ数年ネットでのフリマサービスサイト(メルカリ、ラクマ、paypayフリマなど)の普及やヤフオクなどで、個人で物を売買することが物凄く多くなってきたように思います。使わなくなった物を必要な人に再利用してもらえること、お店で購入するより安価で手に入れることができる等、売り手、買い手共にメリットはたくさんあります。
 同時にデメリット(リスク)もあります。個人売買の場合、ショップで買うよりはるかにリスクが大きいと思っていた方が良いでしょう。こちらも何度か取引の経験がありますが、圧倒的にキャンセルの率が高いです。基本的に相手は素人(業者ではない)の方なので、どこまで追求できるのか難しいところです。
 
 このようなフリマサイトについての“注意すべきこと”については、参考になる動画がありましたのでURLを載せておきます。(探せば他にもたくさんあると思います。)
https://www.youtube.com/watch?v=jL1V3Gv5zO0
 
 自分はヤフオクで落札経験がありません。(アカウントはあります。入札したことも)ですので、こちらのことはよくわかりませんが、トラブルは少なくないようです。ネットで検索すれば、“失敗せずにうまく買うためのノウハウ”情報はたくさん出てきます。
ほんの一例です
https://chord4me.info/guitars/auction

GUILD D-55 1973年製

「友人・知人、知り合いとの売買」
 最近はこのパターンが一番多いです。
 友人や知り合いの所有するギターを弾かせてもらって、「おおっ、これはスゴイ!」と思ったギターってないですか?
 自分には何本かそういうギターがありました。当然そんな良いギターをおいそれと「売ってもらえませんか?」などと言えるはずもありませんが・・・。
 
例外もあります。
 もうだいぶ前の話ですが(10年以上前です)、とある会場でのお話です。ハンドメイドのギターやヴィンテージギターが何本も弾かれ、ずっといろんなギターの音を比べながら聴いていました。そんなときにそのギターが現れました。持ち主がそのギターを弾いた瞬間、世界がガラッと変わりました。それほど他のギターと差がありました。(あくまでも個人の主観です。)「何や、これ!えげつない音やン!」それがその時の感想です。その催しが終わった際、ギタ友であったそのギターの持ち主に「そのギター、もし売るようなことがあれば、絶対俺に言って!」と伝えていました。そのギタ友も気に入っていたギターだったので、「まあ、売ってもらうのは無理やな。」とは思っていました。
 それから何年か後、すっかりそんなことも忘れてしまっていた頃、そのギタ友から電話が。「あのギター、売ってもいいですよ。」とのことでした。まったく予想していなかったし、代金のことも考えていなかったので(かなりの価格でしたし、個人売買なので、現金一括が原則です。)一瞬悩み
ました。が、ここは買うしかないと思い「買います!」とすぐに回答しました。
 このギターは今でも手元にあります。自分の見る目に間違いはなかったと、しみじみ思えるギターです。
 
 売るときも、知り合いに売るパターンが一番多いです。知り合いに直接というのと、知り合いからの紹介でという感じです。やはり知っている人、もしくは知っている人の知り合いというのは、双方に安心感があると思います。無理に売ろうとしたりはしませんし、何度も弾いてもらったりすることも可能です。自分のギターを持ってきて弾き比べてもらうのもOK。知り合いを連れてきて一緒に弾き、意見を聞くのもOK。すぐに支払えないので、しばらくHOLDして置いておくこともOK。(何年も、というのはちょっと困りますが)
 こういったこと(いろんな意味で融通が利くということ)も大きなメリットですが、金銭的にもメリットが大きいと思っています。

ざっくりとした例を挙げますと、
仮に100万円を手元に残したい場合
ショップで委託販売に出すと、手数料が概ね20%なので販売価格は125万円ということになります。購入者は別途消費税がかかるので、1,375,00円支払うことになります。これを個人売買で105万円で売却したとすると、売り手にはプラス5万円入り、買い手はショップで買うより325,000円安く買えることになります。
 デメリットとしては、基本的に支払いは一括でということと、ショップのような保証がないということでしょうか。保障については、ショップで買うよりずっとじっくりギターの音と状態を確認できるので、それほど問題ではないのではないでしょうか。またリペアやセットアップが必要になる場合も、交渉することができると思いますのでそれほど問題になるようなことはないと思います。そうなると一番のネックは“支払い”なのかもしれません。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

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