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アコギ回顧録 Vol.18 「MARTIN D-28 1975」と「カスタムギター」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでも楽しんでいただけること、お役に立つことができれば幸いです。


「MARTIN D-28 1975」
 D-41を手に入れたのが18歳、ギルドは19歳の時でした。その後も変わらず、働いて働いて遊ぶ時間もないほど働いて(ギターは弾いていましたが・・・。)、お金を貯めるという生活が続いていました。しかし20歳になって自動車の免許を取り、車に乗り始めました。そちらにもお金がかかるようになり、欲しい車を買おうか?欲しいギターを買おうか?よく迷った記憶があります。それでもどちらかと言えば、ギターを買いたい気持ちの方が若干強かったと思います。
 そしてギルドから少し空いて21歳のとき、3本目の輸入ギターをゲットすることになります。それがマーチンのD-28、1975年製でした。
 “アコースティックギターと言えばマーチン、マーチンと言えばDー28”あ定番中の定番にやっとたどり着きました。一番最初に弾いたマーチンがD-45、最初に買ったマーチンがD-41、ここから下のグレードに行くということに抵抗があったのかもしれません。

 運良く同じ楽器屋さんに2本あり、較べることができたのですが、明らかに音が違いました。というか、片方のD-28がメチャ鳴っていたのです。こいつは手に入れてからも「ええギターやなぁ、ホンマ気持ちええ音がするわ。」と思いながら弾いていました。70年代のD-28としてはトップクラスの音だと思います。

 このギターは今でも手元にあります。アコギ回顧録をリニューアルしてこのギターのこと書いていたら弾いてみたくなり、久しぶりに引っ張り出してきました。長い間弾いていませんでしたが、弾いてびっくり!メッチャええ音でした。自分の中でのヴィンテージは1969年以前のもので、70年代のギターについてはそれほど評価していません。が、例外と言ってもよいと思います。サイド・バックがローズウッドのものとしては珍しいほど低音がよく締まっており(一般的なローズとハカランダの中間という感じです。ちょっとマニアックなお話なので、分からない方も多いかもしれません。すみません。)、音の芯も太いです。

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MARTIN D-28 1975年製(ワンオーナーです。)


「カスタムギター」
 マーチンD-41、ギルドD-55、マーチンD-28ときて、次に興味を持ったのがマーチンD-45でした。最初D-41を買った際に、D-45よりD-41の方が良かったという出来事が、自分の中でD-45になかなか気持ちが向かなかった理由だと思っています。しかしなんと言ってもD-45はアコースティックギターの最高峰として全てのギター弾きの憧れでしたから、やはり心のどこかで気になっていました。

 そんなとき仲良くしていた楽器屋の店員さんが「ヤマハのカスタム、これすごくええで!アメリカなんかやったらD-45よりずっと高い値段で販売されてるねんで。」という話をしてくれました。(D-45より高いという話が真実だったのかどうかわかりません。調べたりもしていませんが、その時は完全に信用していました。)ポール・サイモンがオーダーしたという話や、日本の中でも少しずつプロのミュージシャンが使い始めていたこともあり、がぜんこちらに興味が湧いてきました。またカタログにないことでも相談に乗ってくれること、音もできる限り自分の希望にそって造ってくれるということだったのでますますその気になっていきました。「世界に1本しかない自分のギターを造れる。」しかもアメリカではD-45よりも高い!これはもうオーダーするしかない!

YAMAHA カスタムのカタログ

 当時、穴が開くほどよく見ていたヤマハカスタムのカタログです。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。
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宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

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