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「超レア、歴史的価値のあるMartin」「岸部 眞明さんが遊びに来てくれました。」
「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。
「超レア、歴史的価値のあるMartin」
そのリペアに必要な期間が1年半、見積額が50万円だと聞いていました。普通の人ならたぶんやらないだろうなということをやった結果を、実際にこの目で確かめてきました。
ブツはこれです!
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元々は私が前オーナーからリペアの相談を受けたことから、今回のお話はスタートします。東京在住の方だったので、当初お茶の水にある三木楽器 梅田店(Smalls Guitar Shop)を紹介しました。この店の店長(上野さん)とは昔から懇意にさせてもらっています。アコギに精通している、ホンマもんのプロです。この時の見積もり、リペア期間は、それぞれ50万円ぐらい、1年半〜2年というものでした。他の店での見積もり等も考えたいとのことでしたのでM-factoryの三好さんを紹介し、沖田工房で見ていただきました。それが文頭に書いた50万円、1年半でした。前オーナーは、その時点ですでに70歳を越えておられました。「リペアの金額はともかく、1年半も待てない。」とおっしゃっていて、最終的に三好さんが買い取るということで話がまとまり今回の結果になりました。
リペア内容
調べる術がないので絶対ではありませんが、おそらく世界に1本だけのギターでしょう。O-42 1921 年製です。特別なのは、サイド・バックがマホガニーというところです。レギュラーラインで製作されたものではなく、エンプロイーモデルです。前オーナーがGruhn Guitars(アメリカ、テネシー州ナッシュビルにある有名なヴィンテージギターショップ)で購入されたとおっしゃっていました。マーチンのエンプロイーモデルであることを証明するGruhn Guitarsの社長George Gruhnの手紙もあるとのことでした。エンプロイーモデルには、マーチン社の刻印もシリアルナンバーもありません。本物のマーチンであることを証明するものがなければ、まったく価値のないギターということになってしまうのです。
※エンプロイーギターについて
マーチン社の従業員が自分のため、もしくはその家族のために製作されたギターのことです。詳しいことは私もよくわかっていません。近年では見かけることがありませんが、1969年以前のものでは時々見かけていました。勝手な推測ですが、ある程度マーチン社に貢献したことが認められた従業員にだけ製作が許されていたのではないかと思っています。
話がそれてしまいました。元に戻しましょう。リペアから戻ってきたそのO-42。すごい金額のお金と時間をかけただけのことはあります。これぞヴィンテージと言っても過言ではありません。楽器としてちゃんと生きています。そのサウンドは唯一無二‼️マホの明るさと優しさがあり、木の優しさと温もりを感じることができます。サイド・バックがマホガニーであればこそのサウンドかもしれません。セットアップもバッチリで、楽器としては最高です。
何度も書いてきましたが、私は以前からヴィンテージギター(楽器)を骨董的な価値では見ないという考えです。ですので、楽器としてもっともよい状態にして使うことがベストだと思っています。そういう意味で、このO-42は私の思う"ヴィンテージギターのあるべき姿"であると言えます。
「岸部 眞明さんが遊びに来てくれました。」
先月の話になりますが、ギタリストの岸部 眞明さんが遊びに来てくれました。M-factoryの三好さん経由で話が来て、「OOO-28を弾いていてみたい。」とのことでした。後日岸部さんから電話があり、詳しく聞いてみたら「OOO-28と、ドレッドノートタイプ以外でカッタウェイのギター。」というリクエストでした。当然フラットピック用のギターではなくフィンガーピッキング用ということになります。
残念ながらフィンガーピッキング用のギターの在庫は、アコギ庵には多くありません。(自分自身がフィンガーピッキングをやらなくなったこともあり、最近はフラットピッキングで使うギターが多めです。)そんな中、OOO-28を含め4本のギターを用意して岸部さんをお迎えしました。
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用意したギターはMartin OOO-28 1950、GREVEN J-Cutaway Maple 1999頃、Felds F-Cutaway Brazilian Rosewood 1996、Santa Cruz F-Cutaway KOA 1988。
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さすがと言えばさすがなんですが、予想していた以上に試奏時間は短かったです。わずかの時間で、それぞれのギターの反応やバランスを感じ取ってしまうことができるのでしょう。
OOO-28に関しては「自分が使うイメージではないなぁ。」とのこと。これは予想どおりでした。古いアメリカの音楽、ラグタイムやギャロッピングなどには良いと思いますが、岸部さんの音楽にはちょっと合わなかったようです。他の3本の中で一番気になったのはGREVENのJということでした。GREVENは以前数本所有していたことがあるとのことでしたが、それとはまた違うサウンドで「思っていたのとは違う。」とおっしゃっていました。他のギターには無い"甘く優しい響き"を持っているギターで、これを魅力に感じる人も少なくないと思います。
拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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