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「フリマサイトの話」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。

「フリマサイトの話」
 前回ヤフオクに出品されているギターのことを書かせていただきました。そのことに関連するお話なのですが、今回は「もし自分が出品するなら?」という観点で考えたらどうするだろうかという内容です。

 まずは、「なぜ、フリマアプリなのか?」です。ちょっとググってみたら、こんな理由が出てきました。
「フリマアプリを利用した理由」についての問いに対して、最も多かったのは「安く買えるから」で52.6%、次いで「簡単に利用できるから」が44.3%、「不要なものが売れるから」が40.1%、「お小遣い稼ぎができるから」が39.2%となりました。他にも
・匿名での取引ができる
・買取業者では買取されない商品でも売れる
・商品が高く売れる
等の理由が出てきました。概ねこんなところでしょう。売る側の立場で考えたら、買い取りや委託販売よりは高く売れるということが一番のメリットになるのではないでしょうか。

 自分が売る側になった場合、まず最初に始めるのは市場価格を調べることになります。次に買い取り価格、そして委託販売した場合の手取り価格ですね。フリマサイトを利用する理由の第一位が「安く買えるから」でした。少なくとも市場価格より安く、お買い得感がなければ売れないということになります。売り急いでいるのであれば、ショップに持ち込んで買い取ってもらうのが一番手っ取り早いと思います。委託販売は買い取り価格よりは高い価格設定ができますが、いつ売れるのかは全くわかりません。時と場合によっては売れないこともあるかもしれません。

 少し話はそれますが、アコースティックギターは非常にデリケートな楽器です。売買の際、基本的には手渡しでというのがベストだと思っています。(これは取引相手が比較的近くに住んでいる場合に限られますが、相手の顔を見ることができるという利点があります。実物を見ながら説明を受けることができますし、それに応じてくれるかどうかで相手を判断することもできます。)業者に配送してもらう場合には、ものすごく丁寧な梱包が必要になります。残念ながら自分の目から見て、完璧だなという例は非常に少ないです。全国的に有名はショップでもそれは同じです。
 荷物を運ぶ配送業者の方も人間です。絶対に過失がないとは言えません。ですので、万が一のことも考えて梱包する必要があります。(これ、かなりの手間です。)具体的に言うと、基本はハードケースで送ります。(セミハードケースでも大丈夫だと思います。)まずケースの中にギターを入れて、隙間という隙間に新聞紙等の緩衝材を詰めます。ギターが動かない状態にしてハードケースを閉めます。今度はそのハードケースを搬送用の段ボールに入れます。ケースの上下左右に緩衝材(段ボールや新聞紙、プチプチ等)を入れ、ケースが動かないように詰めます。最後に荷造り用のテープかガムテープでとめて、やっと荷造り完了です。
 配送にかかる費用も、以前と比べると格段に高くなりました。梱包にかかる手間と配送費の負担を考えると、送料込みにするのも簡単ではないと思います。

 スムーズな取引をしたいのは誰しも同じだと思います。何のトラブルもなく、迅速に終わる取引が一番望ましいです。そのために売り手が最も気をつけなければいけないことは、十分な商品説明をするということでしょう。具体的には(アコギの場合)
①トップの状態。(膨らみのあるなし、程度)
普通は少し膨らんでいる程度だと思いますが、ブリッジ付近でかなり盛り上がっているようなものもあります。反対に、数は少ないですが沈み込んでいるものもあります。
②ナット、サドルの状態。
ナットの溝が低くなってしまって、弦のビビりがある場合があります。サドルは弦高にも関わってきますので、どのような状態であるかきちんと説明する必要があります。ナットの幅も気にする方は多いので、測ってお知らせする必要があります。
ネックの状態にも関わりますが、12フレット上の6弦と1弦の弦高も必須です。(基本はレギュラーチューニングの状態で、弦のゲージも)
③ネックの状態。
順ぞり、逆ぞり、捻じれ(これは極端な場合を除けば、わかりにくいかもしれません。)等。ネックの形状(かまぼこ型、三角ネック、厚み等)。元起きの有無も。
④ブリッジの状態。
浮きがないかどうか?(トップとの間に隙間がないか?)、割れがないか?、弦高を下げるために削られていないか?etc.
⑤フレット、指板の状態
フレットの減りはどれぐらいか?、浮きは無いか?、指板は削られて(摩耗して)いないか?(ヴィンテージで指板がハカランダのものは、エボニーに比べると柔らかいのでかなり削られていることがあります。)
⑥クラック(割れ)の有無、程度。塗装部分のみor木部の表面のみor木部の裏まで達している等。
⑦リペア歴があれば、それもできるだけ詳しく

 さっくりとですが、こんなところでしょうか。説明文の文字数が限られていると思いますので、最初から全部を載せるのは難しいかもしれません。項目を上げて質問してくださいという形がよいかも?です。

 ある程度高額なギターをフリマサイトで購入しようとする方は、最低限これぐらいのことは確認する必要があるのではないでしょうか?逆に出品する立場で言うと、ここまで説明しておけば「ノークレーム・ノーリターン」などという文言は書く必要がないはずです。ポイントは、どれだけきちんとマイナス部分を隠さずに説明しているか?というところです。
 最近は匿名配送を利用する方が多く、相手の素性がまったくわからないことが当たり前のようになっています。それに加えて、ショップでもない限り一切の保証・アフターサービスを受けることができません。これは高額商品を購入する場合には、普通ではあり得ないリスクです。買い手はそれだけのリスクを背負って購入するのですから、十分な説明は、最低限の売り手のマナーだと思います。

 以前フリマサイトのトラブルの件で、新聞社の方から取材を受けたことがあります。その時に「フリマサイトのトラブルがものすごく多い。」ということをおっしゃっていました。相手ともめる時間が長くなればなるほど、面倒くさくなってきます。少額の商品だったら、あきらめてしまうことも十分考えられます。お金のこともありますが、それよりも嫌な気分が(腹立たしい気分が)長く続くので取引をやめようとしてしまうことの方が多いのではないでしょうか?
 売り手も買い手も、気持ちの良い取引ができるようになることを願ってやみません。

 記事の内容とはまったく関係ありませんが、ギターの写真が一枚も無いのはちょっと寂しいのでこれを持ってきました。

YAMAHA L-53 Custom 1976
インレイのパターンはL-51のもので、すべてアバロンです。
バック3ピースのセンターもハカランダです。
トップとバックのボーダーもバイアス柄ではなく、すべてアバロンになっています。
サイドのハカランダ、なかなかワイルドな木目です。
ブリッジも形状はL-51のもの。ここもインレイはアバロンです。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。
 皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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