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アコギ回顧録 Vol.39 「坂庭 省悟さんとの距離が縮まる」「小松原 俊さん」「VINTAGE VOICE Ⅱ」
ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
「坂庭 省悟さんとの距離が縮まる」
“坂庭 省悟さんとの夜”(こんなタイトルをつけたらたくさんの人から怒られそうですが・・・),本当なら自分の方がずっと気を遣っていても良さそうなものなのに,逆に坂庭さんがすごく気を遣ってくれていろんな話をしました。このとき初めて坂庭さんの人間性に触れたような気がします。たくさんのファンやミュージシャン仲間から慕われている坂庭さんの人間としての優しさや大きさがすごくよくわかりました。この一日で坂庭さんとの距離がすごく近くなったように思います。
(坂庭 省悟さんは2003年12月15日にがんのため永眠されましたが,自分の中にたくさんの思い出が残っています。)
録音が終わってしばらくしてから坂庭さんが話してくれたことですが,この録音に参加するまではそれほどヴィンテージ(オールド)ギターには興味がなかったそうです。しかしこの企画でたくさんのヴィンテージギターに触れたことでそのサウンドのすごさを知り,少しずつ興味を持ち始めたとのことでした。この後また少しの時間をおいて、自分が坂庭さんの愛器となったギターと坂庭さんを引き合わせることになります。その話はまたいずれどこかで・・・。
「小松原 俊さん」
「VINTAGE VOICE」に参加したもう一人のギタリスト「小松原 俊」さん。彼と初めて話したのは1992年の秋でした。その後仕事の関係で企画したコンサートに出演してもらったりして少しずつ仲良くなり,親しい友人のうちの一人になったといっても差し支えないと思っています。今では知り合って30年も経ってしまいましたが、自分の知っているフィンガーピッキングのプレイヤーの中では最高の部類にはいるプレイヤーだと思っています。
それこそどれだけの長い時間アコースティックギターに関わる話をしたかわかりませんが、彼ほどそのサウンドにこだわっているギタリストを見たことがありません。ライブを見ていただければ(本当はそのリハーサルを見てほしいのですが)わかると思うのですが、一つ一つの音をものすごく大切にしています。楽曲の持つ世界観をどれだけ伝えることができるか?そのために最適な音場をどう創り上げていくのか?それぞれの場所で創り得る最高の状態を提供したいと思ってリハーサルをしています。時としてそれが何時間にも及ぶことがあります。お店やエンジニアに迷惑をかけることもしばしばです。「いい音でやりたい!」これが彼の口癖です。
「VINTAGE VOICE」の製作にかかわったおかげで,たくさんのヴィンテージギターとそのサウンド,そして録音の現場でのあれこれなど多くのことを学ばせてもらいました。
あの時弾かせてもらったギターたち,今はとんでもない値段になってしまっているみたいやし,二度とあんな経験はできひんやろうなー。今しみじみと思います。ホンマ,ラッキーでした。
ブックレットの最後のページ,Special Thanksのトップには自分の名前が書かれています。ちょっと自慢(忘れていましたが・・・)です。
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「VINTAGE VOICE Ⅱ」
そんなこんなで無事に発売された「VINTAGE VOICE」,かなりの反響があったようでCDもよく売れたと聞きました。後日さらにパワーアップした続編が製作されるのですが(「VINTAGE VOICE Ⅱ」),そのCDで使用されたギターの中には当時自分が所有していたマーチン D-41 1969年も含まれています。
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ここ1年ぐらいで、ヴィンテージギターの価格がかつてないほど上昇しています。アメリカの市場価格が上がっているうえに、数十年ぶりの円安!それを考えると、日本のヴィンテージ市場もまだまだ上がってしまいそうな気配です。手の届く範囲にあったギターが高くなりすぎて、気軽に弾けない、使えないという状況になってしまうのはすごく寂しいです。が、すでにそんなところまで来てしまっているのかもしれません。
マーチンの新品も6月ぐらいからかなり値上げされるようですし、その他のギターやパーツ類、小物等の価格上昇も避けられないと思います。「今のうちに買っておこう!」というのも"アリ"ですね。
拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。
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