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アコギ回顧録 Vol.38 「VINTAGE VOICE」「VINTAGE VOICEのプレイヤー」
ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。
「VINTAGE VOICE」
何年前だったかは忘れてしまいましたが、当時尼崎にあったヴィンテージギターショップ(R.H.Y Guitars)が「VINTAGE VOICE」というCDを製作しました。今回はそのお話です。
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その少し前にアメリカで「Tone Poems」というCDが発売されて話題になっていました。当時のアコギファンなら、たぶん知らない人はいないだろうと言ってもよいほど有名なCDです。マーチンやギブソンのヴィンテージギター,マンドリンを使用して一流のプレイヤーが演奏しそのサウンドを楽しむというコンセプトで製作されたCDでした。「Tone Poems」のプレイヤーはデビッド・グリスマンとトニー・ライスでした。
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「VINTAGE VOICE」の計画は日本で「Tone Poems」よりすごいCDを創ってやろうという意気込みで始まりました。とにかくギターは最高のヴィンテージものを集め,最高のマイクで最高の音を録音しようというコンセプトでした。
自分はこの「VINTAGE VOICE」の企画に最初から参加させてもらい,マイクの選定からプレイヤーへの出演依頼などいろいろと協力させてもらいました。
まずマイクの選定ですが,スタジオにプリウォーのマーチン,ギブソンなどのヴィンテージギターを5~6本集め(OOO-45やOO-45,ヘリンボーンのD-28などそうそうたるギターが集められていました),マイクを変えながらあるいはセッティングを変えながら順番に一つ一つのサウンドを確認して行きました。ギターを持ち変えてはフラットピッキングで弾いたりフィンガーピッキングで弾いたり,簡単な作業ではありませんでしたがギター好きの自分には非常に楽しい経験でした。
そして録音に使用することが決まったのは“ノイマン”というメーカーの1950年代のヴィンテージマイクで,その当時で1本80万円ぐらいするとのことでした。「やっぱりヴィンテージもののギターのサウンドを録るには,ヴィンテージもののマイクの方がええのかな?」と思ったものでした。本当のところはわかりませんが・・・。
ジャケットの中のギターです。(前半)
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「VINTAGE VOICEのプレイヤー」
「VINTAGE VOICE」の録音に参加してもらうプレイヤーをどうするか?ということで相談されていたのですが,フラットピッキングとフィンガーピッキングのプレイヤーを1名ずつ紹介して欲しいとのことだったので「坂庭 省悟」さんと「小松原 俊」さんの二人を紹介しました。
実際に録音中のスタジオに遊びに行ったりしたのですが,忘れられない出来事があります。たまたま自分がスタジオに遊びに行ったときに坂庭さんの録音がうまくいかず,予定の時間を過ぎてしまい翌日再度録音することになりました。自分も坂庭さんといっしょにギターショップに宿泊させてもらうことになり,あろうことか坂庭さんと同じ部屋で枕を並べて寝るというすごい状況になってしまったのでした。
坂庭さんとはこの話の2~3年前ぐらいに知人の紹介で知り合いになり,まったく話ができないような関係ではありませんでしたがそれでも自分にとってはまだまだ雲の上の存在でした。“花嫁”が大ヒットした頃に(自分が高校生の頃です。)コンサートで坂庭さんを見ていましたし,NHKの紅白歌合戦での姿もテレビで見たいました。ナターシャセブンでの活躍も知っていたのでそう簡単に親しく話ができるという間柄にはなれませんでした。
ジャケットの中のギター(後半)
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当時でも高価なギターでしたが、今となっては恐ろしいほどの価格になってしまったギターたち。今さらながら、良い経験をさせてもらったなと思っています。
次回のアコギ回顧録は「VINTAGE VOICE Ⅱ」のジャケット写真をメインにしようと思っています。乞うご期待!
拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。
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