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アコギ回顧録 Vol.44 「レコーディング」「ついにCD発売」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「レコーディング」
 今とは違い、デジタルで音源データをネット経由でやり取りをすることなどできない時代でした。プロデューサーのPETAさんをはじめ、アレンジャーやレコーディングエンジニア、その他のスタッフもほとんど東京近郊に在住です。ですので、レコーディングの現場に行くまでどんなアレンジになっているのかまったく知らないまま本番を迎えるという状況でした。そして、とうとうその日がやってきました。
 
 1997年の秋、山梨県は甲府市にあるスタジオで“TIMENOTE”のレコーディングが始まりました。土日をはさんで休みを取りましたが、それでもレコーディングに費やすことができる時間は3日間。ギターも数本持って行ったので、行き帰りとも車での移動でした。いやぁメッチャハードでした。ギターより歌うことの方に自信があったのですが、それでも録り直しの連続で最後は喉がイカれてしまいました。
 最後に録った曲は、蜂蜜をなめなめ、ごまかしながら何度も何度も取り直してやっとオーケーになりました。CDを聴いてもらえばわかりますが、この曲だけリバーブがかなり多めにかかっています。

真剣なまなざしのプロデューサー、PETAさん

 このレコーディングに使用したギターは全部で6本。他にも持って行ったギターはありましたが、使ったのは下記の6本です。
 MARTIN D-41 1969
 SOMOGYI MD-Cutaway BR 1993
 Greven D-HBDX 1993
 Greven White Lady 1978
 Somogyi SJ-Maple 1994
 Somogyi MD-Cutaway BR 1986

CDジャケットの写真から

 余談ですが、
 このレコーディングで使わせていただいたスタジオ、今ではアコースティックギタービルダーとして有名な 坂田 久(さかた ひさし)さんの所有するスタジオでした。この頃はまだギター製作を始めておられませんでしたが、シンガーソングライターとして活躍されていました。同時に“カレーとコーヒーと音楽の店 ハーパーズミル”のオーナーでもあり、この頃から多方面で精力的に活動されていたようです。
 レコーディングの合間にハーパーズミルのカレーや、山梨の郷土料理ほうとうをごちそうになったりもしました。坂田さん、その節は大変お世話になりました。今あらためて、ありがとうございます!!

CDのスペシャルサンクスに、坂田さんのお名前があります。

SAKATA GUITARSのホームページ:https://www.sakataguitars.com/ja/
ハーパーズミルのFacebookページ:https://www.facebook.com/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%83%AB-652197638188613


「ついにCD発売」
 1997年12月無事に“TIMENOTE”のCD「君のために」が出来上がり、京都で発売記念ライブを行いました。このCD発売をきっかけに自分たちのライブのペースが大きく変わってしまいます。

表紙
裏表紙

 翌年から京都のみならず、大阪、東京、北海道でライブをやらせてもらったり、PETAさんや他のプロのミュージシャンのオープニングアクトをさせてもらったりしました。当然自分たちの力ではなく、プロデューサーであるPETAさんや応援してくれるたくさんの人たちのおかげでできたことです。本当にみんなありがとう。その節はお世話になりました。

 出演させてもらったライブやイベントの中には、亡くなられた坂庭省悟さんの主催されていた“八耐”(ハチタイ)も含まれています。毎年12月京都のライブハウス“都雅都雅”(トガトガ)で行われていた“八耐”。自分の記憶が正しければ、その2回目(だったと思います。)に出演させていただきました。「とてもじゃないけど僕らなんか・・・。」としり込みしていたのですが、坂庭さんが「かまへん、かまへん。出たらええねん。」と言って後押ししてくださったので(たぶん誰も、坂庭さんに反対できなかったんだと思います。)、かなりビビりながら出演させていただきました。今となっては良い思い出です。

 また京都の伏見や神戸の三宮で、コミュニティFMにも出演させていただきました。特に神戸では、ゲストが二組で別のもう一組のゲストがBEGINだったこともありました。もうずいぶん前のことになってしまいましたが、とても良い思い出です。
 
 CD発売後5年ぐらいはそれまでとうってかわって、年に何回かのライブをやっていましたが、製作したCDも残り少なってきた頃、もうあんまり「売らなくてもいいや。」という心境になってきました。自分と相棒の生活も以前とはかなり変わってきており、なかなか二人で練習することもままならなくなりました。特に何があったというわけではありませんが、自然とライブの話は出なくなりました。

 無理をしても楽しくはできないだろうし、無理をする必要もないので今はこのままで良いと思っています。ひょっとしたら“TIMENOTE”としてのライブはもうないかもしれませんが・・・、

 自分でもよく“TIMENOTE”のCDを聴いています。自分の好きな曲=聴きたい曲をCDにしたからかもしれません。若いころのラブソング(しかも失恋もの)が多いですが、ラブソングが歌えなくなった今(年のせいかラブソングにはあんまり感情が入らなくなってしまいました。)、よけいにあの頃が懐かしく思えます。

残り少ない未開封のCD


 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。




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