見出し画像

「情報だけではわからない!」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。


「情報だけではわからない!」
 自分が買いたいギターを見つけるのは、99.9%ネットからです。めったにありませんが、たまたま立ち寄ったショップに入荷したばかりのギターがあって・・・。ということも過去にはありました。が、これはほとんど「無い」に等しい確率です。もしあったとしたら、神様に感謝!という感じですね。

 というわけで、見つけた後の行動のお話です。これは!というギターを見つけた時、そのショップが行ける範囲(距離的に、無理せず日帰りで往復できるぐらいでしょうか?)の距離であれば躊躇なく弾きに行きます。問題は弾きに行けない時にどういう判断をするか?ということです。ここで一番注目するのは、どれだけの情報があるか?ということになります。

 「おっ、これは!」と思えるギターを見つけたら、まずは写真と説明文に注目します。動画があれば見ますが、この場合音を確認するということよりギターの状態を注視することの方が多いです。(写真の情報を動画の画面で補う感じですね。動画の音は、あてにならないと思っています。)
 それだけでは本当の音は分かりません。きちんと音を確かめたいのであれば、自分で弾いて確かめるしかありません。コンディションも実際に手に取ってみたら、写真や動画と全然違った!というのはよくある話です。説明文も似たようなものです。言葉は一つなのに、人によって受け止め方、解釈の仕方はバラバラです。自分でも覚えがあることですが、欲しい気持ちが強い時は危ないです。言葉は自分の都合が良いように解釈し、動画の音も良いように思えてしまいます。だからと言って、全てのギターがそのとおりでもありません。良いギターは確かに存在します。そこが難しいところでもあり、面白いところでもあります。

 ここからはお店との交渉になります。通販等で送ってもらい、弾いてからキャンセルできるかどうか?(もちろん代金は先に支払ってからということになります。)いったん購入するという形になりますので、疑問点はしっかりと質問しておきます。(この際の説明不足、説明もれもキャンセルの際にツッコめる理由になります。)過去の経験で、コンデションも良い上に何の調整も不要なギターはほとんどありませんでした。(ゼロではなかったですけど。)
 もちろんキャンセルする際には、送料はこちらが負担することになります。よほどショップの説明と違ったりしなければ、これは当然のことでしょう。完全にショップ側の説明不足でキャンセルした時に、送料も含めて代金をえしてもらったこともあります。が、これは非常にまれなケースだと思います。
 キャンセルを受けてもらえるかどうか?については、商品の人気度も左右するのではないかと思っています。人気のある商品ですぐに次の購入者が現れそうであれば、そんな面倒くさい客は相手にしなくてもよいという判断をするかもしれません。ただ、お客様によって対応を変えるのはお店のイメージが悪くなってしまうので、そういううことはないのかも?ですけど。

 あともう一つ、私が注意している点を申し上げておきましょう。気になるギターを見つけた時、必ず参考にするのがショップの店員さんの反応です。自分の店の商品ですから、売ることが目的です。口が裂けても悪いようには言わないと思いますが、それほどでもない商品をメチャクチャ良いというのには無理があります。明らかに自信をもって「良い。」と言える時は、即答で「良いですよ!」とか「おススメです!」等の反応が返ってきます。そうではなく、ありきたりの答え「程よく抜けて、良い感じです。」とか「ヴィンテージとしては、悪くないと思います。」ぐらいの反応だったら、ちょっと考えてしまいます。(価格も含めてです。)

Martin D-28 1973 ショップの店員さんに音はどんな感じですか?と問い合わせた際、即答で「音、いいですよっ!」という返事が返ってきました。「これは、たぶん本当に良いんだろうな。」という印象でしたが、その判断に間違いはありませんでした。このギター、良いです!
音も全体的なコンディションもバッチリだったのですが、ネックの順ぞりがかなり強かったです。せっかくなのできちんとリペアしようと思い、フレットを打ち直して矯正してもらいました。


 それでも、弾かずに買うのは勇気が要りますし、リスクもあります。やっぱり弾いて音が気に入らなかった場合は、返品できるかを確認しておいた方が良いと思います。

 メルカリやラクマなどのフリマサイトでも、かなり高額なギターが販売されています。大手のショップでも、こういったフリマサイトに出品しているところはあります。その場合は販売する側もプロとわかっていますので、ある程度信用しても良いでしょう。が、出品者がプロでない場合、このようなフリマサイトでの購入はお勧めしません。最近は個人情報保護という観点から、匿名で配送という形が増えているようです。住所・氏名はもちろん相手の情報がほとんど無い人との取引ですので、ものすごくリスクのある取引です。おまけに、写真と説明文ぐらいしか情報がありません。ショップの写真でも実際に実物を手にしてみたら写真と全然違う!ということはしょっちゅうです。まして相手が素人さんなら、自分に(売るために)都合の良い写真と説明文がほとんどです。おまけに値段もショップよりずっと高かったりします。(全部が全部そうではありませんが・・・。)素人さんなので、相場がわからないのかも?と思うことがよくあります。

メルカリでキャンセルした例:商品説明では「サイドに2箇所クラックのリペア歴ありです。全てリペア済みで問題なく」というものでした。その文章からこのような状態は想像すらできません。
ボディ内側からの写真です。わかりにくいですがボトムのブロックにもクラックがあり、接着剤が流し込まれているようでした。エンドピンも接着剤によって固定され、抜けない状態です。


 つい最近のことですが、かなり多くのヴィンテージギターを所有している方と話をする機会がありました。この方はギターに対する考え方が私と似ている方で「ギターは弾いてナンボ、音が良くなければ意味がない。」という観点でアコギを見ています。セットアップにもかなりお金をかけておられました。その方が何度もおっしゃっていたのは「ギターの音は、自分で所有しないとわからない。」もしくは、「ある程度長い期間好きな時に弾ける環境があって、何度も繰り返し音を確認できなければわからない。」ということでした。確かにそうだと思います。
 現実にギターを買おうという時に、なかなか難しいことかもしれませんが弾いて買うようにしましょう。自分のギターと比べることも忘れずに!!

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
 アコギ庵は「ギターを弾いてもらって、ゆっくりアコギの話をする。」そんな場所です。勝手ながら、完全予約制で運営させていただいております。
お手数ですが、まずはメール、もしくはメッセージでご連絡をお願いいたします。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。
 FACEBOOKのページもあります。こちらにメッセージを送っていただいてもかまいません。よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?