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「古き良き時代でした。」「嫌な客!、でした。」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。


「古き良き時代でした。」
 "お片付けのあるある"だと思うのですが、片付けをしている最中に"懐かしい何か"を見つけてしまい作業がストップ。ついつい懐かしさにひたってしまう。おそらくどなたにも身に覚えがあるのではないでしょうか?

 めったにしない片づけをしていて、見つけてしまいました。今から31年前の記録です。

アメリカの個人のブローカーの方から送ってもらったリスト。価格にびっくり!!

 日付は APRIL 18,1993 と記されていました。当時購読していたアメリカの月刊誌 VINTAGE GUITAR MAGAZINE の中に出ていたのを見つけて、コンタクトを取りました。当時 VINTAGE GUITAR MAGAZIN は雑誌というよりは新聞のような形でした。すべて知り合いのギタ友に譲ってしまったので、手元には一冊も残っていません。かろうじて購読の申し込み用紙が残っていました。こんな感じです。

VINTAGE GUITAR MAGAZIN の購読申込時のもの。当時支払いはカードでできましたが、連絡はすべてFAXでした。出来る限り早く情報を得たかったので、常にAirmailで申し込んでいました。

 すでに何度かアメリカからギターを購入していましたが、それまではすべて有名なショップから買っていました。個人のブローカーを相手にするのは初めてだったし、信用してよいものかどうかもわかりません。かなり迷いましたが、リストにあるギターと価格はそれ以上に魅力でした。

 インターネットがまだ普及していなかったので、取引のやり取りは手紙かFAXでした。英語は苦手だったので、辞書を片手に苦労しながらやっていました。また、当時はまだカードを使うことも怖い時代でしたので(使い慣れていないことと、限度額が低かったというのもあります。)、送金は国際為替(MoneyOrder)を使っていました。
 手紙のやり取りは、送ってから返信まで約2週間ほどかかっていました。ショップからのリストが届き、すぐに興味を持ったギターの在庫確認をしていましたが、時々すでに売れてしまったことも何度かありました。そのせいだったのか?電話しか連絡手段がなかったのか?今となっては思い出せませんが、その時は電話をしました。こちらの伝えたいことを英文でメモして、それを片手に深夜電話したことを覚えています。メチャクチャ苦労しましたが、何とか通じて相手の言うことも理解できました。支払いについては、銀行振り込みしか受けられないとのことでしたので、応じることにしました。

 翌日すぐに銀行へ出向き、送金の手続きをしました。買ったのは1955年と1963年のD-28、1976年製のD-45の3本。合計金額は、送料込みで9120ドル。当時のレートは111円台で、銀行の手数料を入れて全部で102万2千円余りの支払いになりました。今の日本の相場で考えたら、3本合計でおそらく600万円ぐらいになるのではないでしょうか?!
 いや~ホンマにええ時代でした。

日付は平成5年4月23日となっています。もう31年も経ってしまったんですね~。
この時代にこんな大金を送金するのが珍しかったのか、銀行の窓口で担当された方が
「何に使われたんですか?」というようなことを尋ねられたのを覚えています。

 余談になりますが、リストではすべてのギターのコンディションがEXC.となっていました。が、実際に手元に届いてみたら「そうだな。」と思えるのはD-45だけでした。他の2本はVGぐらいで、自分の基準ではとてもそのまま使えるような状態ではありませんでした。アメリカからギターを買う場合は、それが普通でした。表示されているコンデションのワンランク下、もしくはそれ以上悪いと考えた方がよいぐらいでした。ですので、よほど有名なショップでないと、購入に踏み切れないことが多かったです。
 当時よく買っていた有名なショップ

ニューヨーク スタッテンアイランドにあるマンドリンブラザース。
ここは実際に、2回ほど行きました。
ジョージ・グルーンのお店。アメリカのヴィンテージギターの歴史を語る上で外せないお店です。
ここからもよく買いました。エルダリーインスツルメンツ。

 他にもいくつか、もう少し小規模なショップからも買っていました。当時のFaxが今も残っていますが、メチャ色あせて見にくくなってしまってます。

 ついでと言っては何ですが、当時はギター以外にも服や靴、カバンなどをアメリカから買っていました。円高だったので、ほとんど「買わないと損!」みたいな感覚でした。買わなくてよいものまで買ってしまっていましたね。

L.L.Beanは。よく買いました。他にもEddie BauerやLANDS ENDなどもちょこちょこ買ってました。
当時の注文はFax、支払いはカードでしていたような?記憶があります。
価格も今と比べると格段に安かったし、円高だったのでメッチャお得感がありました。


「嫌な客!、でした。」
 初めてヴィンテージギターを買う気で、お茶の水の楽器店巡りをした時のお話です。今思い出すと本当に恥ずかしい限りなのですが、まさに井の中の蛙でした。
 それまで、たまたま良いギターに巡り会えただけのことでしたが、自分のギター(の音)に変な自信を持っていました。サイド・バックがローズウッドのギターとしては相当良いギターでした。その部分は、今でも間違い無いと言えます。当時所有していたのは、Martin D-41 1972、D-28 1975、D-45 1976、Guild D-55SB 1973、YAMAHA L-53 1977、L-54 1978(サイド・バックはメイプル)ぐらいです。

 ヴィンテージギターの音が良いということは、あちこちから聞いていました。が、自分のまわりに所有している人はなく、楽器店で聞いても具体的な情報はほとんど得られませんでした。自分のギターの音が良かったこともあって、「ヴィンテージ?別に必要無いんじゃね。」とさえ思っていました。それでも時々は「ヴィンテージって、どれぐらいええんやろ?」という思いが頭をよぎっていました。

 そしてついに、変な自信を持ったアホな男がお茶の水へ行きます。JRお茶の水駅に降り立ち、まず最初にクロサワ楽器へ。当時はまだヴィンテージギターの市場は小さなものでしたが、その分在庫は豊富でした。50年台のD-28だけでも5〜6本、ギブソンのj-45、J-50は全部で20〜30本ぐらい並んでいました。店に入ってギターを見ていると、店員さんがやってきました。「気に入ったギターがあれば、試奏していただいたらいいですよ。」という言葉に、返した言葉が「一番自信のあるギター、持ってきてよ。」でした。いや〜、マジで嫌な客やん‼️ たぶん、店員さんもそう感じておられたと思います。その後何度もそのお店に行くようになり、店員さんとも仲良くなるんですが、最初は本当に嫌な客!だったに違いありません。本当に恥ずかしい‼️ この場を借りて、「ごめんなさい!!反省しております。」

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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