伴走型デザイナーというキャリアの提案
新年あけましておめでとうございます。
root代表の西村です。
rootは、プロダクトやサービスの成長を、デザインを通じて支援している会社です。主にデジタル領域を得意としています。弊社の特徴は、事業の立ち上がりから成長過程において継続的な支援を行う伴走型のスタイルです。
このnoteでは、伴走型のデザイン会社だからこそ得られる経験について書かせていただきます。
伴走型のデザイン支援とは
私たちのスタイルである伴走型のデザイン支援とは、プロダクト開発やマーケティングを行うための成果物を制作するだけでなく、中長期的な視点に立ってプロダクトやサービスを構成するチームや仕組みも含めた素地づくりだと定義しています。
その素地は短期的かつ外部パートナーだけで解消できるものではありません。創業期からプロダクト構築と組織の拡大と共に仕組みやプロセスを少しづつ積み上げていく必要があります。
具体的には次のような取り組みを行ってきました。
Fabric Tokyo 創業期のデザインと社内デザイナーの育成
日本経済新聞社 BtoB事業立ち上げとデザインシステムの構築
夫婦向け家計簿・貯金アプリOsidOriの立ち上げとUI/UXデザイン
伴走型デザイン支援の考えへ至ったのは、過去様々な事業の成長過程をお手伝いした経験からプロダクトがどんなに優れていても、それを運用する組織や人のマインドセット、仕組みが構築できていない会社は持続的な成長を続けることができないとわかったからです。
特に経営陣やマネージャーなど事業の方針を決める立場の人が、デザインのプロセスや構造を理解してデザインへ投資をしているかに事業成長の角度が相関しているケースは非常に多いと感じます。デザインへの前提知識を変えていくことが、ゆくゆくは事業の成長スピードや拡大に大きく影響を及ぼすことになります。
伴走型であることがどんなデザインキャリアに繋がるか?
では、伴走型の支援ができるデザイナーは、事業会社、納品型の受託制作会社のキャリアと比べてどんな違いがあるのでしょうか。
1. 事業会社
一口に事業会社と言っても事業規模や組織構造によって裁量、役割も異なるため一概には言えませんが、一般的に一つのドメインの事業に対しての深い知識、事業指標に基づいたデザイン実務、組織や職種を横断した協業やコミュニケーション、マネジメントスキルなどを身につけられるのが特徴です。
一方、事業の成長過程において組織構造がサイロ化される流れのため、特定の事業や役割に対してスキルを積む構造になりやすく、制作実務や専門性を深ぼるスキルを習得しづらい可能性があります。
2. 納品型の受託制作会社
納品を前提とした受託制作会社の場合は、規模や業種の異なる数多くのプロジェクトに関わるれることで、幅広い制作実務スキルとマーケティングや戦略立案など専門性を深ぼるスキルの経験値を積み上げやすいでしょう。
事業会社で得られるような事業ドメインに対する知見やマネジメント、運用や成長を行うための改修や改善サイクルは支援しずらい傾向があると考えます。
3. root
rootでは、MVP検証時や初期顧客獲得時など、複数のフェーズのプロジェクトを横断してデザイナーとしての経験が積めます。事業フェーズ毎の課題に対して有効なデザイン手法が身につくので、デザイナーとしての振れ幅を維持しつつ事業に貢献する働き方ができることが特徴です。事業会社と制作会社のキャリアを足して二で割ったようなキャリアを歩めると考えています。
ただし、あくまでもパートナーであるため最終的な意思決定やより深い関わりを1事業に対して行いたい場合は超えられない壁があるのも事実です。
複数事業に関わり経験軸の掛け算をすることの重要性
属する環境によって得られるスキルが異なる中、デザイナーのキャリアを考える上で重要なのが、スキルの振れ幅と深さのバランスです。人によって成長のスピードや適正は異なるため一概には言えませんが、自分がデザイナーとして何のスキルを軸とするかは意識した方が良いでしょう。
業界で活躍をしているデザイナーを見てみると、必ず何かしらの専門性を持っており、その人にしかできない、その人がやることでパフォーマンスすると言ったものを持っている人は評価されやすい傾向にあります。
では、「その人にしかできない」を生むために何が必要なのか。それは、スキル軸の掛け算です。
事業会社、制作会社どちらでもスキル軸を身につけていくことは可能ではありますが、より効率的に成長していくためには、早期に自分自身のデザイナーとしての軸足を見つけることが重要です。軸足のない多面的なキャリア形成は経験にレバレッジをかけられず「その人にしかできない」スキルを積み上げられないため市場価値を上げづらい構造となります。
事業会社では他事業との比較軸を作りづらい環境となるため、自分のスキルの軸足がどこにあるのか見出すまでに時間がかかる傾向が高く、転職や部署異動など環境の変化に依存してキャリア形成されやすいのが弱点です。
制作会社では特定スキルにおける専門性は磨きやすく、比較軸も作りやすいので最初の軸は構築しやすいですが、深堀りができないため別のスキルと掛け算をするためのトライがしずらく、同じスキルセットに依存して消費する構造に陥りやすい傾向にあります。
伴走型の関わり方を考えた背景は、デザイナー自身が属する環境に依存したスキル形成をしない仕組みを構築したかったからです。いくつかの専門性を磨きながら、横断して複数のプロジェクトに中長期的に関われば、早期に自分の軸足を見出せます。その上で個人として得意な領域や成果を出しやすい事業を横断し、2つめの軸を作りスキル軸の掛け算を行う。その結果「その人にしかできない」を身に付けられるのではないかと考えています。
root内でのキャリア形成の代表的な例としては古里が上げられます。
彼は、UXデザインをスキルの軸とし、PdMとしてのスキル持ち合わせています。
伴走型デザインの実践を通して
これまでのrootでの経験を踏まえ、事業の成長フェーズにおけるデザイナーの役割は、いくつかの段階に分けて変化していくと捉えています。ここはまだ実践しながら検証をしている過程のため体系立てた整理はできませんが、上記の図のように事業フェーズによってデザインに求められる役割は変化していくことがわかります。
rootでは外部パートナーでありながら、インハウスのような関わり方をするため、両方の間を取る働き方ができます。そのため、様々な事業フェーズに合わせたデザインスキルを身に付けられます。
rootのミッションは、成長するベンチャーや新規事業に対し、これまでのナレッジを活かして、事業成長に貢献し内部でデザインを活用できる環境を作ること。
事業の成長においてデザインが有効な手段であると示せれば、デザイナーの社会的評価の向上にもつながります。
デザインを社会や組織に根付かせていくミッションに共感し、自らの経験を活かしたいと思う人がいましたら、ぜひ一緒に働きましょう。
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