自分の汚い部分が全部出た日
まずはこちらの動画をご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=dtJUlumDe1A
今年の1月18日に行われた『疑心暗鬼大喜利バトル~滑狼~ヤングゲート』というライブだ。
「滑狼」とは嘘つきを探す心理ゲーム「人狼」のパロディで、わざとおもしろくない大喜利をする人を探すゲームである(人狼と滑狼の細かいルールについてはここでは説明を省略させていただく)
僕は過去に一度だけこの滑狼に出演したことはあるが、嘘をつくのも大喜利も苦手であまり得意とは言えない。
なのでこの回では、ただ一生懸命ゲームに参加しようとだけ考えていた。
大喜利1問目「カルロス・ゴーンの特技とは」
僕の答え「その人にピッタリのカクテル作り」
ウケこそはしなかったが、答えにオリジナリティを含み滑狼ではないことをアピールするためだったので目的は果たせた。
1回目の会議では僕はほとんど喋っていない。
他の芸人が討論している間、誰が滑狼なのかある程度目星を付けていたのだ。
滑狼の答えは指示された答えのため、このようなお題の時には単語になることが多い。
つまりきょんの「ダッシュ」、南條さんの「能」、にっくんの「ドリフト」は怪しいと睨んでいた。
きょんとにっくんに関しては答えがらしくないという点もあるが、南條さんは自身の芸風に近い「能」という答えなのに何故怪しいと思ったのか。
それはニューヨークの屋敷が途中でそのことを説明している通り、ごくたまに滑狼の答えが自身の芸風に寄ることがあるのだ。
以前滑狼に出演した時、同期で安倍首相のモノマネをするビスケッティの佐竹が滑狼だったにも関わらず国会系の答えを出しライブをうねらせたことがあった。
その経験があったため僕は南條さんも滑狼の候補にあげていたのだ。
ちなみに海野さんの答えもらしからぬ答えではあったが、2個目の回答が気になっていたのでもう少し様子を見ようと思った。
会議の結果きょんが追放され、1日目の夜を迎えた。
ライブ中はヘッドホンと目隠しをしていたためわからなかったが、滑狼は南條さんとにっくん、そして裏切り者はきょんだったので、僕の予想はこの時点でほぼ的中していたのだ。
僕の役職は「占い芸人」で、誰が滑狼かわかるという、ゲームのキーパーソンとなる役割だ。
南條さんはこの時まだ確信が無かったので、にっくんを占った結果滑狼とわかった。
「ヒーローになれるチャンス」
先走ったが確実な達成感を味わった。
あとは自分の発言を信じてもらうのみ。
「ピン芸人はないがしろにされがちですからね」とはやる気持ちを抑えて自虐的に言った。
この言葉が後の悲劇の伏線の1つになるなんて思いもしなかった。
大喜利2問目「2019年から2020年になる瞬間の一番アホな過ごし方とは?」
僕の答え「カメラロールをふり返ってタイトル付け」
この答えは動画を見返すまで忘れていたので、本当に答えが浮かばなかったんだと思う。
あぁ、強くなるとまでは言わないが大喜利ができるようになりたい・・・。
2回目の追放会議、僕は自ら占い芸人であることを名乗った。
するとどうだろう、先ほど滑狼とわかったにっくんが自分も占い芸人だと名乗ったのだ。
敵の総大将の首を取ったが如く、僕は興奮し、頭に血が上るどころか全身の毛穴から血が噴き出るほどヒートアップした。
本当ならクールな名探偵のように理論的ににっくんが滑狼であることを証明したかった。
でも実際はどうだろう。
映像では音量は抑えられているが、後輩のにっくんに大声をあげ、早まった勝利を確信した愚かなピン芸人がそこにはいた。
追放会議ではほとんどの芸人がにっくんを指名する中、すゑひろがりずの2人だけは寺内を指名した。
この時僕の中では疑いが確信に変わり始めた。
明らかににっくんが怪しいという流れになったのに、にっくんを指名しないのは何故か。
ちなみに三島さんは大喜利がおもしろいことだけでなく、会議の時も終始頭に「?」マークが浮かんでいるのが見えたため、僕の中では早々に滑狼候補から外されていた。
しかしこの時、三島さんが僕の想像以上にピュアだったこと、そして相方を盲目的に愛する人だとは、僕はまだ知らなかったのだ。
長くなるので次回に続きます。
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