「RIP」とは何か

DTP、製版、印刷に関わっていると、「RIP」(呼び方は「リップ」です)という言葉をよく見聞きします。「RIP」とは、「Raster Image Processor」の略称です。その役割は、「ラスターデータを生成する装置・ソフトウェア」になりです。

“RIP=Adobe PostScript”ではない

勘違いされやすいのは、“RIP=Adobe PostScript”ではないということです。RIPと書いてあるからAdobe PostScript 3だろう、Adobe PDF Print Engineだろう、と直線的に繋いでしまうことは違います。
あくまでRIPは印刷ジョブをラスターデータ化するためにあるもの。その方法としてAdobe PostScript 3技術を使ったCPSI(Configurable PostScript Interpreter)やAdobe PDF Print Engineがあります。

俗に互換RIPと呼ばれるものとして「Harlequin RIP」もあります。「Harlequin RIP」は、Harlequin社が開発・販売していたRIPです(199年にGlobal Graphics Softwareが買収し、現在に至ります)。Adobe社純正ではありませんが、PostScriptファイルやPDF、JPEGなどを解釈でき、主要なページ記述言語も取り扱えます。
大判インクジェットプリンタ(ガーメントやテキスタイル、サインディスプレイ用途)などのRIPとして、現在でも使われています。

とりあえず、RIPとはページデータをまるっと印刷用のラスターデータに変換する装置であり技術であり処理そのものを指している総称、と覚えておくと良いかもしれません。



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