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はじめてのTRPG(ソロ)でニンジャになる【ニンジャスレイヤーTRPG】

ニンジャスレイヤーTRPGが面白そうだったのと、ニンジャメーカーで素晴らしいサンシタニンジャが発生(10/28作成)したので、初心者向けソロアドベンチャーをやってみました。メモ用紙代わりにnoteに記述しながら進めていくハイテックなシステムを採用。一応、1部ソウカイヤ所属でソニックブーム=サンが上司になる?って設定だけは、うっすらと把握しています。
★初心者向けソロアドベンチャーとは、ダイハードテイルズさんのこれのことです☆
https://diehardtales.com/n/n95cd0549597d

なおも勢いを増して降り灌ぐ重金属酸性雨が、高層廃ビルディングに響く銃声を奥ゆかしく包み隠す。身体に空いた無数の穴から、急激に体温が抜けてゆく感覚。傷口は灼けるように熱かったが、痛みを少しも感じることがなかったのは、あるいはブッダの慈悲であったのかもしれない。

ケチなビズ、ケチな人生だった、彼はそう振り返る。後ろ暗いながらも、堅実に、危険には踏み込まずに生き抜いてきた。嗅覚には自信があった。今回はただただ、不運だった。

とある人気アクションスターがここ最近頻繁に、通りすがりのオーエルを拉致拘束して強制前後に勤しんでいるという噂。ひいきの犯行現場も特定済みの、確かな情報だった。だが彼は、犯行を未然に防ごうなどとは考えていない。そのようなリスクしか生まない行動は、英雄気取りのタフガイに任せておけば良い。行為中の姿を写真に収めることこそが、彼の目的だった。

無論、犯行現場をおさえて通報したところで、それがスキャンダルへと発展することはない。ケオス渦巻くネオサイタマにおいて、この程度の犯罪はありふれたことだ。力を持つ事務所にとって、事件を握りつぶすのは日常の延長線上でしかない。買い取ってくれるのは三流ゴシップ誌ぐらい、しかしそれ故に競合は無く、上手く売り込みさえすれば一週間分のトーフとフィルム代にはなる。こういった立ち回りに関してだけは、彼は自信があった。

件の退廃ホテル路地から300メートル離れた廃ビルディングの高層階、長大な望遠レンズを構え、全体を俯瞰しながらシャッターチャンスを待つ。降雨は激しく、人通りも少ない。犯罪行為には格好のシチュエーションだ。ふとその時、ホテル屋上で身じろぐ複数の影が視界の隅に入る。好奇心を覚えた彼は、カメラを上へと傾けた。

屋上の影は、左右合わせて8つ。左手には、深くオジギをする3人のヤクザ。向かい合うは、背格好の似た4人のヤクザ。そしてその後ろに立つ、威圧的な影は。「......ニンジャ?」

目を逸らすことができなかった。恐怖に呑まれる。全身の肌が粟立つ。「ニンジャ?ニンジャ、ナンデ?」ズーム倍率を引き上げる。ニンジャの姿が、電子ファインダーに大写しになる。メンポが、黒帯が。「アイエエエエエ!」急激な恐慌状態に陥り、震えた手のひらが、偶然レリーズを握りこむ。

カシャッ!「アイエッ!」気付いた時にはもう遅かった。窓の外は重金属酸性雨が降り注いでいる。豪雨と言っても良いほどの勢いで。それにも関わらず、シャッター音のほんの0コンマ1秒後、そのニンジャは、確かにこちらを睨み返してきたのだ。彼は、しめやかに失禁した。

短い気絶から醒めた彼は重量級機材の撤収に手間取り、クローンヤクザの襲撃をまともに受ける破目になった。所詮下劣なパパラッチでしかない彼はなんら抵抗もできず、全身に銃弾を浴びて血の海に沈んだ。大股の足音が近づいてくるのを意識の端で聞き取りながら、彼の思考は白い靄となり、沈んでいった。

次に気が付いたとき、彼は真っ白な空間に一人立ち尽くしていた。そして一呼吸の後、神託めいた厳かな声が彼のニューロンに響き渡った。

あなたはニンジャです。
You are a ninja.
https://shindanmaker.com/1028587

目の前に、青く枠がかけられた神秘的なホロ映像が浮かび上がる。「なんだ…これは。名前を、入れろと?」導かれるままに文字を運び、「診断する」と書かれた奇妙なボタンに手を伸ばす。パワリオワー!謎めいたファンファーレが、どこか遠くから聞こえてくる。

...あなたはニンジャです。
...You are a ninja.

厳かな声が再度響く。突然の眠気が襲う。意識がまどろみ、再び白い靄の中へと落ちてゆく...。

「ッ!カハッ...」目を覚ました彼は、喉にへばりついた血の塊を吐きながら、ゆっくりと体を起こした。既に傷口の熱さは感じなかった。それどころか、全身からみなぎるエネルギーを感じる。「まるで…ニンジャのような...」

「そうだな、ドーモ」頭上から声。一瞬遅れて、本能が全開の警鐘を鳴らす。跳ね起きようとする彼を無慈悲なカラテで踏みにじり、声はアイサツした。「ソニックブームです」

ソニックブームと名乗るニンジャは有無を言わさぬプレッシャーを放ち、威圧する。「いいか、一度だけ説明してやるから、チャンと聞いとけ。お前はニンジャになった。運がよかったな。だが自惚れるなよ、ニンジャなんて沢山いるンだ。裏の世界にはな」事態を飲み込めていない彼に畳みかけるかのように、ソニックブームは続ける。

「お前にとれる選択は二つ。ソウカイヤクザとして社会貢献するか、ここで爆発四散するかだ。選べ。今すぐに」

選択肢はなかった。だが彼にとって、特に忌避すべきことでもなかった。もともとダーティな仕事も多かったのだ。フリーランスから組織に、そしてニンジャに、大きな違いではあるが、そこが変わっただけだ。「......ドーゾ、ヨロシクオネガイシマス」彼はこなれたドゲザ姿勢で、奥ゆかしく忠誠を誓った。

にしむら=サン、おまえはニンジャになった
ドゥームゴースト
【カラテ】1
【ニューロン】3
【ワザマエ】4
【ジツ】1(カトン・ジツLv1)
【体力】1
【精神力】3
生い立ちスキルは『○下劣なパパラッチ』。初期装備はトロ粉末。サイバネはなしだ。

◆◆◆◆◆◆◆◆

「ドーモ、モーターロクメンタイです。大丈夫、私がナビしますよ」起動された立方体は丁寧にアイサツを行うと、奥ゆかしく浮遊した。原理はわからない。オムラのテクノロジーだ。このガジェットの試用も今回の任務の一つと聞いている。

「ドーモ、ドゥームゴーストです。ヨロシク」小声でアイサツを返す。既に重点ターゲットの近くだ。彼は物陰からデータセンターを注視する。玄関前に警備が一人、見慣れた相手だ。「クローンヤクザY-10型。1体。ショットガンを装備。なかなか危険ですね。スリケンによる排除を推奨します」

スリケン。ニンジャの使う、危険な星形投擲武器だ。ミッションに際してソウカイヤから支給を受けている。まずは肩慣らしといったところか。

懐から取り出したスリケンを指で挟み、顔の横に構える。狙うは、額。内なるカラテを高め、トレーニング通りの軌跡で腕を振りぬく!「イヤーッ!」

判定【ワザマエ】【能力値4】出目4以上で成功!
【3】【3】【1】【1】 …失敗!

理想よりもリリースが遅い!放たれたスリケンは狙いを逸れ、クローンヤクザを股抜きして壁に突き刺さる!「アッ!力みすぎた!」「ダッテメッコラー!」ショットガンヤクザの反撃!BLAMN!「ザッケンナコラー!」散弾が迫る!

判定【ワザマエ】【能力値4】出目4以上で成功!
【6】【1】【3】【3】 …成功!

焦りを振り払い、冷静に銃口を見つめる。飛び来る散弾が、粒の一つ一つまで、尾を引く軌跡で視認できる。考えるよりも速く、体が動く。「イヤーッ!」隙間を縫うような、流麗なブリッジを形作る!全弾回避!

流れるように体を起こし、強く踏み込む!ヤクザがポンプアクションを行う間に一足に距離を詰め、チョップで首を撥ねにゆく!「イヤーッ!」「アバーッ!」クローンヤクザは緑色のバイオ血液を噴き出して即死!「クソッ、最初からこんなかよ...」緊張が解けた彼は、大きく呼吸した。

「スゴイ!見事に回避しましたね。かすりもしません!」ロクメンタイは大げさに褒め、次の行動を指示する。「侵入はこの正面ドアから行ってください。鍵がかかっているようですが...方法はお任せします」

機密情報を扱うデータセンターというだけあり、重量級の頑丈そうな扉が据え付けられている。ドアノブには電子認証部付きの鍵穴があるが、当然一筋縄では行きそうにもない。「ニンジャならカラテ!といきたいところだが、いやはや俺にはな...。強いて穴を探すとすれば、ハッキングには弱そうに見えるが...俺の専門じゃないな。結局、今まで通りにするしかないのかね」彼は自嘲気味に笑うと、使い込んだ跡のあるピックを、懐から取り出した。

判定【ワザマエ】【能力値4】出目4以上で成功!
【3】【1】【2】【6】 ...成功!

...カチリ。額の汗を拭う。想定以上に難解な物理錠は、ニンジャの感覚を総動員してようやくの開錠だった。この施設のセキュリティは事前情報よりも堅い。気合を入れなおし、静かに扉を押し開く。

小さな玄関を抜けた先、すぐに広い部屋が現れた。UNIXサーバールームだ。涼しく薄暗い空間の中で、無数のUNIX光がホタルめいて明滅する。「見掛け倒しか、意外とあっけなかったな」中央マザーUNIXに接続を試みようとしたその時、ニンジャ第六感が警鐘を鳴らす!「スッゾコラー!」物陰から警備クローンヤクザ!ドスダガーを構えて突進!カラテの間合いだ!

彼はニンジャではあるが、カラテにさほど秀でてはいない。「踏ん張りどころか...!」精神を集中させる。ニンジャアドレナリンが分泌され、主観時間が泥めいて鈍化する。クローンヤクザが1体、他に周囲に敵影無し、ドスダガーを右脇に構え、2メートル、1メートル、ワンインチ距離。半身をずらして右腕ごと脇に挟み込む。反撃、股間に膝。

判定【カラテ】【能力値1】出目4以上で成功!
精神力消費【3】→【2】 判定不要!

「イヤーッ!」「アバーッ!」時間感覚が戻る!クローンヤクザは盛大に痙攣し、仰向けに倒れて死亡!「...ッ、フー...。おっ、こいつは...」ヤクザの懐を抜け目なく漁る。金目の物が出てくる。役得だ。

【万札】【0】→【1】

再びマザーUNIXに向き直る。ハッキングに成功し、未公開株券を奪取すれば、めでたくミッションクリアだ。UNIXを簡単に検めたロクメンタイが情報を追加する。「このUNIXは未公開株券だけでなく、デスシャドウ・ヤクザクランの銀行口座とも紐づけられているようですね。当然セキュリティはより厳しくなるでしょうが...貴方の判断にお任せします」

選択肢は増えたが、答えは決まっていた。堅実にやる。任務はあくまでも未公開株券、それさえ達成すれば評価には影響しない。口座までハックしなかったとしても、紐づいているという情報そのものに価値がある。報告すれば、いずれもっとハッキングに適したニンジャなりハッカーなりが、ソウカイヤから新たに送られることだろう。

「ここで俺がリスクを負う意味は無い。リスクヘッジだ。今回は未公開株券にアクセスを試みる」「わかりました。幸運を」垂れ下がったケーブルを解き、物理キーボードを展開したモーターロクメンタイをマザーUNIXとLAN接続する。

判定【ニューロン】【能力値3】出目4以上で成功!
【5】【4】【2】 ...成功!

キャバァーン!UNIXと繋がったモニタが点灯し、戯画化されたウサギとカエルが「ようこそ」と微笑みかける。管理システムにアクセスし、未公開株券の所有権を手早く移す。痕跡も完全に消し去ったうえで。ニンジャのタイプ速度の為せる業だ。

【万札】【1】→【11】

「お疲れさまでした。ミッションは達成されました。帰還し、報告してくださいね」接続を解除するとほぼ同時に、表通りからNSPD武装パトカーのサイレン音が鳴り響いてくる。退路は常に確保している。経験が生きているのだ。彼はしめやかに、ネオサイタマの闇へとその身を溶かした...。

ソロアドベンチャー 【無事に終了】 楽しかったです。ありがとうございました。ニンジャは保存しておきます。

ドゥームゴースト
【カラテ】1
【ニューロン】3
【ワザマエ】4
【ジツ】1(カトン・ジツLv1)
【体力】1
【精神力】3→2
生い立ちスキルは『○下劣なパパラッチ』。初期装備はトロ粉末。サイバネはなしだ。

ドゥームゴースト=サンの活躍まとめマガジンです!

https://note.com/nishimura_8492/m/m1e49b602c43a


〇感想〇
とても楽しかったです。ダイハードテイルズさん、ニンジャスレイヤーさんに深く感謝申し上げます。ニンジャメーカーでのキャラメイクで、「生い立ちスキル:下劣なパパラッチ」というニンジャが生え、たいへんサンシタ味に溢れていて面白かったので、ソウル憑依あたりから妄想しました。結果、愛着も湧きました。ステータスも全体的に微妙な感じですけど、今回の任務とは割と噛み合っていてありがたかったです。体力1というのが緊張感ありました。1発目のサイコロで4回振って失敗したせいか、それ以降のダイスロールの緊張感たるや...。他にもソロ向けのものがある?ようなので、まずはそちらからいくつかプレイしてみたいです。

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