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5つのバリューに込めた思い

パーパスに引き続き、バリューについても解説していきたい。
そもそもバリューとは、「何を大切にして日々行動するのかを言語化した、会社としての価値観や行動基準」であると定義している。
当社の場合、5つのうちどれかが欠けていたら、それは「当社らしくない」ということであり、メンバーに対してもかなり丁寧にそれぞれの意図は説明し、落とし込んでいる。

尚、解説に入る前に、バリューを落とし込むための一つの仕組みを紹介する。
当社では四半期ごとに私を含む会社メンバー全員による360° survey(※)を実施し、その中で各バリューをその四半期でどれだけ体現できたかの自己評価を集計・分析している。
(※)評価のために行っているものではなく、バリューへの自己評価と、各メンバーへのフィードバックを目的としたもの
これは非常に有意義な取組みであると実感しており、バリューのどれかの自己評価が下がった時、それが個人の環境変化やモチベーション変化などを表していることが多く、フィードバックや自己分析のためにとても役に立っている。
機会があれば、四半期ごとの会社全体のバリュー体現度の統計も紹介したい。

前置きはこの辺にして、バリューの解説へ。


Quick & Elegant : 素早く、上質に
Sophistication : 細部までこだわる
Delightfulness : 楽しみ、楽しませる
Ingenuity : 創意工夫を凝らす
Autonomy : 自由に、自立する

西牧アンドカンパニーのバリュー

Quick & Elegant : 素早く、上質に

ピンと来た方も多いのではと思うが、これはコンサル業界でよく使われる”Quick & Dirty”のオマージュである。
多少完成度は低くても極力速く形のあるアウトプットを作ることで、手戻りを防ぎ生産性を高めていくための行動様式が”Quick & Dirty”であると認識しているが、我々はQuickかつElegantにやろうという意図で後半を改編した。
Quick & Dirtyを自らも意識して行動していたことがあり、それをマネージャーとしても推奨していたことがあるが、その際に感じたこととして、一旦Dirtyに作ったものがDirtyなまま最後まで残ってしまうことが時たまあった。(引っ越しの際、最初にとりあえずで配置した家具の位置が結局しばらくそのまま採用される的な事象に近い)
当然、ハナからDirtyとは言わずにElegantに作れればそれに越したことは無い。
考え方として、当社では、Quickに行動するための能力を日々鍛錬し、そういった意識付けも徹底していることは前提で、ハナからElegantに作るための手の速さをテクニックであったりツールで解決するということも意識している。(ただし、Dirtyで良いこともあることにはあるのでケースバイケース)
些末な話ではあるのだが、当社メンバーは相対的にタイピングのスピードはかなり速いと思うし、Officeツールの機能もかなり深いところまで使いこなしていると思う。
実際クライアントからも、「この短期間でこのレベルのアウトプットが」というお褒めの言葉を頂けることが多々あり、そのたびに心のなかではガッツポーズをしている。

Sophistication : 細部までこだわる

コンサルタントとして当然、思考を凝らし、緻密なアウトプットを作成するという行動様式は必須要件であると考える。
「こんなもんかな」というレベルから、直前まで何度もチェックをしたり、もっと良く出来ないかを模索して欲しいという思いを込めたのがSophisticationである。
それは数字もそうだし見た目もそうだし、言葉もそうである。特に、言葉へのこだわりというのは強烈に意識している。
我々はアーティストではないので、音やイメージなどで付加価値を出すプロフェッショナルではないと自覚しており、最終的に何を以て人の心を動かせるかというと、それは言葉の力である。
言葉にこだわる、ということはまた別の記事で書きたいと思う。
また、細部までこだわれるということは、そのための余裕を持った計画を立て、セルフマネジメントするという行動規範にも繋がる。
ただ実は1期目を終え、各メンバーの自己評価が5つのバリューの中で最も低いのがこのSophisticationであり、今後の伸びしろであると感じている。

Delightfulness : 楽しみ、楽しませる

日本語の順番が重要で、まずは自分たちが楽しみ、そして関わっているステークホルダーを楽しませるということを意味している。
自らが楽しいと感じられない仕事や環境では、他人を楽しませることは出来ないと考えているからだ。(本質的に我々はエンターテイメントの道のプロではないので)
コンサルティングという仕事の性質上、正直に言うと心から楽しめないような瞬間もあることにはあるのだが、その中でも何か別のベクトルでモチベーションを見つけて楽しみに昇華して欲しいという、経営者としてやや身勝手な希望も含めている。
また、関わっていただいているクライアントにも、我々と共同で行うビジネスを楽しんでいただきたいと思っている。
西牧アンドカンパニーと仕事するとなんかワクワクするよねとか、こいつらと仕事しているとあれもこれも色々やりたくなるなとか、クライアントにそう思ってもらえることが少しでもあればとても嬉しく思う。

Ingenuity : 創意工夫を凝らす

パーパスで解説した「知恵」にも繋がるところがあるが、ネットで調べたらすぐ出てくるような知識の切り貼りや、ビジネス本に書いてあるようなフレームワークへの当てはめではなく、そこに少しでも独自の味付けをして爪痕を残して欲しいという思いを込めた。
つまり、クライアントでも時間さえ掛ければ出来るようなことの代替には極端に言えば我々の存在意義は無く、西牧アンドカンパニーにお願いしないと出てこないインサイトやアウトプットを創造しようという行動規範だ。
決してそれはイノベーティブなものである必要はなく、そうでなくてもクライアントが「我々の事情にフィットしたカスタマイズをしてくれている」などと感じていただけることがあれば、少しニヤっとすると思う。

Autonomy : 自由に、自立する

私がマイクロマネジメントをされたくないし、したくないと思っており、当社のメンバーにも自由闊達な行動や発想を促したいという意味を込めた。
極端に言えば、当社のメンバーにはサラリーマンであるという意識を持って欲しくないと思っている。(2024年秋時点のメンバーの顔を思い浮かべると、恐らく誰もそう思っていないと思うが)
プロ野球選手の話をよく例として取り上げるが、彼らは個人事業主として球団と契約し、プロとして自己研鑽に励み技術を磨きながら、試合の際にはチームとして有機的に個と個が連鎖し、最大限の成果を発揮している。
当然我々はプロ野球選手とは雇用の条件は異なり、従業員がよっぽどの背信行為などをしない限り自由契約のようにクビにすることはないし、何かあれば西牧アンドカンパニーとしては従業員を徹底的に守るのだが、それでも心のなかでは自立した1人のコンサルタントないしビジネスマンとして振る舞って欲しいと思っている。
私が出したバントのサインを無視してヒットエンドランを敢行したとしても、それが自ら自立して考えて取った行動であれば、成功か失敗かは問わず評価したいというスタンスだ。


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