なぜヘロインは薬物の「女王」と呼ばれているのか?
ヘロインとは
ケシという植物の液汁を煮詰めアヘンを作り、そのアヘンからモルフィネを抽出し、モルフィネの水酸基を酢酸とのエステルにしたオピオイド系麻薬に属する薬物である。
(アヘン、モルフィネも薬物である。ヘロインは2つの最終進化形と考えると分かりやすい)
静脈注射が一般的な乱用方法であり、摂取後すぐにラッシュ(もっとも気持ちよさを感じる状態)を体験する。
薬物の危険性を最高3点として数値化した研究によると、ヘロインは多幸感が3点、精神的依存が3点、身体的依存が3点、3つの平均が3点の唯一の薬物である。
ヘロインの「気持ちよさ」について
ヘロインはなぜ「気持ちよい」のか
それは、静脈注射したヘロインが血液を巡り、脳内のオピオイド受容体と結合することによって多幸感を感じるからである。
本来オピオイド受容体とは、大きなケガをした際に一時的に痛みをオフにして危機を回避するための脳の機能であるが、これを薬物によって無理矢理作動させるものがオピオイド系麻薬であると言える。
ヘロインの多幸感を、ある人は「全身の細胞で射精をしている感覚」またある人は「一生のうちに感じる全ての気持ちよさを超える気持ちよさを一瞬で感じることができる」と称した。
なぜ「王」ではなく「女王」なのか
ここからは自分の独断と偏見が入ることを許して欲しい。
ヘロインは植物由来である。人類は女性を植物で例えてきた歴史がある。例えば、若さの美しさを花に、身体を果実に例えてきた。
また、ヘロインは最初の一回目の乱用の際は全身にダルさを感じ、眠気、鼻水、大量の汗をかき、手が震え、「これから何が起きるのか」という不安に苛まれる。耐性を得て、二回目の乱用の際に一転し、全身が多幸感に包まれる、と言われている。この耐性は数週間で失われてしまう。好意を向ける男を試すような女性らしさ、耐性を失わないためには常に「構ってあげないと」いけないような女性らしさがある。
最後に、ヘロインは依存状態に陥ると、他の薬物の快楽が極端に感じにくくなる、という特性がある。他の薬物に嫉妬するかのような、まるで、「自分以外を見ないで」と言っているようである。
どの特性を見てもヘロインから女性らしさを感じてならない。
これらが、ヘロインが「女王」と呼ばれる所以である。
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