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2024年 7月 みたもの
私が邦画結構好きなのもあるんですが、なんか最近洋画全然見れてないんですよね。見たいもの多いんですがね~。
あんのこと
実際に起きた事件をモチーフに、決して楽ではない人生を送る一人の女性について描いた作品。
コロナ禍の折。生きる道を閉ざすしか無かった1人について書かれた新聞の紙面の一節からインスピレーションを受けたこの映画は、監督の意思と想いが本当に強く反映されているように思います。
本来であれば誰にも知られることの無い立場の人がこの世には存在しているということ。予想外で防ぎがたい危機が起こったとき、その影響を強く受けて世界から消えることを強いられてしまうのはそのような立場にいる人であることが多いということ。それを考えることを怠ってはならないのではないかと感じていること。
そして何より。人生が絶望で塗り固められていたどのような人でも、その生には意義があったのだと。
希望があり、喜びがあり。その人がまた他の名も知れぬ誰かの希望になっていて欲しいのだと。
我々は。偶然こうして人生を歩いてゆけている、彼女に何も出来なかった、ただ、彼女の人生を想像することしか出来ない我々は。
他者の傲慢だと思われようと構わずに。せめて彼女の世界に希望があって欲しいと強く祈ることだけは赦してもらえないだろうか、と。
或るひとりの尊ぶべき人生を祈る。祈らせて欲しい、と切望している作品なのではないかと。私にはそう伝わりました。
劇中でショッキングな展開があるのですが(まぁ全編ショッキングではありますがそれはさておき)、後で知って吃驚、現実に起こったことらしく。
中々とんでもないな、救いのない話だなと思ったものですが、現実から目を逸らさないことがテーマの根底にあるからこそ、そのことを含めてスクリーンに映る事象のバランスがとれていると言いますか。一貫してるんですよね。
それについての以下の記事のレビューがとてもいいので、気になったらご覧になってみてもよろしいかなと。
朽ちないサクラ
記者の友人を持つ警察事務の女性が主人公。その友人が死んだところから、組織に疑問を持った主人公が真相を探っていくミステリーな映画。
何と言いますか、堅実な映画だったなという印象。安田顕という役者はやっぱりよいですな。
最後までしっかり楽しめました、黒幕の真相に対しての緊張感がありましたしね。
「また宗教か~~~~~」ってなったのは否めない。いや別にそんなに宗教ネタにしてるミステリが突出して多いわけじゃないんだろうけど……。
まぁアレです、総じて「つまんなくはない」です。
数分間のエールを
我らが花田大先生の関わる劇場作品。MVを作ることに情熱を燃やす高校生の物語。
“モノづくり”の苦悩と喜びを、花火がなだれ込むような怒涛のアニメーションで描き出す傑作です。
青春の危うさと表現への賛美が無計画に積み上げられていった結果、クリエイターの荒々しい魂が惜しみなくぶつけられるこの爽快感。劇場で浴びることが出来て良かった。
最後に流れるCYANの心地よさと言ったら無いですよ。
この作品の中で、ミュージックビデオという存在は、重ねる曲を応援する手段である と語るシーンがあります。
正にその構造を体現するかのように感じたのが「CYAN」なんです。
「未明」というMVを作り上げる様をまるでMVかのようなテンポで表現したが「数分間のエールを」という作品であり、「数分間のエールを」という作品にエールを送り彩っているのが、主題歌の「CYAN」なのではないかと。
全体的に本当にテンポが良く話が展開されていくので、昨今では少し珍しい70分弱という尺が嘘のように密度の濃い時間が観る者を魅了していきます。すごい。
私はあまり創作をする人間ではないしクリエイターに凄い憧れがあるのですが、この作品の「MVは曲を応援するために作る」というマインドが多少なりとも理解出来るんです。まさにそういう気持ちでこのnoteを書いている節があるので……。
良いモノを見たら、何か自分でも発信したい。良いモノを誰かに伝えたい。今思うとそれが表現の源流なんだなぁと、思わせてくれました。
コードギアス 奪還のロゼ 3章
ロゼ、本当に面白いです。大好き。
Twitter(現:X)で少し気になる記述を見かけたので亡国のアキトを見てから観に行ったんですけど、本当に良かった……。
ずっとコードギアスなのがまず嬉しいし楽しい。
そしてここにきてまさか、奪還のロゼという作品がコードギアスユニバースの集大成になるなんて思いもしなかった。相貌のオズも読まなきゃ……(使命感)
予告で流れた、「ナイトメアフレームに乗れる者を少しでも多く集めるんだ!!!」みたいなセリフがあったじゃないですか
あれ、だ~~~~~いすき。
もうあの1カットだけで全部わかっちゃうもんな~~~~~~~!!!!ありがとうコードギアス。最終章本当に楽しみ。
舞台 トワツガイⅡ
チケット取ってなかったんですが、やっぱり現地で見たかったところで当日引換券がまだあったので予約。
いや~~~~っぱり、観に行って良かった。好きなんだよなぁ
やっぱりぼくは共謀のツガイの関係がね……好きなんですよね……でもゲームやってないんですね……。見なきゃとは思うんですけどね……。
この手の作品、舞台に上がる人数がどうしても多くなっちゃって感情の満漢全席になっちゃいがち。見慣れてるとは言えいつも思うんですよね、早セリフが、多い。
しっかし本当にこの公演で度肝を抜かれたのはアンサンブルなんですよね。
カーテンコールで見えるじゃないですか、出演者。少ないんですよ。
本当に凄いですよこの座組のアンサンブル。衣装替えも多いし、動きも激しい。公演中に見えていたアンサンブルから予想する人数と実際の人数がね、合わないんですよ……。あんなに少ない人数でどうやって回してるんだ……。
またやって欲しいなァ。
『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』
『爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』
毎年恒例夏映画!!
ブンブンジャーは本編もそうですが真面目な作り。
アクションは贅沢、敵怪人はすっきり倒せるような気持ちのいい悪役、ヒロインはかわいいし、安心して見ていられる。ニコーラちゃんは本編にも出て来そうですね。
ガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク! こいつは凄い映画ですぜ……。
本編にて、タイムスリップしてきた未来の自分によって危機を脱したことで世界線が分岐。
そもそも過去を変えて自分の世界を良くしようとタイムスリップしたのに、改変ではなくて世界が増えたから自分の世界は救われてなかったっていうだけで過酷すぎて泣いちゃう。
ヒーローの心が折れたときに誰がヒーローをヒーローに立ち直らせるかというのは王道の展開のひとつ。
ヒーローの心を再び燃え上がらせるのが過去の自分そのものだというのは、とてもアツい。
過去の自分とはつまり原点回帰。ヒーローであることのオリジンを思い出すということ。
ガッチャード本編とは趣の違う、血なまぐささのあるアダルトな風味がまた良しなんですね……。
私が一番好きなのはデイブレイクケミーのみなさん。
絶望から変わってしまって素っ気ない態度をとる宝太郎にも、20年連れ添って一番近くで一緒に戦い続けたホッパー1をはじめとしたケミー達。
デイブレイクが再び輝き始めたとき、それは彼らがどれだけ待ち望んだ瞬間であっただろうか……。ということを想って泣いちゃう。
デッドプール&ウルヴァリン
みんなオーバークォーツァーだっていうから見たら本当にオーバークォーツァーで心の底から笑った。
デッドプールっていうコンテンツだからこそ滅茶苦茶しても受け入れられるし、そこに大資本の後ろ盾が出来ちゃったもんだからもう何しても怖いもんなしの奇跡の作品が出来上がっちゃってるのが本当に面白くて……。
ましてやその上、アメコミの歴史を本当に文字通りデッドプールが背負っちゃってる。ハチャメチャの無法だけれど、そこには確かに今まで紡いできた歴史がある。それがメタ的なアプローチからも、本筋のストーリーのひとつであるウルヴァリンの再生というアプローチからも伝えられてくる。ここにきてヒーローの原点回帰がガッチャードから続いているの、不思議な偶然ってかんじでいいですね。
アメコミの知識って私そこまで多くなくて。
XMENシリーズとか全く見てないし他の膨大な小ネタも多分あまり拾えてないので悔しいところではあるのですが、運のいいことに仮面ライダーが好きだったのでこういう流れの作品の楽しみ方の心得を持っているんです。
ファンサービスの雨あられ。2024年にまさかこのヒーローが、あの小ネタが観れるなんて思わなかったという感動が視聴者それぞれにあるということに想いを馳せる。作品の地層の一端を垣間見ることの面白さ。
単一の作品では無く、ここに至るまでの軌跡を感じるのが素敵な体験だというわけなのですね~。
劇場の物販のデップーコーナーにロキのグッズが置いてあったのも、中々傍若無人でデッドプールらしいなと微笑んだのもいい思い出です。
それでは、来月も面白い作品に出会えることを願って。