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2025年 1月 みたもの

 2025年に入りましてね!! 
 今年も素敵な作品に出会えることを願いつつ、やっていきます。



カルキ 2898-AD

 今年、2025年の映画はじめはこちら、カルキ。
 「バーフバリ」シリーズのプラバースの最新作ということで。なんだかんだバーフバリ以降のやつは見てないんですけれど、予告でも見れた毎度おなじみダイナミックさ満載の映像。ワクワクで観に行きました。
 
 期待を裏切らない押し寄せる味の濃い演出の数々。インド映画って魂を揺さぶる根源的な情熱みたいなものを実直にぶつけてくるのが気持ちいいんですよね。

 中身はというと、とにかくパキッとしたアクションが目を見張ります。
 そして近未来的、かつ荒廃した世界観に没入できるような背景美術と衣装の完成度の高さがなんとも映像への没入感を産み出します。う~む流石のひとこと。

 中盤少し準備パートがダレてしまったところはあるものの、いよいよラストバトルパートで主人公のバイラヴァが動き始めたときの昂りったらないですよ。目がキラキラになっちゃう。

 全体的にボリウッドでスターウォーズみたいなの撮ってやろう!!! みたいな印象が強いですがそこはインド産、神話がベースになった英雄の反逆物語ど真ん中って感じです。 これまで見たときも思ったけど、我々が戦国武将を引き合いに出すくらいの感覚でインド神話が引き合いに出されるのでやっぱり少し勉強したい気持ちになった。

4thスタァライブ ”Starry Ocean”

 ナンバリングライブはなんと丸々5年以上ぶりとなるスタァライト。それまでにイベント自体はいっぱいやってるのでそんな気もしませんでしたけれど、そうなのです。

 かつて日本中を熱狂の渦に叩き込んだ劇場版少女歌劇レヴュー スタァライト。あれだけの話題になったにも関わらず、コロナのあれこれもあったりして、それ自体を引っ提げてナンバリングライブが出来なかったんですが(オケコンは2回やってるけど)、こんかいのライブでついに劇ス楽曲のレヴュー仕立て披露が来たんですよ!!!!!

 もう本当に最高だった……年始からこんな贅沢なことをしていいのか客席で混乱してましたよ私は。

 しかし劇スからこっち新曲も多数増えて様々な展開を行ってきたスタァライト陣営。三森すずこ氏が渡米したこともありただ劇スのライブをしたわけではなく “劇場版を経た上で改めて劇場版楽曲を再演する成長した九九組のメンバー” を描くというのが何ともニクい演出………!! 
 たとえ同じ演目でも、上演するたびその表情を変え観客を喜ばせる舞台芸術をモチーフにしたスタァライトだからこそ効果的に演目として成立させることが出来る。本当にもうお手上げなんです。ずっとヘンな顔して笑って声出してしまいました。
 まさか、もうどこか諦めていたものを2025年に目の前で、さらに輝きを増した演者たちが想像していた以上に迸る様を目前に浴びることが出来るなんて本当に思っていなかった。ありがとうレヴュースタァライト。ありがとうパチンコマネー。

ビーキーパー

 ま~~~~じで最高なんですこの映画。

 まぁ基本的にはステイサム映画と言って想起するものであることに間違いないんですけれど、この手の作品って言うのはそのお約束的な面白さをどこまでお膳立て出来るかというところにかかっているんですよね。素材が似ているわけなので。

 そこに来るとこの作品。まずは悪党がとにかくカス!!! 何の憂いも無く心置きなくステイサムにぶっ殺されてくれという気持ちを冒頭でしっかりと出してくれる。ここはかなり大きいところですね。
 なんの落ち度もない、心根も清く潔白なご婦人が詐欺被害に遭ってしまうところから始まるわけです。
 主人公アダムは彼女の優しさに心の底から救われ、序盤のふたりのやりとりはごく短い時間ながらも見ていて穏やかな気持ちになれるいい演出。だからこそ悪党には酷い目に遭ってほしいと見ているこっちも思いますし、アダムが全てを投げ打ってまででも復讐することに納得もすると。こういう寸法なわけですな。

 そして肝心のみんな大好きアクションシーンも欠かせません。入念に用意した道具に加えて、その場にあるものを臨機応変に使った画面に飽きの来ないめくりめく暴力。
 基本的には超人なので一騎当千の活躍を見せるアダムですが、ラストバトルではしっかりと苦戦するような盛り上がりも備えて最後までバイオレンスたっぷり。 私はステイサム作品に詳しくは無いですが、今まで見てきた中ではトップレベルで好き作品でした。

ライオン・キング ムファサ

 一番印象に残ったのはティモンの吹き替えが上手すぎるということみたいな話があるんですが普通に楽しめた前作。
 今作では前作で序盤に討たれてしまったムファサ王の建国当時の逸話を、ムファサ王の孫にあたる子供に伝え話すという形で描きます。

 前作ではシンプルに敵であったスカーの深堀りがありまして。私はライオンキングの知識が前回の映画だけしかないので、これまでただの悪党としか思えなかったスカーに親しみが湧いていいですね。まさか女を取られた腹いせに玉座を奪うなんて、なんて俗物的なんだ……。

 あとはまぁ手堅い構成というか……いや、映像は間違いなくすっきりしててキレイなのは間違いないんですけど。綺麗すぎてひっかかりはあまりないというか……。死ぬほど綺麗な出来栄えのオムレツみたいな……。 
 映像面の話だと個人的にすごい思ったのは、1カットだけドアップでミツバチが映るカット。毛並みがふわっふわでうごきもぴょこぴょこ可愛くてね……。あれは本当にこだわりが見えた。多分私が感じ取れていないだけでその他も全編そんな感じなんだと思う。良作です。


 今作のボスであるキロスは吹き替えが渡辺謙氏の担当なわけですが、彼がミュージカルパートで歌う「Bye Bye」の最後につぶやく「バイバイ」の色気が凄まじいというところだけ置いておきます。エロすぎる。

劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師

 忍たまって私幼少の折に人並みには見ていましたけど、そのくらいなんですよね。上級生がいっぱい出てきて人気が爆発したみたいな話は聞いていましたけど、その上級生が出てくるところは一切見たことないんです。

 知人が狂っていたので、世間の評判も相まって気になり鑑賞。これが面白いのなんのって。

 今の諸展開についてはともかくとして、少なくとも子供向けアニメとしての作品の雰囲気ってあると思うんです。恐らくその骨子は今でもブレていないと予測できます。なので劇場作品としてどう仕上げてくるのかと期待して見に行くと、開幕の演出に痺れましたね。

 戦火に飲み込まれる村の光景に、斬撃音と共に花開く紅い彼岸花の演出……。この映画がどのような温度感で展開されていくのかというところがこの一瞬で観客に示される。これがね~、すごい良かったんですよ。心構えが出来て心持ちがぐっと前のめりになるというか。受け入れ態勢を作ってくれる作品って好き。作品のポテンシャルをフルで引き出せるため。

 忍者的なアクションとか、暗躍者としてのマインドとか、シビアな世界観が垣間見えるのがとても新鮮。テレビ版だとここまで前面に押し出すことはしないでしょうし……。

 5年生? でしたっけ6年生? の戦闘シーンとかすーーごい好きで……それぞれ武器が違うんですよ……キャラクターに個性があって戦闘も差異があって見せ場もあって……いやいやいや、こりゃあ人気も出ますわ……とすごい納得しちゃった。ちなみに僕が一番好きなのは任務地で木材を加工して即席で槍を作り上げたやつです。本来なら男の子の領分である演出がハチャメチャに多い。

 全然知らないよって人にもかなりおススメです。知らなくても楽しめるので。
 
 もうあとは以下の感じです。遡ったら10ポストくらいしてたわ。


機動戦士Gundam GQuuuuuuX

  次の次くらいの元号は玄師になるんじゃないだろうか。

 なんて話は置いておいて、見ました話題作。
 当方といたしましては、ガンダムはそんなに詳しくないですね。
 00・鉄血・水星をリアタイで一度、SEEDをFREEDOMを機に総集編から見た程度。あとは友人に好きな人が多いので少しばかりの受動喫煙といった感じでしょうか。

 もうだいぶ周知の事実としてるっぽいのであまりネタバレを気にせず書いていきますけど、最初始まった時の劇場の空気感がめっちゃ面白くて……。

 わたしゃファーストのガンダムは鑑賞後に1話だけ見て改めて大笑いした形なのですが、ガンダムは詳しくなくても庵野秀明のやり口はそれなりに喰らってきた身なものでして。ま~~たそういうことするのかよwwwとそういうスタンスでそれなりに理解できたので無知ンダムでも相応に楽しかったです。

 と、そんなファンなのか監督なのかへのボーナスタイムもさることながら本編。
 よく話題として引き合いに出されるフリクリは知らずなのですが、多くの人を虜にする独特な画面の外連味はなかなかどうしてクセになります。なるほど。
 あくまでも先行公開なわけで。本編の配信ないし放送がとても楽しみで続きが気になる。新たな物語のはじまりの波動をビシビシと感じて良いです。ジークアクスのシルエット凄い好きですよ私。

室町無頼

 「あんのこと」の入江監督が時代劇を撮る ということで、最近は時代劇がアツいこともあり喜び勇んで見に行きました。
 舞台は室町末期、戦国時代突入寸前の時代。庶民の蜂起の旗頭となったとされる実在の人物の活躍を描いております。
 原作は小説らしいのですが主人公の蓮田兵衛という人物は歴史上で記されている文献が極わずかであるらしいため、相当にオリジナリティあふれる物語だということになっていると思います。よくこんなところをモチーフに作品作ろうと思ったよね、すごい。

 まず目を引くのは大泉洋 氏のワイルドな見てくれと振る舞いの中に燃える高潔な魂。を表現するかのような立ち振る舞い。シンプルに主人公としてカッコいいです。

 飢饉や圧政で虐げられる臣民と食い潰す為政者の構造を破壊せんとする覚悟を持つ清く正しい心意気。それが人を呼び、伝播し、正義が真の意味で継承されるまでの物語。
 はじめは矮小な存在だった主人公の弟子の立場のキャラクターがラストシーンで師匠の魂を完全に受け継いだ立ち姿を見せる瞬間は、見ているこちらもつい感慨深くなるような気持ちになってしまいます。

 弟子である才蔵を演じた方は なにわ男子というグループの一員の男性アイドルなのですが、これがもうとても素敵で良かったですね。
 暴れん坊将軍でもそうだったんですけど、男性アイドルグループをメインキャラクターとして時代劇を撮るのが今後とも是非主流にしてほしい。金のかかる時代劇に一定の集客が見込める演者をどんどん入れてほしいというのもそうですし、シンプルに滅茶苦茶しっかり演技出来るので……。殺陣に馴染みのある特撮出身者もドンどこ投入してもろて……。時代劇の火を絶やすな。

 あとこれはまぁ私の感想にてド頻出思想なのですが、画面内における人間の密度の高さが最高!!
 襲撃のシーンでふんだんに投入される群衆のエキストラの物量からしか得られない迫力という名の栄養素が本当に好きなのでね……。これでこそ戦闘シーン!! というね、感じです。

 基本的に常に人が死に苦しんでいる時代背景で話が進むためシリアスな進行が続きますが、途中途中で武器やら修練やらによって生み出されるトンチキな映像も身体に馴染みます。ファンタジーの差し込まれるバランスが個人的には良かったですね。

 あとはもう、骨皮道賢役の堤真一 氏 これです。
 堤真一という男、いつ見てもカッコいいんだこれが。
 便宜上の悪役ではあるものの兵衛とも友人であり、彼は彼なりの覚悟の元で戦い、過酷の世を生き抜いた。そんな色気も満載な男が本当にずっと魅力的でね……こちら是非お勧めとなっております。

ライドカメンズ The STAGE

 仮面ライダーシリーズはまぁ長い間好きでありますので、存在は勿論知っていたのですが結局ゲームをプレイすることはかなわず。というタイミングで舞台化したので観に行きました。本当にほとんど情報が無い状態だったのですが問題なく楽しめましたね~。

 やはりこの作品は仮面ライダーに端を発するコンテンツであるわけで、仮面ライダーに対して本当に真摯に真面目に取り組んでいる素敵な作品となっておりました。
 どうしてもやはりメインターゲット層というものがありますので、所謂2.5次元作品としてのテイストはバッキバキに押し出されつつもヒーローショーの遺伝子を色濃く残す誇り高い一本でした。

 もうとにかくスーツが良いんですよ……変身後の姿は歴代シリーズに存在する仮面ライダーをモチーフにしてデザインされているのですが、対象へのリスペクトを忘れずに、尚且つライドカメンズとしての個性もあり、更には「これまで築いてきた仮面ライダー像」も十分に盛り込むスーツ。そしてアクションの数々……。

 そんな少なからず仮面ライダーを愛好する身としても大満足のパフォーマンスに加えて、本家1号の物語展開をインスパイアしたようなキャラクターたちの壮絶な生い立ち・精神性。

 登場人物がほぼ全て敵組織の影響で記憶を失っているところから始まっているのに、それでも尚、正義を執行する強固な意志を持つという超人的な英雄性。これです。
 我々がヒーローに求めているものを至極真面目に描いているライドカメンズの世界を舞台の上で適した形で表現する作品。素直に良かったです。次があったらまた観に行きたい。

大きな家

 様々な事情で親元から離れて暮らさざるを得ない子供を支援するとある児童養護施設に密着取材を行ったドキュメンタリー作品。

 私は幸せなことに良好な家庭環境の元で育っているので、彼らの思いを真に理解するというのは難しいのだろうと思いますし、製作者としても同じような思いを持っているのだと思います。
 それでも見ること・知ること、その行為そのものが何かしらの思考の一助となるようにこのフィルムを公開したのだと解釈をしましたし、フラットな気持ちで受け取るように意識して見るなどしていました。
 正直なところあくまでも映像作品なわけで、全てを飲み込んではいけないとも思いますし、かといって全てが嘘だとも思わない。
 作品中ではそれなりに上手く行っている場面が多く使われていますが、冒頭で職員の方のインタビューでもあったように施設を出た後の状況が必ずしも順風満帆であるというわけではないのも事実なのでしょうし。

 内容について言えることが相当少ないのでひとつだけ気になったこと。
 関係者のとてもプライベートなやわらかい部分をつまびらかにしているわけですし、それもあって映像メディア化や配信を行う予定は無いと明言されている程にプライバシーには考慮されてるんですけれど、ちょっとね正直どの辺の施設かなんとなくわかっちゃったんですよ。ちょっと本気出して調べたら多分分かりますねこれ。別にやらないですけども。
 なんでかって言うと、入居者の方が電車に乗るシーンがあるんですけどもこれがもう一目であぁこのへんだと分かる感じで……。そこまで気を付けるならもうちょっと配慮しててもさ……いいんじゃなかろうか……という気持ち。
 あ、いや、どちらにしても特定ってしようと思えば出来ると思うんですよ? 分かりやすすぎるランドマークちょっと映し過ぎじゃないですか??? っていう話で。
 っていうのが気になっちゃいましたとさという話でした。
 
 まぁそれとこれとは別として大変興味深い作品でした。多分もう上映してるとこ少ない上に配信無いので中々おススメはしづらいですが。

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

 みんな大好き九龍城砦を舞台として、男の友情と仁義をプライドをかけた一大騒動を繰り広げるアクション超大作です。

 最高なのでみんな見たほうが良いですよ。それなりなバイオレンス描写があるので苦手な人はいるかもしれません。

 どこかの記事で見たんですけど、九龍城砦の再現するためのセットに費やした製作費が9億くらいらしいです。ヤバいですね。
 それだけの覚悟を持って作り上げた映像、まずこれだけで元が取れる映画体験です。見ましょう。

 大筋としては、天涯孤独で香港へと流れ着いた主人公が九龍城砦で人の優しさや温かさに触れて自分の居場所として骨を埋める決意をします。
 ですがのっぴきならない事情が重なり、九龍城砦が存続の危機にぶち当たるところを解決するとそういう流れですね。

 冒頭で絶望の淵に立たされた主人公が九龍の民との交流を進めるにつれて安心感を持てるようになるまでの描写が短尺ながらもとても丁寧に描かれていまして、見ているこちら側も九龍の住民に対して親近感を持ってしまいます。こうなると主人公の気持ちの動きにガッチリと相乗りできることもあり、最後の最後の最後まで良いテンション感での鑑賞が出来るんです。素敵。

 そしてこの作品のキモと言えばそう、「るろうに剣心」シリーズのアクションを司っていることで日本でもおなじみの谷垣健治氏も参加している華々しく荒々しいアクション演出の数々!!

 フィールドが狭いことも多く、動きに制限が出るであろう中においてもダイナミックさを失わない演技の数々。時代背景からか、お行儀が良いとは言えない武骨な武器とそれを暴力的に振るう緊張感。地に足の着いた暴力が生々しくあればあるほど際立つ、敵の繰り出すトンチキカンフーの強さの絶望感。
 浅学であまり詳しくは無いのですが、これぞ本場の香港アクションと言わんばかりの迫力と爽快感には思わず笑顔が止まらなくなってしまいましたね……。

 出てくる登場人物全員が強いというのも素晴らしい。あからさまなかませキャラというのもおらず、小物ムーブをしたと思ったら実は作中最強キャラだったり、老齢の立場のキャラクターたちも全くその力が衰えていないような達人の戦闘を繰り広げていくのが良いんです。敵味方関係なく下手な無能がいないというのはいい作品のいい作品たるファクターのひとつとして数えても良いと思います。

 み~~んなカッコいいの。龍兄貴、色男すぎる。

 見た目だけじゃない“漢の美学”に心も体も滅多打ちにされる感覚を味わえる今作。是非どうぞおススメです。

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