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山うに漬けの発売開始

日本酒の日が近づくにつれ、不意に何かが僕の耳元で囁きかけてくる。

それはまるで『深く冷たい海の底から響く、真っ黒でトゲトゲした奇妙な声』のようだった。

僕はその声に心あたりがあった。
僕を呼んでいる声の主は故郷栗山町の実家、その床下で眠るアイツしかいなかった。

その声の暗闇に引きずり込まれるれるように僕は、千歳行きの飛行機に飛び乗っていた。

その日(昨日)の夜9時。僕は彼が眠る実家の床の板を外す。そこで眠る彼の名は『山うに』。

越後の蔵人が酒造りとともに、うちの蔵に伝えた酒粕の唐辛子味噌の事だ。

僕はコロナ 禍の初期である昨年2月、今こそ免疫力を高める発酵食の力を世間に知ってもらうチャンスと考えていた。

それで僕は40年ぶりに小林家に伝わる、この幻の発酵食を1年かけて復元させた。

そして今年初め。僕はアイツ(山うに)を漬けもの桶で4本仕込んでおいたのだ。

僕は桶の蓋を静かに外し『山うに』に話しかける。

彼は冷たく黒くトゲトゲしい声で『ウニの声帯模写は非常に難しかった』と僕に言った。

『黒いトゲトゲしい声。。ウニだけに。。。』

僕は彼の桶を強く抱きしめながら10月1日、日本酒の日に『山うに』の発売(予定)を心に決めたのであった。

(販売詳細は近日正式にお知らせします。)

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