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発酵さぎょうの飯寿司と味噌漬け

1月に田舎のお袋から一本の電話が入った。  

発酵さぎょうの為に『鮭の飯寿司』と『玉ねぎの味噌漬け』を仕込んでみたという。

 1ヶ月後、実家に戻った僕を見ると、すぐにお袋はスコップを雪の中に差し込み『鮭の飯寿司』の桶を掘り出した。

飯寿司のベールが開かれる。
味わう前から、その圧倒的な仕込量に気を奪われる。

 多少、予想はしていたが漬け込んだ量が想像を遥かに超えている。

 何kg?いや、これはガロン、ともするとバレルの世界だ。

 その後、僕の計算(1ガロンの消費期間=2年)とは裏腹に『鮭の飯寿司』は僅か2週間でお客さんの胃に収まった。

 お袋の『飯寿司』は、多くの人の腸内フローラに生命の種を蒔き、伝説の龍となって蠕動し、鬼の免疫力で大腸を包んだのだ。

 えー、という事でして伝統を紡ぐ全国の母達に最大限の敬意を。

 追伸 【今日から『玉ねぎの味噌粕漬け』を1ガロン分お客様に提供します。推定2年くらいかかる計算です。
 だから母さん、お願いですから追加の仕込みは少しお休みして下さい】

母の発酵フェアは、飯寿司だけにとどまらなかった。
次はなんだろう?
出たー!玉ねぎの町、栗山町産玉ねぎの味噌粕漬け。

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