夢野久作とは別問題の294
今、病院で夢野久作の(10秒で読める)超短編小説を思い出す。
ボクは初めての手術の時『せめてあと1、2年の命を』と思い
2回目の手術の時も『せめてあと2、3年』と思い
今、診断結果の待ち時間に『願わくばあと5、6年』などと思っている。
この作品は、受け取る人の状況によって甚だ解釈が違うように思う。
診断結果次第で深層心理にもブラックユーモアにもなるから、人の心はおっそろしい。
【医者と病人】 夢野久作
死にかかった病人の枕元でお医者が首をひねって、
「もう一時間も六(むつ)かしいです」
と言いました。
「とてもこれを助ける薬はありません」
これを聴いた病人は言いました。
「いっその事、飲んでから二、三日目に死ぬ毒薬を下さい」
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