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お燗酒小説
この2週間、僕の住む江戸川区平井の魅力について真剣に考えてみました。
もしかして、もしかすると。
『これといって特に何もない』
(もちろんいい意味で)
それこそが平井最大の魅力なのかも知れません。
しみじみ感じる平井の住みやすさ。
まったりした平井の居心地のよさ。
その要因はいったい何なのか?
もう一週間、こうして平井の商店街を行き交う人達を眺めながら、じっくり考えてみたいと思います。
(ところで昨晩、日本酒啓蒙の為の短編を作ってみました↓)
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お燗酒小説【滲みるぜ!大家族 】
大家族ゆえの悩みに一男(かずお)は悶絶していた。
三男八女の長男である一男(かずお)は酒場の片隅で吐き捨てるように兄妹の名を呟いた。
・長女 亜里砂(ありさ)
・次女 綺羅理(きらり)
・三女 瑠菜(るな)
・四女 柚羅里(ゆらり)と
五女 乃土香(のどか)
・六女 久令葉(くれは)
七女 実那美(みなみ)
八女 亜矢芽(あやめ)
次男 歌伊斗(かいと)
三男 零央(れお)
そして長男である自分、一男(かずお)。
いったい、なぜ自分は一男(かずお)なのか・・・。
いつもそう、思い煩っていた。
そんな一男(かずお)は、自宅近くのこの場末居酒屋で、日本酒のお燗をつけてもらう。
そして、その横で一男の祖母が優しく諭す。
『一男ちゃん、お燗酒の種類にも、色々あるでねが』
とびきり燗は55度以上
あつ燗は50度前後
上燗は45度前後
ぬる燗は40度前後
人肌燗は35度前後
常温(ひや)は20~30度前後
涼冷えは15度前後
花冷えは 10度前後
『ゆうたら長男坊のあんたは【あつ燗】や。
昔から世間に知られて認められた名前ちゅうことでねが?』
そう言いながら祖母の麗伊那(れいな)は一男の背中を、いつまでも優しくさすっているのだった。
終