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お袋の味をつくってきた、あの日本酒はどこへ消えたのか③

(前回のつづき)
ここで私が改めて思い、願いますのは以下のことです。

『旨味物質が添加された加工食品によって調味料としての日本酒需要が減るのは仕方ない、

けれど日本酒がもつ複合的かつ繊細な旨味は、過剰に添加された旨味加工食品や大量生産惣菜と同時に食されると見事に感じにくくなる。(口内調味)

たとえばある旨味物質を液体に0.1%加えるだけで、和食出汁より濃い旨味を人間の舌に感じさせる事ができる。

そんな強烈な旨味物質に日本酒の旨味は到底太刀打ちできない。
蔵元渾身の旨味、妙味が発揮されにくい。

その事が原因でほんの少しでも日本酒需要に悪影響があるとしたら非常に淋しい。そんな思いでいるのです。

もちろん日本企業による旨味成分の発見、旨味調味料(顆粒、液体商品)の開発、商品化は、日本が世界に誇る大偉業だと思います。

この発明は世界中の加工食や料理の単価を劇的に下げる事に貢献し

結果、旨味のもとである海の幸(昆布や鰹、鰯など)や動物の途方もない数の命を救ったとも言える。

大多数の国がその恩恵に与り、まさに【日本にumami有り!】を敢然と示した。それも忘れてはならない事実なのです。(おわり)

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