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友達は線引き

今、平井の喫茶『ミカド』のドライカレーが僕の6番テーブルに到着した。

そしてこの香りで思い出した。そうそう!あれは修学旅行が近づいたある日。

中学校の担任の先生が何気なく放つ【あの残酷なフレーズ】。  

『えー、では仲の良い友達同士で旅行のグループを作りなさい』

僕が何気ないその一言をどれだけ恐れ怯えていたかを担任は知らない。

早速【この人は友達で、この人は友達じゃない。】

そんな【線引き】をクラスの人気者が開始する。 

毎度、誰からも声がかからずトイレに隠れていた僕にとって、そんな光景は地獄そのものだった。

あれから数十年経って、僕は数多くの北海道の健康な友達や不健康な友達に恵まれた。

ほとんど僕に酒で絡まれて『(友達に)なっちゃった人』だと思う。ごめんね。

そんな僕も50歳過ぎになって自分の限界や悪い癖や好みの花、好みの湯加減なんかを自覚出来るようになってきた。



それでやっぱり『どーせ暮らすなら気楽で平和な群の中の一員で居られるような街がいい』と思ったのである。

そんなフニャフニャした【つかみどころのない安堵感】がこの平井という街にはあったのだ。

それにしてもドライカレーを故郷、栗山の喫茶『コンドル』以来、37年ぶりに食べた。(そして福神漬けがもっと欲しいと思っている。)


そう!この『ちょうど良いパサっと心地よくしっとりした感じ』を、僕はこの街に求めていたのかも知れない。

もし本当にそうだったら、また連絡します。

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