メタバース時代を先取りしすぎ、似顔絵描いたら半年間、口をきいてくれなかった原因となった任天堂の怪作「ともだちコレクション」
タイトル画像:怒ってる女性の表情のイラスト
あるソフトで、同僚の似顔絵を作りまくっていたところ、似てる!と評判になり、さらに調子に乗って量産してたら、事件が起こりました。
自分の似顔絵を見た女性が激おこになって、半年間、喋ってくれなくなってしまったのです。
反省と共に、このことを振り返ります。
ともだちコレクションという、良作であり怪作
任天堂の良作、「ともだちコレクション」。
セールス的にも素晴らしく初代ソフトは300万本超。
良作というより、現在のメタバースの盛り上がりより前に、ある種のバリエーションを先に世の中に出してしまった、任天堂あるある的な「怪作」でもあります。
任天堂あるある、というのも色々ありますが、この場合、
任天堂は時代を先取りしがち
です。バーチャルボーイ、衛星データ放送、ディスクファクスを使ったオンラインランキングなどなど。
メーカーページにも独立した説明があります。
下のリンク:任天堂の製品紹介ページ
下のリンク:Wikipedia
似顔絵システムにハマる
コンセプトなども語ると本が1冊くらいは書けそうな、説明の難しいソフトです。
メタバース論と組み合わせたら、これも一冊Kindleに書けそうですが。今日は似顔絵についてだから、本サービス論は簡単に。というか、人任せ。
詳しくはメーカーやWikipediaのリンクを見ていただくとして、ざっくり説明を。
・架空の島にユーザーの分身のキャラが生活
・キャラはMiiと呼ばれる任天堂プラットフォームで共通に使われるシステム
・Miiは簡単なUIで結構似顔絵が作りやすい
今回、この似顔絵システムにハマってしまったことから巻き起こる人間関係の崩壊、という事件について書いていきます。
比較的「似やすい」似顔絵システムが秀逸
メタバースでは、自分もその世界の中に「キャラ」として入ることもあります。
自分1人しかいない主観視点で成立するサービスでは問題ありませんが、他者とやり取りが必要になると「それぞれの人」のアイコンが必要。
メタバースでは、それを実生活をトレースする表現の中で、「アバター」とするわけです。全てを新しい概念で作ることもできますが、そうすると色々なお作法をゼロから覚えないといけません。合理的なやり方です。
そんなわけで、多くのアバター製作の手法があります。
Miiの顔を作るシステムは比較的、似ているキャラが簡単に作りやすい特徴がありました。
画像:任天堂のMiiの説明ページキャプチャ
いきなり全部をデザインのスキルがない人に描かせるのは大変。
このUIの秀逸なのは、細分化。ゲーミフィケーションでもお馴染みの、
・作業範囲が狭くて分かりやすい
・達成感が何度も訪れる
・手戻り範囲も小さい
・進捗が管理しやすく可視化しやすい
など、多くの良い点があります。
ここでは、目、鼻、口、輪郭、などと少しずつ手を入れていき、さらにその中も、大きさ、カタチ、配置(これが似顔絵には重要!)などを少しずつ調整していきます。
モンタージュ写真の作り方も実は同じ。全体的に描くのではなく、「目はどうですか?」「耳は大きい?小さい?」など、パーツごとに確認をしていく。
それが合わさると、結構近いものになるわけです。
さらに。その作業を手助けするため、写真から作る方法もあります。
これだとベースが提示されるので、「修正」で済みます。より敷居を下げる方法。
画像:Miiの作り方ページキャプチャ
普通の人は顔をどう認知している?
顔の認知論はこれまた何冊も本が書けるような世界。
なので簡単に。
自分を含め、多くの似顔絵のプロじゃない人にとっては、注視するポイントは「平均から外れたパーツの印象」です。
よくいう「美人・イケメン」というのは、たくさんの人の顔のパーツの配置や形の平均を作った時に、それに近いもの、という研究がされています。
そこから外れた数値のパーツが、その人の特徴。
これが、後々の内容に関わってきます。
つまり、私が嫌われたポイントに!
似顔絵の作り方(自分流)をすると、相手は嫌がる!
似せる、という行為を行う際、自分では「その人の特徴=平均から外れたパーツ」を強調します。
そうすると、似るんですが、相手は嫌がります。
平均から外れたパーツ=コンプレックス
という方が多いのです。
こちらとしては似てるけど、相手のコンプレックスを刺激しない表現、など高度なワザを持ってないので、ほいほい作ると、
・当人以外は「似てる」と言う
・当人は「激おこぷんぷん丸」
となるわけです。ならない人もいますが、「えー、自分ってこんな風に見られてるの~?」など、前向きではないコメントが多い。
プロは違う!
似顔絵のプロ、という方はたくさんいます。
そういう方は、似せつつ、しかもその人のコンプレックスは触れず、さらに、ちょっとうまいこと盛って当人が喜ぶように、といったワザを積み上げられるわけです。さすがプロ。
プロの中にも、結構当人からは嫌われているけど、でも圧倒的な「本人の内面も描ける」という方も。この方の芸風が大好きで。
山藤章二さん。週刊朝日でブラックアングル、という人気コーナーをずーっと連載されてました。
自分もその方にならい、名刺の裏に会った方の似顔絵を描いてしまうことがありますが、ほぼ、当人に見せられません。
半年後に明確に許してもらったわけではないですが・・・
自分が怒らせてしまった女性、半年くらいして、なんとなくしゃべってました。
似顔絵は時に危険。身をもって体験しました。絵心ある方、ご注意を!
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