ノザキのコンビーフ味 塩焼きそばに見るサンヨー食品の「攻める」姿勢が産む奇跡
タイトル画像:コンビーフ焼きそばのパッケージ写真。牛がドーンと書かれてます。牛です。
コンビーフ。
なぜか好きなのです。パンに合うのはもちろんですが、自分は白飯のお供にしてもいいくらいです。
それが塩焼きそばの味付けに。
そしてこの製品に一点突破の姿勢を見ました。
缶詰は付いてません
コンビーフと言えば、あの台形の缶。あと、不思議なクルクル回す開け方。今はプラスチック製の容器になってしまい、ちょっと盛り上がり感にはかけますが、しょうがない。
ちなみに。クルクル回すキーみたいな部品は、子供の頃カギを持たせてもらえなかった自分にとっては、自分だけの秘密のカギでした。
そして姿を表す、脂に守られた肉のほぐれた固まり。缶を取り出して開けてここまでが一連の盛り上がりです。
カップ麺の中身は?
開けると缶詰め風のものがあるかと思ったら無し。
画像:粉末ソース、調味油、あとのせかやく、の写真
乾燥具材かな、と。コンビーフはどれだ?と探してみたら…
ここでパッケージに再注目。
画像:パッケージの部分アップ。ノザキのコンビーフパッケージ写真の下に「ノザキのコンビーフを入れるとさらに美味しい」と、「写真はイメージ、別途ご用意ください」の文字
なんと!本物を乗せたらさらに美味い!という写真の使い方!よく読まずに期待してはいけませんね。
作ってみた
細麺なので3分。そこに、液体ソースとコンビーフっぽい粉末を。
もう一度パッケージに注目。
画像:パッケージ下部のアップ。文字で「味をイメージ、かやくはコンビーフでは無い」という説明
なんですとー。この商品、もう一度パッケージど真ん中を見れば、うそは言ってません。
コンビーフ味
なのです。ファンタオレンジにオレンジが入ってなくても誰も怒りません。
でも美味いけどね
たしかにコンビーフ味で、予想通りの味。油も風味があって、少しブラックペッパーなどを足せばおつまみにもいいかも。
今回は、味より商品性について。
よくぞ発売にこぎつけた
本当にそう思います。想像すると、いくつかの実現を妨げそうなポイントが。
①狭い領域を見つけた
世の中のメニューに「コンビーフ焼きそば」とか「コンビーフ麺」は定番ではない。
各メーカー、いろいろな味を求めて開発する中で、よくぞこの誰もやってなかった組み合わせにしたな、と感心してます。
単体で好きな人がいても、組み合わせた途端商品の可能性が無くなるものはある。
なので、日頃から様々な組み合わせを試してることが想像できます。
②コンビーフ味、で本物を使わない
普通に考えれば、ノザキのコンビーフを提携して使うところ。コストの問題ももちろんあるのでしょうが、そこを本物を使わない決断。
これも、物事を実現するための割り切りとしては相当強い意思を感じます。本物が入ってないじゃないか!という声より、この組み合わせなら食べたいんだよね、という声を重視した決断。
なかなか柔軟です。
③それを販売まで
ここまでの話は、各社開発担当までならあり得ます。だいたいその上の説得段階で、凄まじい数の攻めたメニューが没になってることでしょう。
この商品、それを乗り越えてきた。目の付け所、社内プレゼン能力、それにGOを出した上層部、全ての決断が噛み合った奇跡の商品です。
④それに追従する自分
そして、それを見つけて食べ、noteに書く自分!
…ここまで皆さんの役に立たない情報をお読みいただいた方、までを含めた奇跡なのです。
お付き合いいただきありがとうございました。
お付き合いついでに、はみ出しネタ:
・JRの線路沿いにノザキのコンビーフ、という看板がたくさんあった
・その看板の制作会社が、ザ・ベストテンのパタパタ数字が出るボードを作った
さて、真偽の程は。ネットでちょっと探ったけど、正解に辿りつけませんでしたが、昔聞いた話です。、