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美術に疎い素人が名画を見て何か言う#3『カンパスペを描くアペレス』ヴィレム・ファン・ハーヒト
西洋美術に明るくない私がなんとなく気に入った絵を見て、ド素人なりにかっこつけて感想を述べてみるコーナーです。
今回はヴィレム・ファン・ハーヒトの画廊画、『カンパスペを描くアペレス』です。
『カンパスペを描くアペレス』
作者:ヴィレム・ファン・ハーヒト
年代:1630年ごろ
所蔵:マウリッツハイス美術館(デン・ハーグ/オランダ)
広い部屋に所狭しと飾られた絵画や彫刻が圧巻ですね。
この絵のように、絵画の中に絵画や画廊を描くものを、画中画とか画廊画、などと呼ぶそうです。この絵では実在する他の画家の絵画がぎっしり描かれてあります。
手前の部屋は床置きのものから天井近くまで、奥の部屋にも壁いっぱいに絵画が並んでいます。
注目すべきは、部屋にいる人たちが古代ギリシャの人々だということです。左下で絵を描いている男性がアペレス、モデルの女性がアレクサンドロス大王の情婦でカンパスペという方。
一方で、部屋に飾られている絵画は、ルーベンスの『アマゾンの戦い』(左下の机の上の絵)とか、マサイスの『両替商とその妻』(一番右下の絵)だとかで、17世紀のフランドル絵画(現在のベルギーあたり)が多い。
つまり登場人物よりずっと後の時代の絵画が混在しているわけです。
時代や場所を飛び越えたファンタジーな絵ですね。
画廊画ってコレクターが自分のコレクションを自慢をするためのものもあるらしい。
しかしこの絵画に描かれている部屋はあり得ないほどに豪華絢爛で、しかも登場人物が神話みたいな昔の人物なので、空想的で嫌味がなく楽しい絵だという印象を受けました。
それにしても、よくこんな他人の絵を細かく精密に描けるもんだな、と素人ながら思う。
(参考:マウリッツハイス美術館 https://www.mauritshuis.nl/jp/)
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