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ゲームとことば#106「秘密基地バンザーイ!」

「秘密基地バンザーイ!」とは秘密基地経営シミュレーションゲーム『アジト』で、怪人が敵にやられた際に発する台詞。

本作は、たんまり貯金を貯め込んでいた脱サラ男が、怪人やロボットを抱える巨大地下秘密基地を作るという内容だ。
私は3DS版である『アジト3D』をよくプレイした。
地下深くにエレベーターを伸ばし、動力室に司令室、怪人・怪獣・ロボットの製造工場、侵入者対策の罠などを作る。
非常に童心をくすぐられるゲームなのである。
しばらくすると外から敵が攻めてくるので、迎え撃たなければならない。
そんな時は、地下で製造した怪人や怪獣の出番だ。
弱い怪人なら製作コストも安いので、バンバン作れる。
そしてバンバン倒れる。
組織に殉じた彼らは、最期のことばとして表題の台詞を放つのだ。

それにしても、特撮の趣を感じる良い捨て台詞だと思う。
ウルトラマン以外の特撮はあまり見てこなかった方だが、それでも"らしさ"を感じる。
ただ普通なら「ショッカー万歳」とか「妖魔一族万歳」とか、「(組織・団体名)+万歳」のように叫ぶのではないだろうか。
しかし本作では、ゲーム的都合による汎用台詞として「秘密基地バンザーイ!」と言っている。
組織の長はプレイヤーなので、特定の組織名を持っていないからだ。

確かに汎用台詞なのかもしれない。
しかしこれはこれで、秘密基地に忠誠を誓ってるみたいでなんだか面白い。
組織じゃなくて基地そのものが好きみたいな。
地下鉄の駅から近いとか、空調の温度が常にちょうど良いとか、徒歩圏内にやよい軒があるとか、休憩室にグリコの自販機が置いてあるとかかもしれない。
秘密ってなんだろう。
私事で恐縮だが、最近、個人事務所用にアパートを借りた。
実は私はこのアパートを秘密基地と呼んでいる(勝手にしろ)。
貯金額には雲泥の差があるが、『アジト3D』の主人公と同じく脱サラして秘密基地を作ったのだ。
「秘密基地バンザーイ!」である。

ちなみに3DS版はメニュー画面でアイコンを選択した時も聞ける。
たまに起動しては、この台詞だけ聞いている。

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