ゲームとことば#26「後は任せた…」
PS用ソフト「ブシドーブレード」で、倒した敵の忍者が吐くセリフ。
断末魔を上げて絶命するキャラが多い中、しっかりとした言葉で後ろに託す姿に、敵ながら強い使命感を感じ取ることができる。
本作は格闘ゲームだが、真剣での斬り合いのため当たり所が悪ければ敵だけではなくプレイヤーキャラも一撃死というシビアさがウリだ。
たとえ死ななくても腕や足を切られたキャラは動きが大きく制限され、超絶不利な状況に陥る。
まさに真剣勝負、小さな油断で一気にゲームオーバーだ。
チャンバラモードというゲームモードがある。
一人ずつ連続で敵を倒していくおまけ的なモードで、最初のうちはあまり強くない忍者が出てくる。
その忍者が表題のセリフを放つのだが、切り捨てた相手が最期にこう言い残すさまを見て、滅私奉公の悲哀というか残酷さを感じる。
そういえば漫画作品などで描かれる忍者は、命を捨てて戦うように教えられているといった存在であることが多い。実際そういった価値観もあったのだろう。恐ろしい話である。
ところでこのゲーム、走りながらブンブン刀を振り回すと攻撃が相手に当たりやすかったりするのだが、その恰好がなかなかにふざけている。
例えるなら、下校中の小学生が太い枝を見つけてテンションが上がっているような仕草だ。
こんなひょうきんな刀さばきで殺されるのも不憫だな。でもやってしまう。
アホみたいにステージをぐるぐる走り、片手で刀を振り回すプレイヤー。
戸惑う忍者。
当たる剣先。
吹き出す血しぶき。
「後は任せた…」
任された方もこれには閉口。命の何たるかを考えさせられる。
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