6月26日世界の昔話、あたまのいいヒツジ🐏
むかしむかし
モンゴルのある草原に
頭は良いのですが年を取って体が弱った為に捨てられたヒツジがいました。
そこへ腹ぺこオオカミがやって来て
ヒツジにもったいぶった様子で尋ねました。
「やあ、こんにちは。ヒツジくん、今日はいい天気だね。・・・ところできみは、名前は何という名前だい?」
するとヒツジは少しもあわてた様子を見せずに、こう言いました。
「わたしは、大頭のトンジ王さ」
「ふーん、『大頭のトンジ王』
とは、立派な名前だね。
ところで君の頭に乗っている立派な角は、何に使うんだい?」
「これは天の神からさずかった武器で、悪いオオカミが来たらこの角で突き殺してしまうんだ」
「ええっ!」
びっくりしたオオカミは、
(これは、逃げた方がいいかもしれないぞ)
と、思いましたが、でも相手はしょせんは年寄りのヒツジだと思って、他の質問をしました。
「ところで君は、なぜそんなにモコモコした毛をしているんだい? そこまでモコモコしていたら、邪魔だろう?」
するとヒツジは、オオカミにニヤリと笑って言いました。
「ああ、実はこの毛は、塩の固まりなのさ。
オオカミの肉を食べる時に、この塩で味付けをするんだよ。
・・・ああ、そろそろお腹が空いてきたな。
ちょうど目の前にオオカミがいることだし、今からお昼ご飯にするかな」
これを聞いたオオカミは、すっかり恐くなって逃げ出したという事です。
おしまい
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