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原駅前商店街GoTo商店街企画

地域に根付いた仕事を最近は積極的に行っていますが、会社の近くの駅前の商店街と最近仲良くさせてもらってます。


もともとずっと商店街との仕事がしたいと思い、他の地域の商店街系のワークショップには参加してましたが、ご縁があって地元商店街の賛助会員のお話をいただきお受けしました。

当初は駅前に企業広告の看板を掲出すること、区のゆるきゃらのLED照明を駅前の道路に設置する寄付をする程度のお付き合いでした。
商店街組合の会長と何度か顔を合わせるうちに親しくなり、手続きの書類を持ってきていただくかたわら茶飲み話をするようになったり、組合の飲食店さんで食事をするようになったりと距離が詰まってきた印象は持ってました。

そのような最中のコロナ禍。最初はそれまで水面下で進めていた商店街の活性化の計画、特に行政を巻き込んでの計画が少し止まるねーくらいしか考えていませんでしたが、都市郊外の駅前の商店街は飲食店が多く、日が進むにつれその深刻さはどんどん増していくことを感じていました。

2020年の秋ごろ、商店街の会長から一本の連絡をいただきます。
「GOTO商店街」という企画があるんだけど、おたくで何かできないか?
コロナ禍における自粛ムードがひと段落し、経済をいかに回していくかが盛り上がってきていた最中、GOTOトラベルが先走っていましたが平行して進められていた国策の一つでした。

二つ返事でOKしました。

GOTO商店街とは?

Go To 商店街事業とは、
3密対策等の感染拡大防止対策を徹底しながら、
商店街がイベント等を実施することにより、
周辺地域で暮らす消費者や生産者等が
「地元」や「商店街」の良さを再認識するきっかけとなる
取組を支援するものです。
各地域で、消費者や生産者との接点を持つ「商店街」が、
率先して「地元」の良さの発信や、地域社会の価値を見直す
きっかけとなる取組を行い、地域に活気を取り戻していくことを通じて
商店街の活性化につなげることがねらいです。

実際にはイベントだけではなく、Youtubeチャンネルを作ったり、ポータルサイトを運営しはじめたりする商店街もあったりと、結構多岐に渡ってます。

我々もサインやディスプレイなどのプロダクトをつくってるメーカーとしての特性を活かして、ただイベントやるだけで終わりという形でなく、街に残るモノをつくりたいということで話をすすめました。

2020年の計画案を国に出す段階では、屋外用の行燈看板をつくってイルミネーション的な意味を持たせて、夜市的なイベントをやる方向で企画をまとめました。
この企画内容にて2020年末に申請が受理されます。


2021年初頭の状況

言わずもがなGOTOトラベルもなし崩し的にあいまいな感じになってきて、そのまま今にいたりますので、当然GOTO商店街も同じような顛末を辿ることになります。
事務局には商店街会長が連絡を定期的にとってくれており、イベントの開催は原則としてNGという期間がしばらく続き、当初の予定であった2021年3月31日までに企画完遂というデッドラインが2021年6月30日まで延期されました。(現在、さらに伸びて2021年12月31日まで)

その時点で行燈看板のデザインはある程度決めていましたが、結局イベントそのものをやって集客することの意味合いに改めて疑問を感じ始めていました。
コロナの脅威を受けて一年ほど経ち、単に終息を待ち望んでいるだけではダメだということはほとんどの方が理解し始めており、特に飲食店のみなさまは事業そのものを見直すことを本気で考え、取り組もうとされてました。
4月になっても進展がほとんどなかったため、今までの企画をもうほとんど全部上書きする形で企画を作り替える決断をしました。

新しい企画の骨子は

→商店街のお店
・国のコロナ対策に振り回されて慢性的にマイナスになっている
・一時的なイベントでの集客を店側、お客側双方とも望んでいない

→そもそもどうすればお客様は安心か?
・コロナに対してしっかり対策のとられている空間で身近な人と過ごしたい
・家や会社での過ごし方はできつつある、もう一つのウィズコロナ空間

以上のことから、、、
原駅前商店街独自のコロナ対策ガイドラインをつくる
それを遵守していることを発信して、安心して来店してもらえる環境へ

継続的にお客様が来店できる流れをつくることが中長期的にはイベントに勝る施策になる

当初の企画の行燈看板をガイドライン遵守店舗のシンボルとする形でなんとか企画をそのままスライドする方向で進めてますが、商店街会長が行政側に確認とったところ思ったよりも反応がいいそうです。
ただ、商店街の各店舗に「備品」として何かを購買することはダメなようで、あくまでGOTOの企画にての貸与として資産計上しなくてはダメとのことでした。そのあたりは今後詰めていくこととして、この段階としての最優先事項は原駅前ガイドラインをつくること。そのためのtoDOとして、原駅前商店街の個々のお店の現状を把握することが必要でした。


商店街のお店へのヒアリング

商店街会長にピックアップしてもらい、4月頭から社内の何人かで商店街の個々のお店にヒアリングに伺いました。
具体的には、感染対策の現状とコロナ禍における客足の変化についてお伺いし、2021年5月末現在、飲食店4件、美容院2件、小売店1件のデータが集まっております。(飲食店あと2件ほど予定)
全体に共通することとしては、世間の流れに振り回されている結果として客足は遠のいていること、時短要請や酒類の販売停止などは都市部と一緒くたにされているが効果があるかを疑問視していることなどがあります。
そういった状況のなか、ただでさえ売上が下がっている上で感染対策を自前でやろうとはなかなか出来ず、そもそもどういったものを置いていいかのガイドラインがないため、自分たちでDIYをすることができないといった声も多くありました。


我々も自社でいくつか感染対策の商品を持っていますのでそういったものを導入したり、ポスターやpopなどを使った呼びかけでお客様に安心感を持ってもらって来場を促進するといった企画の流れには、すべてのお店の方に賛同をいただけました。予算の使い方はこちらで調整することとし、とりあえずは最短でいくつかのお店を感染対策のモデル店舗として自信を持って発信できる環境をつくることを進めているのが今の段階となります。

「原駅前ガイドライン」の素案もつくり、お客様への啓蒙や店側の対策などを店内で発信するためのオリジナルデザインのpopもつくりました。
モデル店舗に実際に貼っていただくことで、コロナに対してデザインでアプローチすることの一助になればと思っています。
最終的にはこのpopデザインは無料公開も考えてます。


今後の展開

まだ公開できない情報もありますが、一応予定している流れとして・・

モデル店舗ができ、原駅前ガイドラインが完成した状況で、ハブ拠点でもある駅前のターミナルに原駅前ガイドラインとモデル店舗の情報発信のためのサインを設置しようと考えています。
市営地下鉄とバスが乗り入れするターミナルとなりますので、近隣住民はもちろん中継地として利用されている方もすべてお客様となり得ますので、行き帰りのちょっとしたタイミングで情報を得る上では、スマホ経由のオンライン情報よりも、見やすいサインのオフライン情報に利があると考えます。

さらに将来的なことを考えると、このサインを使ってコロナがひと段落した後も色々と攻めた情報発信ができたらいいなと企んでます。

たとえば、デジタルサイネージも今回の企画で設置する予定ですが、それを使って商店街のお店の動画配信をしてみたいと思ってます。
商店街の店長の方々も世代交代し、デジタルリテラシーの高い方も増えてきてます。Youtubeやってみたいけど、お店の立地的にあまり集客には使えなさそうだなって方もいましたので、超ドローカルでの動画配信媒体として駅前サイネージがあると面白いのではないかと思ってます。
その場合は従来の枠販売型の広告ビジネスではなく、地域のコミュニティビジネスとして、近隣の大学生なんかが企画、撮影なんかをやって地域経済圏や動画作成のケーススタディを学べるなんてのはどうかと考えてます。

この動画ビジネスもそうですが、今回商店街の企画立案に携わり一番感じることは、最近流行りのワードでもある「持続可能性」。
コロナ以前より、商店街やローカルの経済圏の課題として今後10年20年と持続的にビジネスを回していくことができるのかということは切実に存在します。単純に古き良き日本のノスタルジックに浸っているだけでは未来は暗く、外部の企画屋が引っ掻き回して焼け野原になったところもたくさんあると思います。そこにいる当事者たちが主役となりすすめることができるプランでなくては意味がないということです。(一応ボクらは商店街の一員として当事者のつもりです)

とりあえず自分たちの手の届くところからやろうと思います。
僕が会社入ってからずっと通ってる中華屋さんや定食屋さんが苦しんでるのをなんとかしようってのがシンプルな動機です。
これが一番原動力になりますし、「ありがとう」と言われて一番シビれます。

ノウハウはこちらで都度オープンに共有していきます。
全国で同じようなことでお悩みの自治体関係者の方が見えましたら、僕でよければご協力いたします。

コロナ禍がなんだ!!
自分たちでやれることやりましょう!

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